2022年3月議会:上原秀樹 代表質問

2022年3月議会 最終日議案質疑

2022年3月
日本共産党伊丹市議会議員団 上原秀樹

ロシアによるウクライナに対する侵略行為に関して

 質問の前に、ロシアによるウクライナに対する侵略行為に関して一言申し上げます。ロシアは24日、一方的にウクライナに侵攻し、すでに同国民に多大な犠牲者が出ています。 これはウクライナの主権と領土を侵し、国連憲章、国際法を踏みにじる、侵略行為です。同時にプーチン大統領が核兵器の使用を示唆するなど断じて容認できません。日本共産党は、ロシア、アメリカ、中国などどんな国であれ覇権主義を許さない立場から、この侵略行為を断固糾弾するとともに、ただちに軍事行動をやめ、撤退させることを強く求めるものです。

 また、一部の政治家が「核兵器の共有」を論じるなどは、唯一の戦争被爆国の政治家の発言としてあるまじき発言であり、世界の核兵器廃絶の流れに背くとともに、ロシア大統領と同類の発想であり、絶対に容認できません。

1.市長の情勢認識について

1)市長の提案説明「国内外の情勢認識」について

 市長は提案説明の中で国内経済について述べられました。

 日本経済に関しては、岸田首相が通常国会の所信で「新しい資本主義」とか「新自由主義の弊害を取り除く」などと述べました。今の日本経済は岸田首相の言う「新自由主義の弊害」によって、経済が成長しない国、賃金が上がらない国、国際競争力が低下した国になりました。「新自由主義」的政策のもとでの働く人の貧困と格差が拡大は、非正規雇用の増大等、低賃金で「使い捨て」労働の拡大をはじめコスト削減を最優先の賃金抑制や無法なリストラがもたらしたものです。その結果、2000年を100とした平均賃金指数は、アメリカが124、スウェーデンが138、韓国が143となっているにもかかわらず、日本の場合は100で賃金は上がっていません。2012年対比でみると、実質賃金は年収22万円減少し、その一方で資本金10億円以上の大企業の内部留保は130兆円増やして466兆円にもなりました。自公政権が行っている「賃上げ減税」は、安倍政権以来2兆円以上の賃上げ減税を行っていますが、その間実質賃金は下がっています。

 さらに、新自由主義のもと、社会保障を削減し続け、「社会保障の自然増」部分を来年度予算では2200億円も削減することになっています。このことによって診療報酬の削減、高齢者医療の自己負担の倍増、年金の削減が行われています。そして消費税のあいつぐ増税が国民に大きな負担を押し付けています。

 その結果、GDP実質成長率では、日本経済の成長が止まった国になりました。2000年を100とした場合の名目成長指数が、日本は2020年が100で成長が止まり、アメリカ、ユーロ圏ともに200で倍になっています。さらに競争力も、1991年には1位だったのが、2021年には31位に下がりました。

 すなわち、新自由主義による、貧困と格差の拡大という人に冷たい経済政策が日本経済を停滞に押しやったと言えます。日本共産党は、人にやさしい経済の方が結局は経済成長もするし、パンデミックにも強い経済になると考えるものです。そのために、正規雇用が当たり前の労働法制に変え、中小企業に支援をして最低賃金を時給1500円以上にして賃金を引き上げる、社会保障の抜本的拡充、消費税の減税を提案しています。

 日本経済における「新自由主義の弊害」と市長に渡しています日本共産党の政策に対する見解をお聞きします。

2)9条改憲、「敵基地攻撃能力」「反撃力」と伊丹の自衛隊基地について

 岸田政権は戦後初めて、「敵基地攻撃」能力の保有について検討を進めるとともに、岸防衛相が他国領空内に自衛隊機が侵入して爆撃することも「排除しない」と答弁、また相手の基地に限らず、指揮統制施設や通信施設などへの攻撃を含む「反撃能力」=戦争遂行能力の保有にも言及するなど、憲法が禁じた戦争につながる危険なたくらみが浮き彫りになっています。そして憲法との矛盾を突破するため、9条改憲で名実ともに「戦争する国」に日本をつくりかえようとしているのが、自公政権とカッコつきの「野党」の人たちです。

 今、台湾をめぐる米中の緊張が激化しています。日本は日米同盟にとって死活的問題だなどと言って、アメリカの対中国戦略に積極的に加担し、そのための実働演習などを頻繁に行っています。その一つが昨年12月に伊丹駐屯地で行われた日米方面隊共同指揮所演習=ヤマサクラ81でした。すべて米軍が指揮を執り、米軍の対中戦略に自衛隊を巻き込む訓練です。そしてその場合の反撃対象は米軍基地であり伊丹駐屯地のような自衛隊基地ということになります。

 日本共産党は、この問題で最も抑制すべきことは、軍事対軍事の対立と軍備拡張競争の悪循環であり、最も推進すべき道は、どんな国であれ覇権主義は許さないという立場にたって、平和手段による問題解決を図ることであると考えます。注目すべきことは、2011年にインドネシアのバリで開催された東アジアサミットで「バリ原則」という政治宣言が調印されていることです。ここには武力行使の放棄、紛争の平和的解決などの諸原則が入り、アセアン諸国10カ国とともに日本、中国、韓国、米国、ロシア、インド、オーストラリア、ニュージーランドが参加してすべての国が賛成しています。この宣言を条約にするため、憲法9条を持つ日本がその先頭に立つことが求められています。

 ロシアのウクライナ侵略という事態の中で、日本が他人ごとではなく、「戦争する国」にまい進するのではなく、この時期にこそ「バリ宣言」の報告に向かう努力をすべきと考えます。

 市長の見解をお聞きします。

2.新型コロナウイルス感染症対策について

 市長は提案説明の中で「新型コロナウイルス感染症対策を最優先事項として、…今できる最善の取り組みを迅速かつ的確に実施してまいります」と述べられました。

 今、高齢者を中心として第4波、第5波を上回る死者数など、コロナ危機は始まって以来の深刻な事態にあります。全国知事会の2月15日「緊急提言」の通り、オミクロン株の特性に応じた保健医療体制の構築や社会活動の継続への対応を検討し、その全体像の見直しも含め、全般的な対応方針を明確にすること、一部地域で深刻な医療ひっ迫を招いている現状を踏まえて、危機的状況が国民に正しく認識されるよう、国として強く発信することが求められます。

1)PCR検査体制について

 今まで議会の度に「いつでも、誰でも、無料で検査を受けることができる体制」を求めてきました。市内10か所の薬局で無料検査を行っていますが、検査キットがなくて検査が受けられない人がおられます。検査キットは十分届いているのでしょうか。また、「濃厚接触者かもしれないから」という人も来られるそうですが、防護もマスクのみという不十分な状態で、立会人という役割を果たさなければなりません。通常業務に手が回らないときもあるとお聞きします。今の状態で薬局が検査を担うことに無理が生じているのではないか、県の管轄ですが当局はどのように認識されているのでしょうか。実態を聞いて改善すべきことは改善をするよう県に求めるべきですが、見解をお聞きします。

2)子どもとその関連施設、保護者への対応について

 就学前施設や学校での学級閉鎖、学年閉鎖、休校が相次いでいます。

○ その場合、一つは、様々な職種の会計年度職員への連絡も休校等の連絡がされると思いますが、学校等への出勤の有無はどのように連絡されるのでしょうか。仮に出勤の有無が不明確の場合、賃金はきちんと補償されているのでしょうか。また、会計年度職員が濃厚接触者となった場合や感染の疑いがある場合、感染が確認された場合、また小学校、幼稚園、保育所、特別支援学校の休校等に伴い会計年度職員が子どもの世話を行うため勤務することができない場合の休暇の扱いと賃金の補償についてもお聞きします。

○ 二つには、厚生労働省が2月8日、新型コロナウイルス感染の影響で保育所が休所となった子どもを他の園や公民館などで預かる「代替保育」を確保するために新たな財政支援策を発表したことについてです。医療や福祉、介護といったエッセンシャルワーカーの確保のためにも、代替保育の拡充が、急務となっています。厚労省は利用者負担についても財政支援で負担がないようにするとしています。ぜひ伊丹市でも早急に実現をしていただきたいと思いますが、見解をお聞きします。

3.気候変動危機の打開に向けて

 この問題では12月議会で岸田政権の温暖化対策の問題点を指摘するとともに、日本共産党の気候変動危機打開の2030戦略を紹介しました。同時に、伊丹市として「気候非常事態宣言」「2050年ゼロカーボンシティ宣言」をすることを求めました。答弁では、脱炭素社会の実現に向けた環境施策を積極的に推進し、その基盤を築いてまいりたいとされましたが、環境基本計画の見直しとともに検討するとのことでした。

 一方環境省の資料によりますと、2月28日現在で「2050年ゼロカーボンシティ宣言」を何らかの形で表明した自治体が598自治体、日本の総人口に占める割合は90.7%に達しています。阪神7市1町の中では5自治体が宣言をしています。

 環境基本計画の見直しの中で、着実に計画として具体化することは否定するものではありませんが、計画の見直しにあたって「2050年にカーボンゼロをめざす」ことを宣言することで、市民に対しても伊丹市の姿勢が伝わり、市民ぐるみでカーボンゼロをめざす機運も生まれてきます。

 改めて「気候非常事態宣言」「2050年ゼロカーボンシティ宣言」をすることを求めるものですが、見解をお聞きします。

4.教育行政について

1)改正民法施行により成年年齢が18歳に引き下げにかかわって

 今年4月から改正民法施行により成年年齢が18歳に引き下げられます。既に18歳投票権が付与されていることも踏まえ、改めて中学・高校における主権者としての教育や自己決定権の拡大に伴う法的・社会的教育が求められてきました。18歳になったら親などの同意を得なくてもクレジットカードやローンなどの契約をすることが可能になります。しかし、人間は18歳の誕生日を迎えたら突然何もかもが成熟して「子ども」から「大人」になるわけではなく、年齢で画一的に扱う法律のほうが、人間の実態に即さない不合理な存在ともいえます。

 年齢引き下げは自己決定権を拡大する積極的な意義がありますが、成人年齢の引き下げにともなって若者の消費者被害の拡大や、罪を犯した少年の立ち直りへの影響などを懸念する声もあり、これまでより早く“大人”になることについて、親世代も含めたすべての世代で意識を高めていくことが課題となるとともに、教育の果たす役割は大きいと言えます。

 そこで、伊丹市の特に高校の教育では、今までどのような金融教育や消費者教育などを行ってこられたのか、その成果をどう認識されているのかお聞きします。

2)次に主権者教育はどのように進んでいるのかについてです。

 18歳選挙権を実現する改正公職選挙法は、2015年6月19日に公布され、2016年6月19日に施行、同年6月22日から適用されました。以降、様々な選挙が行われてきましたが、その投票率を調べたところ、前回2019年県会選挙では、全体の投票率が40.14%に対して、10歳代が28.01%、20歳代が21.84%、同市議会議員選挙では、全体が40.39%に対して、10歳代が24.74%、20歳代が19.82%、同年参議院選挙では、全体が48.12%、10歳代が31.13%、20歳代が31.74%となっています。
 なぜ投票率が低いままなのか、なぜ政治に関心がわかないのか。もちろん教育だけではなく、様々な要因はあると思いますが、教育委員会としてこの投票率の結果を見て、この6年から7年間、18歳選挙権が施行される公職選挙法改正以降の主権者教育をどのように評価されているのでしょうか、お聞きします。

 いくら投票の方法を学んでも、政治に関心が湧かなければ投票行動には結び付かないのは言うまでもありません。

 このような中で、若者たちはどのような社会意識を持っているのでしょうか。日本財団「18歳意識調査」の2019年11月「第20回社会や国に対する社会意識調査」は、インド、インドネシア、韓国、ベトナム、中国、イギリス、アメリカ、ドイツと日本の17~19歳各1,000人を対象に国や社会に対する意識を聞いたものです。この結果、「自分を大人」、「責任ある社会の一員」と考える日本の若者は約30~40%と他国の3分の1から半数近くにとどまり、「将来の夢を持っている」、「国に解決したい社会課題がある」との回答も他国に比べ30%近く低い数字となっています。さらに「自分で国や社会を変えられると思う」人は5人に1人、残る8カ国で最も低い韓国の半数以下にとどまり、国の将来像に関しても「良くなる」という答えはトップの中国(96.2%)の10分の1。全体に途上国、欧米先進国のいずれと比べても数字の低さが際立つ調査結果となっています。

 なぜ日本の若者の政治・社会意識が他国と比べて低いのでしょうか。日本の政治・社会状況とも関係していると思われますが、民主主義を前進させ、主権者としてその担い手を育てる教育の課題とは何か。今の教育にかけているものは何かについて、次の点を踏まえてお聞きしたいと思います。

 教育長の「伊丹市教育基本方針」では、確かな学力の育成について「これまでの取組により、全国学力・学習状況調査での…一定の成果は上がっているものの、思考力や表現力、学びに向かう力、多様な教育的ニーズのある児童生徒への対応に課題があります」とされました。このようなことから、これまでも実践されてきた学びとして「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に推進するとのことです。これらは全国学力・学習状況調査、いわゆる「全国学力テスト」の結果を重視することから出発していますが、PISA学力論を経由しての「資質・能力」論とそれと結びついた「コンピテンシー」論は、経済協力開発機構が行う国際学力調査の枠組みの基本であり、人間形成の視点から、学力と人格を、政治と経済の戦略に沿って管理・方向付けるものではないか、「コンピテンシー」に関しても、将来の労働力=人材に求められる能力を設定し、その達成のスキルを課するという性格となっているのではないかと思います。もちろん、社会に出て働く上での能力形成は必要なことですが、先ほど述べたPISA学力論が中心になることによって、民主主義を前進させ、主権者としてその担い手を育てる教育、地球環境問題や社会の格差・貧困問題、コロナ禍のもとでの生存権保障、ジェンダー平等、世界の紛争や戦争阻止などの課題にどう対処するのかの集団による知恵の探求が後景に押しやられることになっているのではないか、このことの積み重ねが若年層の投票率低下につながっている一つの要因ではないかと考えます。

 見解をお聞きします。

3)保育環境評価スケールについて

 保育の実践的指導力の向上に関して教育長は、「保育環境の指標を示す『環境評価スケール』を完成させ、全ての幼児教育・保育施設において環境を通した幼児教育のあり方を共有してまいります」と述べられました。保育環境評価スケール研究会のホームページでは、「保育環境評価スケールとは、どんな集団保育の場(幼稚園、保育所、子ども園)であっても共通する、こどもの基本的なニーズに注目し、それらがどの程度満たされているかを測定する『尺度=物差し』」であり、保育の質の向上のための一つのツールであるとの説明がされています。「かわにしひよし保育園」の実例が掲載されていますが、ここでは3歳以上の評価スケールは35項目で、12人の評価者が評価シートを使って1項目ずつ、二人の保育士と22人の3歳児を観察・評価するやり方です。そこでお聞きします。

○ 伊丹市は評価シートをこれから作成・完成させるとされていますが、40項目前後の評価項目で評価し、そのことを通して幼児教育のあり方を共有することは大変な労力が必要になります。評価を受けた保育士が次には評価する側になり、次々と評価をする施設を増やすということになろうかと思いますが、今の保育士体制でそのような余裕があるのでしょうか。

○ 全ての幼児教育・保育施設が対象とされていますが、保育所の場合、そもそも保育士配置と面積等の保育基準は満たしているものの、約70年前の基準であり、4,5歳児30人に1名の保育士配置という条件下での評価で、一人ひとりの子どもにどれだけ寄り添えるのかという前提が成り立ちにくいのではないか。この環境評価を行う中でこそ、保育士配置基準の見直しの必要性が明らかになるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○ 障がい児への特別支援教育、統合保育の視点はどのようにされるのでしょうか。特別支援教育というのは決して特別な子どものための教育ではなく、どの子どもにも必ず発達の凸凹があります。学習や社会生活に支障が出る子ども、大きな凸凹がある子どもに関しては発達障害という診断名が付くかと思いますが、小学校に上がって初めて診断名が付いたけど、実は幼児期から困っているということもあります。どのようにされるのでしょうか。

 以上、3点についてお聞きします。 

5.病院統合再編、地域医療体制の整備について

 市長は、近畿中央病院の跡地への医療機関誘致に関して、「兵庫県地域医療構想では、回復期病床の確保も重要な課題と位置付けられていることから、回復期機能を有する民間医療機関が誘致できるよう、昨年8月、公立学校共済組合と近畿中央病院跡地の活用に関する覚書を締結し」たことに触れられました。今後、共済組合や兵庫県、医師会等関係機関との協議を急ぎ、近畿中央病院閉院後、医療空白をできる限りなくす方向での誘致にご尽力いただくことを改めて求めておきます。

 兵庫県地域医療構想に関してですが、新型コロナウイルス感染症パンデミックを通じて見直すべきではないかと思います。新たな感染症がコロナウイルスで終わるとは限りません。感染患者を受け入れたのは高度急性期、急性期病床を持つ病院です。その病院では感染病床を確保するためにあらかじめ空床として確保するとともに、そのために感染患者以外の入院を制限せざるをえませんでした。そのため医療がひっ迫する事態を招きました。

 一方、地域医療構想では、急性期病床を減らし、高度急性期と回復期病床を増やすものとなっています。阪神北準圏域においては、2014年の高度急性期と急性期病床の合計が3,486床、2025年のその必要病床数は合計2,387床で、1,099床も減少させる計画です。ところが2040年の必要病床数は合計2,550床で、逆に2025年対比で163床増やすものとなっています。短期間に急激に減少させた上に次には増床を図ることなど、莫大な経費が必要な病院の病床数をコントロールすることは困難です。コロナ感染パンデミックを経験していることから、これ以上高度急性期、急性期病床を減らさず、それに見合った医師・看護師などの病院職員を増員する方向に転換すべきと考えます。その上に立って、近畿中央病院の跡地への医療機関の誘致は、回復期だけにこだわらない医療機関を誘致する方向で、関係機関と協議を進めていただきたいと思います。見解をお聞きします。

6.条例の制定に対して

1)議案第24号 伊丹市教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例等の一部を改正する条例の制定について

 本条例は、昨年9月議会での条例制定において博物館の管理を教育委員会から市長に権限を委譲したことに続き、今回、文化財の保護に関する権限も教育委員会から市長に委譲しようとするものです。同時に、伊丹市にぎわい創出基金条例を改正し、その条例に「文化財の保護及び活用」を加えようとするものです。その基金条例の目的は、「文化の振興,良好な景観づくり、地域経済の活性化等による、まちのにぎわいの創出を図る」こととされています。

 博物館の権限移譲に関しては、博物館を含むミュージアム全体が社会教育施設の位置づけがなされ、社会教育の適切な実施を担保することができるとの答弁をもって賛成をしました。

 一方、文化財保護に関しては、第3次教育振興基本計画の中でも「関係団体と連携・協力し、郷土の歴史や民俗に関する資料の収集・保存に取り組み、調査研究を推進します」とされ、このことから博物館の権限を市長に委譲する際、教育委員会の職務権限のうち「文化財の保護に関すること」は教育委員会の管理として残したものでした。今回、にぎわい創出基金条例の改正とも相まって、文化財の保護における資料の収集・保存、調査研究部門が観光・にぎわいの後景に退いてしまうのではないかと危惧するところです。教育委員会の見解をお聞きします。

2)議案第28号 一般職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例の制定について

 本条例は、昨年の人事院勧告に基づく国家公務員の給与改定に基づき、第1条において一般職員の6月12月期の一時金を、年間4.45月を4.3月に、0.15月減額するとともに、再任用職員も年間2.35月を2.25月に、0.1月減額しようとするものです。これは昨年の人事院勧告そのままの数字となっています。

 職員のみなさんは新型コロナウイルス感染症対策で奮闘されている最中にあり、その奮闘にふさわしい賃上げを求めているのではないでしょうか。原油価格の高騰によるガソリン等の物価の値上がりも生活に大きな影響を与えています。この時期に職員の給与を減額することに疑問を感じざるをえません。

 なぜこの時期に給与減額なのか、また具体的に一般職員と再任用職員において平均して年間いくらの賃下げとなるのか、さらに一般会計全体での減額はいくらになるのかお聞きします。

(2回目の質問)

4.教育行政について
2)主権者教育はどのように進んでいるのかについてです。

○ 伊丹市教育委員会が子どもたちに身につけようとしている学力と、伊丹市などの身近な社会及び国内外の社会問題に目を向け、主権者として社会に働きかけ、民主主義の担い手となる教育について、選挙における若者の投票率の低さに注目して、教育のあり方について質問をしました。

 先ほど紹介した調査や統計で、伊丹市をはじめ日本の若者の投票率が低いことも、政治・社会意識が低いことも統計上事実である以上、教育に限らず、どこかに原因があると思います。

 では教育には問題がないのでしょうか。答弁では、様々取り組みが述べられましたが、その教育が先ほど述べた地球環境問題や社会の格差・貧困問題などの課題に対する社会・政治的意識と結びついていないのではないか。学校教育の場でも、他の場所でも日常的に話し合う文化が育っていないことがあり、それがまた、社会・政治意識を間近にとらえて、深めさせえない悪循環があるように思います。

 もちろん全面的に否定的な面だけではなく、かつての安保法制の時には多くの若者が国会前に集まったり、今では気候変動危機に対して立ち上がったり、女性への性暴力に対する「#Me Too運動」など少なくない若者が行動に参加されているのも事実です。直接国会前での集会に参加するなどの行動に結びつくかどうかは別として、何かのきっかけによって社会的・政治的に目覚める場面がある一方で、それが日常化できていないのは、やはり今の教育に足らないものがあると思いますが、教育長の見解をお聞きします。

6.条例の制定に対して
1)議案第24号 伊丹市教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例等の一部を改正する条例の制定について

 今まで教育委員会が所管していた文化財保護に関する事業について、文化財保護法を引用して、その事業内容を答弁されました。なかでも専門職員による地域や学校で向いた学びあいの場の提供は、調査・研究・保存という社会教育活動として大変重要な事業です。

 問題は、文化財保護に関する権限が市長に委譲されるにあたって、今までの文化保護行政の位置づけが担保され、発展させられるのかどうかです。文化財保護における権限は、とりわけ収集・保管・展示・教育・調査・研究という基本的な機能は市長の権限とは分離され、市長の権限に束縛されない、自由で自律的な学芸活動として展開されてきました。保管や展示は博物館とともに行われてきましたが、これらは明確な教育活動であり、教育委員会の権限とされてきた由縁です。このことが市長の権限に委譲することで担保できるのでしょうか。

 また、このことと関連して、一昨年5月に施行された「文化観光推進法」による博物館事業への「文化観光」概念の導入で、博物館、文化財保護に関する事業が観光を目的とするものにシフトされる危険性がありますが、どうでしょうか。

 さらに、文化保護行政には、調査・研究等に携わることのできる正規職員としての学芸員等の十分な専門家及び事務担当者が必要であり、そのための財政措置は行われるのでしょうか。

 以上に対して、市長若しくは市長部局担当部長に対してお聞きします。

 

2021年12月議会:久村真知子 一般質問 生理用品、補聴器購入補助、痴漢対策

2021年12月議会 一般質問

2021年12月8日
日本共産党議員団 久村真知子

1.学校のトイレに生理用品を設置することについて

 生理用品のトイレへの設置に関しては、前回伊丹市の見解をお伺いしております。答弁では「管理の面において課題があるため、今後の対応について検討する」との事でした。その後どうなったのか、できるだけ早く設置していただきたいと思いますので続いて質問させていただきます。

 「生理の貧困」が言われ始めてから、海外ではイングランドやフランスなどで生理用品の無料配布が行われ、スコットランドでは、2020年11月に生理用品無償化を義務図ける法案が制定されたりしていることには驚きます。

 国内でも群馬県ではすべての県立学校や県の施設に生理用ナプキンを提供する方針を決めています。 東京都等様々な自治体で設置がされ始めてきています。

 女性が安心して活動するためには、生理の問題は避けて通れない問題だと思います。

 最近まではこのような問題についてオープンに話は出来ませんでした。長い間生理は汚れたものという扱いでしたから、小学校での生理用ナプキンの使用方法の説明では、女生徒だけが集められ説明を受けましたから、特に男性には知られないように気を遣うのが当たり前という風潮でした。生理時の大変つらい状況に対しても長年声を上げにくかったのですが、やっと生理の貧困という形ですが声が出始めてきました。

 今日議会でこのような話ができるという時代になってきたことを、私は大変うれしく思います。

 女性の体の健康問題でありますから男女ともに真剣に考えてなければならないと思います。少しの思いやりがあれば生理の時も女性が安心できる状況を作ることができると私は思います。ですから伊丹市はやっと出てきた声を真剣に耳を傾け受け止めていただきたいと思います。女性が安心して様々に活動するためには今までの状況でいいのか、何をどう変えなければならないのかは、避けて通れない問題だと思います。

伊丹市内の学校で児童生徒が生理時に生理用品がなくて困ったことがないのか

 質問の1点目は、伊丹市内の学校で児童生徒が生理時に生理用品がなくて困ったことがないのかという事。

 その状況をどう把握されているのかについてですが、きちんと把握することが必要だと思います。NHKの報道ですが、ある学校でのアンケートでは、生理用品が学校でなくて困ったことがあったのは、17%です。その理由は、持参するのを忘れたが95%。家庭で準備できなかったが5%という結果がありました。生理は予期せぬ時になるのですから、わからない間に下着やスカートが汚れてしまう等、女性ならその時の大変さ、困ったときの経験はだれにでもあるのではないかと思います。生理の時にどんなことに困ったのか等、この学校のようにある程度の人数の意見を聞いてみること等もしていただければ、生徒児童の困った状況がすぐにわかるのではないでしょうか。

 前回の答弁では、「学級担任や学年の教職員が中心となり子どもたちを注意深く観察し、子どもたちの心のSOSを見逃さない、小さな変化を見逃さない体制つくり、子どもたちが相談しやすい環境つくりが必要である」等いわれていますが、その体制で、生理で困っていた全員の子どもの問題点をきちんと把握し、解決できているのでしょうか把握内容に付いてお伺いいたします。

 第2に、各地でトイレへの設置が広がりつつありますが伊丹ではまだ検討中との前回の答弁からあまり進んでないと思いますが、最近は群馬県などのように、自治体や学校の判断で取り組みが進んできています。このような状況に対して、どのような見解をお持ちなのでしょうか。お伺いいたします。

 第3に、また伊丹市でも、学校のトイレに生理用品の設置を求めていますが、児童生徒の意見はどうなのかです。

 「どこにおいてほしいか」の問いに150人からアンケートを取っている学校がありますが、その答えは
  トイレにおいてほしいが、87%。
  保健室1%
  どちらでもよいが9%。

 ほとんどの児童生徒がトイレへの設置を希望しているわけです。

 どこにおいてほしいのか等の把握もなどは、すぐに聞くこともできるでしょう。前回の答弁では、「対応については、検討する」と答えられています」。突然の生理に困って一人で悩むことなく、トイレにおいてあげれば、すぐに解決できるわけです。子供の健康を守り尊厳を守るなら、子どもたちの声にきちんと対応することが学校の役割と思いますが、前回の答弁後、伊丹市での取り組みに関して検討された内容についてはどうであったのか、その後の検討内容について、お伺いいたします。

2.補聴器購入費用の補助について

 補聴器購入に関しては、2019年決算議会で上原議員が知るもんしていますが、少し時間もたち又多くの自治体で補助制度などもできていますので伊丹市でもぜひ実現していただけたらと思い質問させていただきます。

 最近知り合いの方がとても話が聞こえなくなった、「家でも奥さんとの会話もできないくらい」と言われていました。「補聴器を買えば」。と言いましたら「高いので買えない」と返事が返ってきました。その方は地域の活動などでも周りの方のお世話なども行い、大変信頼がある方です。その様な方が周りとの会話ができない状況だという事が私には大変ショックでした。何とかしてあげたいと思いますが、このような方に補助制度があれば助かるのにと思います。高齢化社会ですので同じように困っておられる方も多いのではないかとおもいますので、ぜひ実現していただきたいと思います。

 初めに難聴と認知症の関係についてお伺いいたします。高齢化が進み様々に体も衰えてきますが、伊丹市では健康を保つために様々な検診をはじめ、運動をしたり、食事に気を付けたり、引きこもりにならないように、地域でサロンを開く等、様々な施策がとられています。その結果多くの方が健康を保つための自覚も高まってきていると思います。しかし中々自分で気が付かず治りにくいというのが、高齢になっての難聴です。難聴になれば人との会話がうまくいかず、日常生活が苦痛になり外出は少なくなり、社会からの孤立する状況となってしまいます。その様な状況で難聴が認知症の最大の危険因子となっているといわれています。

 WHO基準での26デシベル以上を難聴とした場合、65歳から69歳で3割から4割、70代で4割から7割、80代以上では8割になるといわれています。WHOは補聴器の装着を推奨する中程度の難聴者は、41デシベルから69デシベル、としています。しかし高齢者は一人暮らしの方も多いためテレビの音が大変大きくしている方や話しかけているのに返事がない等

 自分の聞こえに関して気付きにくいという状況があります。このような状況では、社会的な孤立の人も多くなるのではないでしょうか。その解消のためには補聴器の利用が有効だといわれています。高齢者の難聴と認知症の関係また補聴器の有効性については、どのように認識されているのかお聞きいたします。

 補聴器の購入への助成制度に付いてですが、東京江東区では、「より良いコミュニケーションと積極的な社旗参加」を目的に1990年から補聴器支給制度が行われています。65歳以上の難聴者に4万5千円相当の補聴器を支給します。区が指定する耳鼻咽喉科で聴力検査をして必要と認められれば医師が支給し、検査料は無料とされています。また長野県南木曽町(なぎそ)でも補聴器の助成制度が購入費用の2分の1で上限3万円です。専門家の意見者があれば販売店で購入できる制度となっています。愛知県設楽町(設楽町)では助成額は購入費の3分の2の範囲で、助成額上限5万円。65歳以上が対象となっています。所得制限はなし、片耳一個ですが、特に医者が必要と認める場合は両耳で上限10万円となっています。これらの助成は多くの自治体に広がっているようです。認知症予防のために行われているわけです。補聴器の利用でコミュニケーションをとることが大事なことだと思いますが、認知症と聞こえの関係をどの様に認識されているのでしょうか。お伺いいたします。

 補聴器は様々なものがありますが、値段が高いものが多く補聴器の購入ができないといわれている方も結構おられます。各自治体で進んでいるように伊丹市も補聴器購入の助成制度を制定し高齢者の皆さんが安心して生活できる伊丹市にすることが必要と思いますが、いかがお考えでしょか。お伺いいたします。

3.痴漢予防の対策について

 痴漢に合ったことがないという方の方が少ないのではないかと思うくらいに日本は、痴漢が多いといわれています。

 海外でも痴漢という言葉は知られており大変恥ずかしい事だと思います。痴漢被害に対して被害者の言葉は、あまり表に出ず。そのためか最近まで正面からの解決のための話は出来ていませんでした。しかし痴漢は性差別に基づく暴力であり、人権問題です。このような被害に合えばだれでも傷つき、大きな打撃を受けるものです。自分の人格が否定されたと感じ、自分自身が自分を責めてしまいますし、体調も崩してしまいます。男性が怖くなってしまい外を歩き人とすれ違うのが怖くなってしまったりします。様々に心の病が起こってしまいます。

 電車の中で周りの人が気づいても助けてくれなかった等の例も多くあります。

 最近はスマホなどでの盗撮などの被害もあります。抵抗できない子どもたちがターゲットになっている事件も多くあります。痴漢などの被害にあっても、誰にも言えなかった。また怖くて何もできなかったという方々が多いのが現状です。

 警察庁の調べでは、被害にあった人の89%の人が「通報相談できない」という風に答えています。また被害を目撃したことのある人のうち45%が「何も行動しなかった」と答えています。また周りの人に話しても「あなたの服装が派手だったんじゃないか、」等セカンドレイプと言わるような状況にもなってしまう場合も多いのです。

 このように被害者に落ち度があったという風になると、被害をなくすことは出来ないのではないでしょうか。痴漢は許さないという市民の思いが必要だと思います。やっと最近は様々な人が痴漢被害等をなくしていこうと女性中心の様々な運動が起きています。被害が起こってしまってからは取り返しがつきません。そのための施策が必要だと思います。お聞きいたします。

① 伊丹市での痴漢被害の状況などはどうなのでしょう。電車などでは、小学生中学生なども痴漢の被害にあっています。学校の行き帰り等子どもたちに対しての防止対策は家庭、地域も含めどの様に行われているでしょうか。

② 痴漢防止対策の啓発についてですが

 痴漢被害は様々なところで起こります。・電車の中が多いといわれていますが、駅構内、バスの中、プール、映画館、公共施設、路上等であります。伊丹市内もこのような場所がありますが、どんな時でも女性や子供が安心して出歩けることは当然の事なのですから、そのことがきちんと保障される対策は必要な事だと思います。そのためには被害者の意見を何らかの形で聞くことも必要でしょうし、心のケアーが必要な人には気軽に受けられることも必要だと思います。安全を守るための対策についての様々な啓発なども必要と思いますが、どのようにお考えでしょうか。お伺いします。

(2回目の発言)

生理用品の配置

 答弁をいただきましたが、なんだか前回の質問から全然変化していない内容に感じますが、子どもたちが抱える課題の内容を把握することは必要であると考えておられるという事ですが、私は児童生徒が生理時に困ったことを経験していないか、その状況についての把握の内容を聞いているのですが、全く進んでいないという風にとれる答弁です。

 子どもたちは先ほど例を挙げましたように、生理が始まるのは、いつ始まるのかわからないのですから、その時に生理用品を持っていなければ困るわけですよ。トイレに行きそのことがわかってから、保健室にもらいに行くかもしれませんが、中には行きにくい子もいるでしょうし、保健室に男子や他の方がいれば、言えない子もいるかもしれません。

 その様な例を把握できないのでしょうか。

 それこそ小さなSOSではないですか。小さなSOSを見逃さないような体制つくりに努めおられるのにこのような内容を把握することができないのでしょうか。

 もしそのようなことで困っている子供がいれば本当に気の毒です。学校での対応の冷たさを感じるのではないでしょうか。学校へ行くのが不安にもあるのではないでしょうか。今の時代は、トイレに行けばトイレットペパーがあって当然となっています。衛生面で大変安心できます。ある学校の校長先生は、自分がトイレいきトイレットペパーがなければ大変困る。このことと同じことなのかと感じられ学校に生理用品をおくことにしたと、報道がありました。全くその通りだと思います。

 誰もが同じ様に困ると思います。生理用品を持っていなかった場合はそのことと同じ状況になりますし、トイレに行った時だけの事ではなく、経血は何日も続いて流れ出ているのです。それが健康な女性の体なのですから、どうしても生理用品が必要なのです。

 生理の間は、当然体調の変化も起こります。私の中学校でも腹痛生理痛で授業も受けるのが大変なくらい痛さに我慢できないという症状の人もいました。

 頭痛がする、気分が落ち込む等それぞれ症状は色々ですが、このような症状は生理がなくなるまで40年間も繰り返し起こるのです。社会に出れば仕事ができないくらい体調が崩れる人もいますから、体のためには生理休暇を取り休んだ方がいいと思います。

 このような体調でも学校に休まず来て勉強する生徒に対して、もし生理用品が持ってきていなかったときに下着やスカートなどにもしみ込んだしまったりもするのですから、もしそうなれば大変恥ずかしい思いをすることになってしまいます。すぐに生理用品が必要なのです。その時にわざわざ保健室に行き、事情を話すのも結構勇気がいると思います。また休み時間で間に合わないかもしれませんし、授業中なら、トイレに行けば生理用品があればなんとかなると思います。大変細かく話をしましたが、女性の体をきちんといたわることは、将来安心して子どもを産むことに大きくつながることだと思います。対処の仕方を間違えれば健康被害になるかもしれません。

 生理の貧困問題が明るみに出てきましたが、政府の目指している男女共同参画社会、伊丹市もその方向の実現のため努力しているわけですが、そのためにも生理の問題はきちんと向き合ってほしいと思います。男性にはわからない問題でしょうが、女性が安心して活動できる条件を整えることが様々な面で必要です。その大一歩になる問題ではないでしょうか。

 海外ではすべての人に無料で生理用品が行き渡るように配慮している国もあるわけです。生理の貧困を言うなら女性だけが経済的負担ともなるわけですから、そのような配慮はあってしかるべきだと思います。

 伊丹市も災害用備蓄の生理用品を必要な方に配布しましたが、一過性で終わっていいのでしょうか。女性の生理は一度で葉終わらないのですが。三田市は二度目の生理用品配布を行っていると新聞記事にありました。担当者は「生理用品は絶対に必要な物遠慮なく取りに来て」と言われています。大変温かい対応だと思います。

 学校のトイレに設置することに関しては、子どもたちの意見を聞くことがいいと思います。自分たちの事ですから、子どもの意見表明の権利をしっかりと保障すべきと思いますので、是非早急に取り組んでいただきたいと思います。

2.補聴器の問題も認知症との関係などあるという事なのですから、高齢化社会となってきていますから、ぜひ多くの自治体が行っていることからも、皆さんが楽しく元気に老後の人生を送れるように、補聴器の補助制度ぜひ行っていただきたいと思いますので要望いたします。

3.痴漢問題ですが、被害者の人権を守るためにも絶対あってはならないことです。

 市民全体が痴漢は許さないという認識を持っていただけるようにすることが、痴漢をなくしていくことに大きくつながると思います。
 女性の警察官の方にお話を伺いました、加害者は初めは小さな犯罪を行っていてもそのうち強制わいせつなどの性犯罪を起こすことにもつながる可能性があるので、どんな小さな被害でも知らせてほしい、また周りの方も協力していただきたいといわれていました。伊丹市の強制わいせつがこんなにあるのにも驚きましたが、やはり実際はもっと多いと考えられるという事ですし、バスで移動する中での被害など学生もあっているかもしれません。様々な方法で「痴漢は許さない。という啓発を都市交通都市安全企画課が中心となり進めていっていただけると思いますので、市民からの様々な意見が届くよう工夫もして安全な伊丹市にしていただけるようお願いしたいと思います。

 警察に行きました時に防犯ニュースをもらってきましたが、痴漢や強制わいせつ等に注意しましょうという内容です。

 その内容は、防犯対策として、できるだけ人通りのある明るい道を歩きましょう。時々後ろを振り返る等周囲を警戒しましょう。歩きスマホはやめましょう。エレベターには出来るだけ見知らぬ人と二人きりで乗り合わさないよう注意しましょう。等10項目の対策がありました。
 防犯対策として理解できますが、これでは神経を張り詰めて歩かなければならず女性は安心して出歩けなくなってしまいます。女性が社会にでて様々に活動することのためには、安心して歩けことの補償がいります。様々に課題が多いのに改めて考え込んでしまいそうです。

 そしてもしも被害にあってしまったら、すぐに110番をと呼びかけてあります。

 被害を目撃した人も、110番通報や被害者を保護するなどの協力をして欲しいといわれていました。

 110番することには結構躊躇しますが、伊丹市としても都市安全企画課がこのような窓口にもなっているなら安心して連絡される方もいると思いますので、市民と共に問題点など話し合う機会なども作っていただき女性が活動しやすい社会にするためにぜひ、痴漢の出ない安全な伊丹市になるよう啓発や様々な情報なども広く届けていただけるよう要望しておきます。

 

2022年度予算編成にあたっての基本的・重点要望を提出しました

 11月8日、藤原市長に、2022年度予算編成にあたっての基本的・重点要望を提出しました。

2022年度予算編要望を提出 2022年度予算編成にあたっての基本的・重点要望(PDF)

市長に2022年度予算編成にあたっての基本的・重点要望を提出しました

2022年度予算編成にあたっての基本的・重点要望

2021年11月8日
日本共産党伊丹市議会議員団
上原秀樹 久村真知子

はじめに
 菅政権がわずか1年余りで政権を投げ出し、安倍・管政権を引き継ぐとする岸田政権に変わりましたが、岸田首相は国会での議論も代表質問だけで十分な議論もせず、衆議院を解散し、総選挙が行われることになりました。日本共産党は、今度の総選挙で「野党共闘で政権交代を」と訴えて闘いましたが、自民・公明政権の継続となったことは残念なことです。引き続き命・暮らし最優先の政治実現に全力を尽くします。
 安倍・管政権を引き継いだ岸田政権の政策は、格差と貧困を広げたアベノミクス、社会保障の削減など従来型の政治を行うことは所信表明で明らかになったところです。この政治から市民の暮らしを守る砦としての伊丹市政が求められています。以下、2022年度予算編成にあたっての基本的・重点要望を提案しますので、予算に反映していただきますようお願いします。

1.新型コロナ感染症対策――経済・社会活動を再開しながら、命を守る対策を

 9月以降、新規感染者の減少が顕著になっており、経済・社会活動の再開も重要な課題になっています。同時に、このまま終息に向かうとは誰も考えておらず、再び、感染爆発と医療崩壊を絶対に起こさないコロナ対策が求められています。

1)日本でも世界でも、ワクチン接種後の「ブレークスルー感染」が起きています。感染抑止のためには、ワクチン接種(追加接種を含めて)を安全にすすめるとともに、大規模な検査を行い、感染の火種を見つけ、消していくことが必要です。

① 国・県と共同で、「いつでも、誰でも、無料で」という大規模・頻回・無料のPCR検査を行うこと。
② 職場、学校、保育所、幼稚園、家庭などでの自主検査を大規模かつ無料で行えるように、国が思い切った補助を行うように要望すること。伊丹市としても検査キットを無料で配布し、行政検査につなぐことができるようにすること。

2)コロナ病床の拡充、臨時の医療施設の増設、往診・訪問看護の体制強化など、臨時の医療体制を整備することは、「第6波」への備えとして急務です。また、保健所の機能マヒも絶対に起こしてはなりません。

 ① 医療機関の減収補てんと財政支援、医療従事者の待遇改善を国に求めること。
 ② 市立伊丹病院での感染症対策は、コロナ感染症対策を教訓に万全の体制を整備すること。また、近畿中央病院の跡地には、急性期病床が200床減少することを考慮し、回復期病床にとどまらず、地域住民が望む医療機関が誘致できるよう公立学校共済組合や伊丹市医師会と協議を続けること。
 ③ 保健所の体制も、臨時採用や他部署からの派遣などの緊急増員を確保しつつ、増やした職員を定員化するなど、正規の職員増もすすめるよう国・県に求めること。

3)緊急事態宣言は4回になるのに、持続化給付金・家賃支援給付金も、国民への特別給付金も1回だけです。コロナ危機で、仕事や所得が減少し、生活が困窮している人も少なくありません。また、いわゆる中間層にもボーナスや賃金の減少が広がり、教育費負担や住宅ローンの重い負担もあり、”コロナによる生活悪化”が起きています。
  事業者は、さらに深刻で、売り上げの大幅減少や借入金の増大など、コロナ危機のもとで体力が落ち込み、”再建”が困難な事態も広がっています。
  コロナ危機で傷んだ暮らしと営業の深刻な実態を放置するなら、コロナ危機後の経済危機に陥ってしまいます。

 ① コロナ危機で収入が減った家計への支援として、1人10万円を基本に「暮らし応援給付金」を5兆~6兆円規模で支給し、国民の暮らしを支えること。いわゆる中間層(年収1000万円未満程度)を含め幅広く対象にし、生活が困窮している低所得者には手厚い支給をすることを国に求めること。
 ② 中小企業、個人事業主、フリーランスに持続化給付金・家賃支援給付金を再支給するとともに、コロナ危機が終焉(しゅうえん)するまで継続し、雇用調整助成金のコロナ特例も継続することを国に求めること。
 ③ 伊丹市としても、国に財源を求め、国の対策が不十分なところには、財政調整基金を取り崩してでも暮らしと営業に対する支援を行うこと。

2.憲法を生かし、人権を守り、市民が主人公、平和の実現に寄与する伊丹市政を

 岸田政権は安倍・管政権を引き継ぎ、憲法改定に執念を燃やしています。とりわけ、今度の総選挙で自民、公明、維新の改憲派が衆議院議員の3分の2を占めたことで、改憲を加速化させる危険性が強まるとともに、アメリカとの軍事一体化を強め、「敵基地攻撃能力」を有することを言明するなど日本を危険な戦争への道に導こうとしています。
 自衛隊基地を抱える伊丹市として、住民の命と財産を守るために、戦争への暴走を止め、憲法を生かした市政を進めることが求められています。
 また、ジェンダー平等社会の実現も重要な課題となっています。

① 安保関連法=戦争法の廃止、憲法9条をはじめ憲法を守り生かすことを国に求めること。
② 11月に予定されている日米共同指揮所演習(ヤマサクラ81)は、米陸軍と陸上自衛隊の共同演習で、対中国戦略で離島を奪取し中国軍の艦船や航空機などを攻撃・威嚇する作戦の演習として過去最大規模となるとされている。その指令の中心が市内伊丹駐屯地の中部方面総監部となり、事が起れば戦争の拠点とされる危険性があるもので、市民の生命と財産を守るためにも、危険な演習はやめるべきであり、国に対して中止を求めること。
③ 核兵器禁止条約が2021年1月22日に発効し、現在、批准国が56カ国となり、来年開催される締結国会議にNATO加盟国のノルウェーがオブザーバー参加することなど、世界的に核兵器禁止条約への期待が高まっている。唯一の戦争被爆国である日本として、締結国会議にオブザーバー参加するとともに、早急に署名と批准をすることを国に求めること。
④ 一昨年4月1日の米軍機オスプレイの緊急着陸では、飛行目的、ルート、不具合の原因、落下物など近隣住民への被害などの事実関係が明らかにされなかった。改めて危険なオスプレイの飛行中止を米軍と国に強く申し入れること。対米従属的な日米地位協定の見直しを求めること。
⑤ 自衛隊への電子データによる個人情報の提供はやめること。必要と考えるならば、個人情報保護条例に基づき、専門的知見を踏まえた意見を明らかにすること。
⑥ ジェンダー平等社会を実現する観点から、すべての人が社会、経済活動に生き生きと参加できる当然の権利を保障するため、行政のあらゆる部面でジェンダー平等の視点を貫くこと。国に対して選択的夫婦別姓制度の実現を求めること。
⑦ パートナーシップ宣誓制度に基づき、相談窓口の充実、啓発パンフの普及など性的マイノリティの人権を守る施策を強化すること。
⑧ 「差別を許さない都市宣言」の廃止等すべての同和行政・教育を終了すること。「同和問題」に関する市民意識調査はやめること。

3.福祉・医療の充実で、市民の暮らしを守る伊丹市に

 岸田首相は、「新しい資本主義」とか「成長と分配の好循環」などと言っていますが、その中身は、アベノミクスそのものです。
 アベノミクスで起きたのは、貧富の格差の劇的な拡大です。安倍・菅政権のもとで、大企業は利益を増やし、内部留保は133兆円も増加し467兆円(2020年度末)もの巨額になりました。それにもかかわらず法人税は減税(28%から23.2%)されました。大富豪の資産は、6兆円から24兆円へと4倍にも膨れ上がりました。
 その一方で、2度の消費税増税が家計に重くのしかかり、働く人の平均実質賃金は22万円も減りました。
 国に対して、アベノミクスを教訓に家計応援の政治に切り替えて経済のボトムアップ=底上げをはかることを求めるとともに、伊丹市としてもケア労働を待遇改善し、社会保障の拡充を行うこと等、福祉・医療の充実で暮らしを守る対策が求められています。

① 国が基準を定めている、介護・福祉・保育職員の賃金を引き上げ、配置基準の見直し雇用の正規化、長時間労働の是正など、ケア労働の待遇を改善することを国に求めること。
② 国民健康保険税引き下げのため、国にさらに1兆円の公的負担を求め、均等割り・平等割の廃止で協会けんぽ並みの保険税にすることを国に求めること。来年度から就学前の子どもの均等割りが半額にされるが、市独自に少子化対策として財政支援を行い、さらなる子どもの均等割りの軽減を行うこと。
③ 国の介護保険制度の改善で、介護保険料・利用料の減免、保険給付を拡充するとともに、特養ホームなど介護施設の増設により、必要な介護が受けられるようにすること。
④ こどもの医療費は所得制限なしで義務教育終了まで無料にすること。
⑤ 国に対して、生活保護を「生活保障制度」に改め、必要な人がすべて利用できる制度にするとともに、生活保護費削減を復元し、支給水準を生存権保障にふさわしく引き上げることを求めること。生活保護へのスティグマを解消するため、伊丹市として「生活保護は権利です」というアピールを積極的に行うこと。
⑥ 待機児童と詰め込み保育の解消のため、さらに認可保育所を増設すること。年度途中の待機児童を解消する方法を別途考えること。2号認定こどもの副食費実費徴収をやめるように国に求めること。

4.すべての子どもの成長発達を支える豊かな教育環境の確立を

 教育は子ども一人ひとりの幸せ、成長と発展のためにあります。それだけに社会にとって大切な営みです。教育は子どもの権利であり、家庭の経済力に関わらず、すべての子どもに豊かな教育環境を確立することが求められます。また、コロナ禍における学校と家庭における生活の変化や端末の使用等でストレスが溜まっている可能性があり、十分な配慮が求められています。さらに、コロナ感染対策も引き続き重要な課題です。
① コロナ禍で少人数学級の必要性が明らかとなり、35人学級が毎年1学年ずつ実施されています。しかし小学校6年生の実施には数年かかることから一気に35人学級を実施するとともに、中学校においても同様の少人数学級を実施することを国に求め、その間、県が小学校4年生まで実施している35人学級を直ちに6年生まで拡大し、中学校まで広げるよう求めること。
② 競争教育を激化させる「全国学力テスト」への参加をやめるとともに、市独自の「学力テスト」も中止すること。
③ コロナ禍による困難な子どもへの対策としても、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーのさらなる増員で児童・生徒と家庭を支援するとともに、介助員の増員で障がい児の教育を受ける権利を保障すること。
④ 教育のあらゆる部門で子どもの権利を守ることを宣言し、実行ある施策を推進するとともに子どもの権利擁護のためにも子どもの権利条例を制定すること。子どもの権利条約の内容が子どもにも理解できるパンフレット等を作成し、子ども同士で「子どもの権利」が議論できる環境をつくること。
⑤ 幼児教育の推進に関しては2018年1月の文教福祉常任委員会における付帯決議を順守すること。公立幼稚園、認定こども園における3歳児全員入園を実現するとともに、4、5歳児において単学級にならざるを得ない状況を打開すること。
⑥ 大学・短大・専門学校の学費をすみやかに半額に引き下げ、高等学校、高等教育の無償化をめざすとともに、入学金制度をなくすよう国に求めること。
⑦ 学校給食の無償化を目指し、まずは中学校給食に対する助成を行うこと。就学援助制度のさらなる充実を図ること。

5.中小企業・零細業者への支援を強め、人間らしく暮らせる地域社会と住みよい住環境を

 中小企業は日本経済の根幹であり、「社会の主役として地域社会と住民生活に貢献」(中小企業憲章)する存在です。また、働く人の3人に2人が働いている雇用の担い手でもあります。これら中小企業、業者、商店、農業者に支援を強化することは住みよいまちづくりに欠かせません。特に、コロナ禍で経営基盤が脆弱となっている中小企業・業者に対する支援が必要です。

① コロナ禍で脆弱となっている経営基盤の状況を調査し、必要な支援策を講じること。国に対して、持続化給付金、家賃支援給付金の再度支給とともに、協力金、支援金などの拡充と迅速化を行うことを求めること。事業者の立場にたった、ていねいな対応と相談体制を確立すること。
② コロナ対応の緊急借入で積みあがった中小企業の債務をどう解決するかが大きな問題になっており、コロナ対応借入分の軽減・免除する仕組みをつくること。
③ 文化・芸術関係者に対して、新たなイベントへの支援にとどめず、「場と担い手」への支援を行うとともに、国費を数千億円単位で支出して「文化芸術復興創造基金」を抜本的に強化することを国に求めること。アイホールは演劇ホールとして存続すること。
④ 「中小企業振興条例」「農業振興条例」の制定で、地域循環型経済の仕組みをつくること。
⑤ 大型小売店の相次ぐ出店で地域の商店が廃業に追い込まれている。中心市街地だけではなく、空き店舗対策、家賃補助等によって市内周辺の商店も守る手立てをとること。
⑥ 個人事業主における国保税や市民税、固定資産税などの滞納処分については、事業の存続や生活の状況を鑑み、積極的に納税緩和措置を活用すること。また、場合によっては、税の執行停止を行うこと。固定資産税・都市計画税の減免申請における手数料への費用支援を行うこと。
⑦ 市営住宅は戸数を減らすのではなく、必要な個数を維持し、旧耐震住宅は順次建て替えを行い、バリアフリー化された住みよい住環境を提供すること。住民からの修繕要求には積極的に対応すること。
⑧ 大企業への優遇税制の廃止・縮小や所得税・住民税の最高税率を引き上げるなど、大企業と富裕層に応分の税負担を求め、消費税を5%に減税するよう国に求めること。政府が導入を予定しているインボイス制度は、零細業者やフリーランスに納税義務を広げ、負担と格差をさらに拡大するものであり、ただちに中止することを国に求めること。

6.自然災害から市民の命を守るとともに、環境を守り、安心・安全の伊丹市を

 地球温暖化の影響で台風、豪雨など自然災害が相次ぐとともに、南海・東南海地震もいつ起こるかわからない状況にあり、災害や事故から市民の命と暮らしを守る政治が求められています。特に気候危機を打開するための積極的な対策が必要となっています。

① 気候変動危機に対応するために、国に対して原発ゼロ、石炭火力発電所ゼロ、2030年までに10年比で50~60%削減、2050年にはカーボンゼロの計画を策定することを求めるとともに、伊丹市としてもこの目標に見合う野心的な目標を決めること。
② 災害の発生に備え、市民の防災意識啓発に努めること。感染が広がる中での避難対策に関しては一定の見直しがされたが、避難所におけるきめ細かな対応(発熱、障がい者、高齢者等)や地域における要支援者の避難誘導等を含めた地域ごとの「防災まちづくり計画」を推進するための支援を行うこと。体育館に空調施設整備など避難所の改善を図ること。
③ 航空機に係る環境基準達成には程遠い状況にあることから、大阪空港における国際便就航を求めることはやめること。環境基準達成に向けた不断の努力で目に見える効果を上げること。
④ 市内1,2級河川の浚渫等豪雨対策を国・県に要望すること。

7.「住民の福祉の増進」(地方自治法)に必要な財源を国に求め、伊丹市が主体となって市民の暮らしを守る伊丹市に

 新型コロナウイルスの影響によって地方税等が減少する中で、地方固有の財源である地方交付税の大幅な増額が求められています。毎年度の概算要求では、一般財源は前年度の水準を下回らないとされたことを踏まえたものとなっていますが、引き続き感染対策の財源は必要です。一方、コロナ禍に関わらず、社会保障費抑制路線を継承し、国民負担増、給付削減を着実に実行するとされていることは問題です。
 このような政治に反対し、「住民の福祉の増進」(地方自治法)に必要な財源を国に求め、伊丹市が主体となって市民の暮らしを守る市政を行うことが求められています。

① 地方交付税のあり方をゆがめる「トップランナー方式」の導入等による地方交付税の引き下げはやめ、真に必要な地方財源が確保できるようにするとともに、コロナ感染対策に必要な財源を確保することを国に求めること。
② 集約化を進めようとしている共同利用センターについて、住民の利益に反する統廃合ではなく、住民合意のもとでの維持・管理・更新への対策を行うこと。
③ 公契約条例を制定し、請負契約や委託事業に関わる労働者が生活できる賃金を保障すること。
④ 自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進にあたっては、「地方自治の本旨」(憲法第92条)に基づき、「住民の福祉の増進を図る」(地方自治法第1条の2)ことを原則とすること。また、推進にあたってはそれぞれの業務を担当する職員や市民の意見が適切に反映さえる体制を整え、新たに情報システムを自治体の業務に導入する際には、職員がシステムをチェックでき、市民に行政責任を果たさせる体制を確保すること。
⑤ 国はマイナンバーカードに健康保険証や運転免許証、国税、年金などの情報をひも付けしようとしているが、相次ぐ個人情報の漏洩が問題となり、多くの国民が個人情報の提供に不安を感じている。国民監視の強化や個人情報の漏洩につながるマイナンバーカードのひも付けはやめるよう国に求めること。

以上

2021年9月議会:上原秀樹 一般会計決算 本会議討論

2021年9月議会 一般会計決算 本会議討論

2021年10月6日
日本共産党伊丹市議会議員団 上原秀樹

 日本共産党議員団を代表して、報告第8号「令和2年度伊丹市一般会計歳入歳出決算」に対して、認定に同意できない立場から討論をします。

 2020年度の国民の暮らしをめぐる情勢は、コロナ禍で、格差拡大が深刻になったことです。2020年度全国の法人企業統計によると、資本金10億円以上の大企業の内部留保は466.8兆円となり、前年度から7.1兆円増額し、過去最高額を更新しました。19年度比で株主への配当は11%の大幅増、役員報酬も0.5%増と大企業、富裕層はもうけを膨らませました。一方で労働者の賃金は1.2%減り、コロナ危機は非正規労働者、特に女性と若者に大きな犠牲を負わせています。この1年余、非正規雇用労働者はコロナ以前に比べて月平均92万人減少し、うち61万人が女性です。

 2020年度は、このような状況の中で、新型コロナウイルス感染から市民の命とくらし守る施策が求められました。以下、その問題点についてです。

 第1に、新型コロナウイルス感染症対策についてです。

 伊丹市の新型コロナウイルス感染症対策関連経費は、243億3,597万円で、そのうち地方創生臨時交付金対象事業は21億7,056万円となり、感染拡大防止や生活や雇用の維持と事業の継続支援、地域経済の活性化、社会的な環境の整備・新しい暮らしのスタイルの確立などの事業を行ってきました。

 これらの事業は感染症対策として一定の効果を上げることはできたと思いますが、安倍・管政権による極めて不十分なコロナ対策のために、伊丹市独自の対策が求められました。

 感染防止事業に関しては、20年度、党議員団は一貫して、病院や診療所などの医療機関、介護・福祉施設、保育園・幼稚園、学校、児童くらぶなど、クラスターが発生すれば多大な影響が出る施設等で定期的なPCR検査を行うこと、感染急増地となるリスクのあるところに対し、無症状の感染者を把握・保護するための「面の検査」を行うことなどを求めてきました。途中から一定の検査は広がりましたが、安倍・管政権が「医療崩壊を招く」という非科学的な知見によってPCR検査を抑制し、世界で人口当たりの検査数が144番目という最悪の事態になる中で、無症状の感染者が感染を広げました。この中で、検査拡大を国に求めるとともに、市独自の検査体制を県とも共同して行い、感染防止をすることを求めましたが、国も県も伊丹市も極めて不十分に終わっています。

 さらに、新型コロナウイルスの影響で中小企業・商店に深刻な事態が広がる中、これらの実態を調査し、必要な対策をとるべきと主張しました。自粛と補償を一体化すべきところを国が持続化給付金と家賃補助を1回きりで終わる中、伊丹市独自に行ってきた支援策、上下水道料金の基本料金免除、事業者への家賃補助、ひとり親世帯への支援などには評価しながらも、再度これらの事業を行うこと、特に中小零細企業・業者に対する資金援助として「年越し給付金」の創設を要求しましたが、実現されませんでした。一方、市立伊丹病院事業と市交通事業に対する財政支援に対しては評価をします。

 9月末で緊急事態宣言は解除されましたが、いつ第6波の波が押し寄せてくるか不安な状況が続きます。コロナ感染第5波では、デルタ型などの変異株の感染力が強く、自宅療養中に家族全員が感染する事例や基礎疾患の有無にかかわらず30代から40代でも重症化する例、小中、高校生にも広がるとともに、自宅療養中に自宅で死亡する事例も相次ぐという深刻な事態となりました。このことを教訓に、第6波を起こさない対策と備えをすることが必要です。入院・宿泊療養調整中の自宅待機や自宅療養中、福祉施設の留め置きで家族や施設内で感染を広げることや、医療が間に合わず命を落とすことは絶対に避けなければならないことや保健所の業務が追い付かず、感染者の症状の把握や濃厚接触者の特定に支障をきたしており、これらに対する早急な対策が必要です。岸田自公政権に強く求めていただきたいと思います。

 そこで次の点を要望します。

  感染力が非常に強く、ワクチン接種者でも感染するデルタ株が主流になるもと、ワクチン接種一本やりでは新型コロナ感染症の抑え込みはできないことは、国内外の事実が示しています。とくに新規感染が減少傾向となり、検査のキャパシティーに余裕が生まれている今こそ、陽性者の周辺への迅速な行政検査を幅広く行うとともに、無症状者への大規模検査を行うことがいよいよ重要となっています。「いつでも、誰でも、何度でも、無料で」の立場で、大規模検査の具体化をはかり実施することを強く国に求めていただきたいと思います。

 具体的には、無症状の感染者を早期に把握するうえで大切な取り組みである、企業、大学、商店会などで、自主的な大規模検査が行えるように、国が補助金を出して強力に支援すること、また、子どもの感染、家庭内感染への対策が求められており、学校や幼稚園、保育園、会社などを通して、検査キットを家庭に配布し、体調に変化を感じたらすぐに自主的な検査を行うことができるようにすること、自主的検査で陽性が判明した場合、医療機関での検査は無料とし確定診断へつなげることです。

 さらに、陽性となった時、安心して休める保障が必要です。無症状でも2週間の自宅待機が必要となるため、既存の傷病手当などの制度では不十分で、傷病手当をコロナ特例として、賃金の8割保障とすること、自営業者など対象外となる人には、国の休業支援金の対象とするなど、所得保障を行うこと、児童・生徒が学校を休まざるを得ない場合の対策など、国に対して要望をしていただくとともに、伊丹市としても独自の対策を講じることを求めます。
また、中小零細事業者にとってはコロナ禍で体力が弱体化しており、そのための支援が必要です。伊丹市は9月追加補正で一定の支援策を講じられることは評価しますが、今後年末に向けて新たな支援が必要になると考えます。商工会議所と共同して業者の要求を把握され、必要な対策を取られることを求めます。

 第2に、市立伊丹病院と近畿中央病院の統合再編を決めたことです。

 問題の一つは、統合再編によって病床数を200床削減する問題、二つには、市内南部から総合病院がなくなること、三つには、今回の新型コロナウイルスへの対応を考えた場合、感染症対策に緊急を要する事態に公立・公的病院が果たす役割は大きく、公的総合病院が一つなくなることで十分な対応できなくなる可能性があることです。一方、新病院の運営形態を伊丹市の直営として公営企業法の全部適用としたことや、近畿中央病院の跡地への民間病院の誘致や公共交通機関による新病院への交通アクセス等、一定市民の要求を取り入れた検討がされていることには評価します。

 コロナ禍で医療崩壊を招いた原因は、安倍・管政権が公立・公的病院の統合再編で病床数削減を進め、医師・看護師数を抑制してきたことにあります。この事態を教訓に、命を大切にするため医療、保健体制の充実を国に求めていただきたいと思います。

 伊丹市における病院統合再編に関しては、今後、特に近畿中央病院の跡地に、回復期機能を有し地域住民が必要とする医療機関を、医療空白を生じない形で誘致するために、県の財政支援も求め、力を尽くしていただくことを求めるものです。

 第3に、伊丹市市営住宅等整備計画において、伊丹市の市営住宅の目標管理戸数を約200戸減らし、1,700戸としたことです。

 その目標管理戸数の算出方法は、月額所得8万円という著しい困窮年収未満の世帯を収入基準としたもので、このような低い所得基準を基礎に必要な目標管理戸数を推計することでは、住宅セーフティネットの根幹である公営住宅の役割を果たすこととはできません。また、市営住宅の建て替えをしないことも大きな問題です。 伊丹市は、公営住宅法第1条に書かれている「健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備」する責任があり、一部の住宅にエレベーターを設置されていることは評価しますが、今後、市営住宅建て替えも含めて、若年者から高齢者まで、必要な人が入居しやすい住宅への改良や民間住宅の家賃補助制度の創設等を求めるものです。

 第4に、職員の人事評価です。

 公共を担う公務員には、全体の奉仕者の立場から、市民の声を聞き、提供する市民サービス、人権保障のあり方を職場で自由に議論し、決定する権限が与えられています。そのような場に「能力」「業績」などという測ることが困難な尺度で5段階評価することは、公務員の労働意欲の向上や創意工夫の発揮を阻害することにもつながります。今後、人事評価の問題点を十分認識していただき、5段階評価はやめることなどを含めて、職員の力が十分に発揮され、市民福祉の向上に向けて働きやすい職場とされるよう改善を求めます。

 第5に、教育の分野では、全国学力テストの問題です。

 20年度はコロナウイルス感染拡大で中止され、伊丹市独自の取り組みとされました。しかし、自己採点を行い、本市の学力の実態把握・分析、各校の学力向上プランに基づいた取り組みの進捗を管理するなど、相変わらず学力テスト中心の教育と言わざるをえません。学力調査が必要な場合、数年に一度の抽出調査で十分です。改めて中止を含めた検討を求めます。

 次に今までで述べたこと以外に評価する主な点です。

 一つは、保育所待機児童解消に向けて、定員96人分の民間保育所整備を支援するともに、民間保育事業者の保育士確保のための支援されたことです。

 二つには、妊娠出産包括支援事業によって、産前産後のサポートが受けられない妊産婦の不安や負担軽減を図る事業を行ったことです。

 三つには、パートナーシップ宣誓制度を創設されたことです。

 四つには、かねてから要望していました合葬式墓地を整備されたことです。

 最後に、今後取り組むべき要望事項について述べます。

 第1に、市立演劇ホールについてです。

 演劇ホールが果たしている役割は、代表質問の答弁でも言われたとおり、学校へ出向いてのアウトリーチ事業や演劇ワークショップなどに取り組み、「文化芸術が身近にあるまち」に大きく貢献するとともに、教育的にも大きな役割を果たしてきたこと、また、専門的かつ独自性の高い演劇・コンテンポラリーダンス事業を展開し、「地域創造大賞」や「文化庁芸術優秀賞」の受賞をはじめ、各方面からも高い評価を得ていること、そのことが「伊丹ブランドの構築」という側面でも本市の知名度アップなどには繋がっていることにあります。さらに、演劇ホールは建物や設備の特殊性が高く、他市の同等施設が存在しないという答弁の通り、近隣にはない貴重な施設でもあります。

 したがって、伊丹市として財政負担軽減の方策を検討し、広域的な役割を果たしていることから県への財政支援を求め、存続の方向で検討することを求めます。

 具体的な問題の一つは、現在行われているアンケートの扱いです。代表質問でも言及しましたが、アンケートに市民が答えるにあたって十分な知識がないままであったことから、あくまでもその時点での参考資料と認識し、今後の議論に生かしていただきたいと思います。

 二つには、市民と演劇関係者、専門家などを交えた熟議の場を設定することです。劇関係者のみなさんが、市民理解を求める場は独自に設定することはできますが、行政も入ってそれぞれの考え方を聞き、お互いの考えを理解する場が必要と考えます。開催されようとしている説明会の場にも、演劇関係者を呼ぶべきと考えますので、検討を求めます。

 第2に、気候危機を打開する対策についてです。

 日本共産党は、9月1日、「気候危機打開のための日本共産党の2030戦略」を発表しました。今、異常な豪雨、台風など気候危機というべき非常事態が起こっており、二酸化炭素削減への思い切った緊急行動が求められています。日本共産党は、省エネでエネルギー消費を40%削減し、再生可能エネルギーで電力の50%をまかなえば、CO²を2030年までに10年比50%から60%削減は可能としました。

 伊丹市としても、次期伊丹市地球温暖化対策推進実行計画の策定等によってCO²の削減目標・計画を策定される予定ですが、「ゼロカーボンシティ宣言」とともに、積極的なCO²削減目標と具体的な計画を策定されることを求めます。

 第3に、ジェンダー平等の実現についてです。

 日本は、各国の男女平等の達成度を示す「ジェンダーギャップ指数2021」で、156カ国中120位と、先進国として異常な低位を続けています。1979年の女性差別撤廃条約の採択から42年、日本政府は1985年にこれを批准しながら、いま大きな問題になっている「男女賃金格差の縮小」も「選択的夫婦別姓への法改正」も、繰り返し国連の女性差別撤廃委員会から是正勧告を受けてきたにもかかわらず、解決できないままです。市長としても国に対してこれらの実現を求めていただきたいと思います。

 伊丹市として具体的に取り組むべき一つに、あらゆる分野で、計画、条例、政策などをジェンダーの視点でとらえ直し、「ジェンダー主流化」を合言葉に、根強く残る男女格差の解消を進め、すべての人の人権を支える仕組みをつくることです。そのためにも、審議会や各種団体、地域などあらゆる場面で女性の参画を進めることが求められています。意思決定の場に女性を増やすために、審議会への女性の参加目標40%を早期に実現し、50%を目指すことを求めます。

 その他、本会議、委員会で多くの要望をしましたが、今後の補正予算や来年度予算の中で実現されますことを求めておきます。

 以上、報告第8号「令和2年度伊丹市一般会計歳入歳出決算」に対して、認定に同意できない立場からの討論とします。
 

2021年9月議会 個人質問 久村真知子  中学校校則,生活保護制度

2021年9月議会 個人質問

9月22日(水) 久村真知子議員

1.市内中学校の校則について

 私達が教育を受けてきた時代から長い間校則は身近な問題として受け止めてきています。今日、校則に対して、時代に合わない問題が浮き彫りになってきています。子どもたちには、納得できない校則に対しての不満があったり、厳しい指導が、ブラック校則と言われ、社会問題ともなっています。今改めて校則とは何か、時代にあった校則であるのかを考えなければならない時期なのかと思います。その様な観点からいくつか質問します。

 市内の中学校の校則ですが、校則の資料を各中学校からいただき見てみましたら、

 服装に関しては、髪の形、髪の毛の長さについて、髪の毛を束ねる位置、髪の毛を束ねるゴムの色は黒・紺・茶、靴の色、靴下も白色、下着も白色などと、ほとんどの学校でほぼ同じように決められています。

 冬服については、季節の変わり目にいつ、どの服を着るのかなど、いろいろ決められています。髪の毛の長さや、髪の毛を束ねる位置まで大変細かく決められていることには少し驚きました。

 結構これらを守るのは大変だろう、また先生方もチェックをするなら、大変だろうなと感じましたし、改めて各学校の校則が、ここまで細かく決められていることに少し驚きました。またこんなに細かく決められている根拠は何なのかと、疑問にも感じました。

 今日の社会情勢からみて、ここまで決めるのが子どもたちや保護者にとって本当に良い事なのだろうかと少し疑問にも感じました。

 ある保護者が、「今時、何も色が入っていない真っ白な運動靴は中々売ってないですよ。探すのが大変。」と言われていました。私も大型商店に行き見てみましたが、白いと思っても少し色が入っているなどして、ほとんどありませんでした。また、値段も結構高いなと思いました。

 下着の色も白くてあっさりしたものもやはり少ないなと思いました。これでは保護者の方も準備をするのが結構大変だと思いました。このような状況を把握されたのか、各学校は今の校則をいろいろな意見をもとに見直しを行っているところでもあると説明もお聞きすることができました。その時お聞きした内容は今の時代に合わせた面があると納得もできましたので、生徒にとっても保護者からみてもよかったかなと思います。

 ブラック校則などの話が出てくるまでに、各学校で校則改定に取り組まれているようですが、もう少し早く変えることもできたのではないかとも思いますので、教育にとって、子どもたちにとって、また保護者からも校則はどうあるべきなのかを考えることは必要だと思いますので、いくつかお聞きいたします。

① 初めに、先ほどいいましたが、校則での服装の内容等について現状はどうなっているのか。また、校則に合った服装をしているのかのチェック体制等についてお聞きいたします。

② 今日までの校則に関して、子どもたちや保護者、地域の方からみて、問題もあったと思いますが、学校としての対応はどうであったのか等、様々な問題が絡み合い、ブラック校則と言われるようになったと思いますが、具体的にはどのような問題があったのか、ブラック校則と言われるようになった理由については、どの様に思われているのか、その見解をお伺いいたします。

③ ブラック校則と言われる理由には、厳しい指導が行われたことで、不登校や別室での学習を行うような原因となった例などがあることも含まれているのではないでしょうか。市内の学校での状況はどうであったのか。お聞きいたします。

④ 校則に疑問を持った場合の対処についてですが。長い間校則は全面的に守らなければならないものだと、ほとんどの方がそのような思いを持っていたと思います。

 今日まで教員や子どもたち、保護者からは、様々な疑問などもあったのではないかと思いますが、そのような声は、学校やPTAなどに届いていたのでしょうか。教師の意見や当事者である子どもたち、保護者、地域の方々の声が、反映されることは大事なことだと思います。これらの方が、校則に疑問を持った時にはどのように対処されてきたのでしょうか。お伺いいたします。

⑤ 校則の一部である、靴や靴下、下着などは個人の体に直接身に着けるものですから、個人的な体の状況や家庭の経済的な問題も関係してきますので、個人の好み、自覚でもって、任せる事でいいのではないかと思いますが、そうすることは学習や部活動に、何か問題があると思われるのでしょうか。お伺いいたします。

⑥ 様々な問題が校則がらみで起こっていますが、憲法や子どもの権利条約から、子どもたちの人権が守られているかをみることが必要だと思います。今回市内中学校を訪ねましたら、「校則について教員や生徒、地域の方々の意見を聞きながら変えていくところです。今年度から変えます。」と大きく変化してきています。

 このことは、文科省が「校則の見直し等に関する取組事例」などとして事務連絡を6月に出されたことから、そのような取組となっているのかと思いますが、十分に議論することが大事だと思います。

 しかし、子どもたちがしっかり自分の意見を言うためには、自分の人権が憲法や子どもの権利条約にどの様に位置づけられているのかの内容をしっかり知っておくことが必要ではないでしょうか。そのうえで教師、生徒、保護者、地域が同じ立場から、学校で普段から憲法や、子どもの権利条約から、子どもの人権が守られているのかを常に考えることができるのではないかと思います。

 今日の校則は、そのような立場から、子どもの人権が守られていたとお考えでしょうか。見解をお伺いいたします。

⑦ 校則を各学校のホームページに掲載することについてですが、地域の方々も学校の運営などに関して協力することは必要と思います。そのうえで校則に関して知っておくことは大事な事ではないでしょうか。しかし、校則を知らない、見ることができないという事では、市内の中学校の様子が理解できないと思います。

 今回、ある中学校は、靴を自由にすると校則を変えられました。大変すばらしい事ではないかと思います。教員や保護者生徒と時間をかけて話し合いの努力をされたといわれていましたが、大変すばらしい事だと感じました。

 また多くの学校では、女子生徒もズボンが制服に加わりました。たぶん多くの生徒がはかれると思います。その様な大きな変化も生まれてきていますから、そのことも含め各学校の校則を、ぜひホームページに掲載していただきたいと思います。

 今まで校則は守らなければならないものと考えており、校則を変えてほしいという考えは浮かんでは来なかったのかもしれませんが、地域の方々も校則をみることによって、学校への関心も高まり、より良い学校環境の形成に何か手助けをすることができるのではないかと思いますので、お願いしたいと思いますがいかがでしょうか。お伺いいたします。

2.生活保護制度の周知状況について

 様々な理由で生活保護が必要という方はおられますが、中々安心して申請に行けないという状況の方々が、まだまだいるのが現状ではないでしょうか。

 以前のように「何度も窓口に行っているが申請ができない。もう行きたくない。」という方の声はなくなってきています。

 今までは、申請をためらう中で病気になってしまったりする方が、残念ですが時々おられました。最近は高齢者で一人暮らしという方が多くなっています。また、「非正規で仕事が少ない」という方も生活が不安です。高齢者の方も、「働くから」と言って頑張られますが、やはりけがをされたり病気になったりされる方がおられます。

 申請をためらう理由のひとつには、まだまだ生活保護を受けることは恥ずかしい事であるという風潮が大いにあるからではないでしょうか。特におしゃべりをしているときに、何となく「生活保護に陥る」という言葉が出たりします。国民の権利だという認識が全く行き渡っていないのが現状です。また、そのような言い方に差別的な感情を受け、肩身の狭い思いをずっと持っておられます。

 本人も周りの方々も、当然の権利だという認識を持っていただくことは大変大切ではないでしょうか。

 自治体には安全安心の生活を保障する義務があるのですから、このような状況をなくすための努力が必要です。困っておられる方は、ご近所の方などには無論、親族にも誰にも知られたくないと思っておられるのですから、民生委員さんに相談することも中々できない方もおられます。やはり困っている方自身が、直接支援課などに相談に来ることが皆さんの安心につながると思います。ですから、相談に来やすい環境を作っていただきたいと思います。「生活保護は国民の権利」という当然のことをしっかりと、すべての市民に理解していただくことで、誰もが安心して生活保護を受けられる環境となるのではないでしょうか。

 札幌市では、「生活保護は国民の権利です」と書かれたポスターが作られ、公共施設に張り出されています。

 伊丹でもポスターなどが必要ではないでしょうか。また、自治会の回覧板で相談の連絡場所を示すことや、広報に詳しく掲載すること、また様々なところに説明案内チラシなどを設置するなどもしていただければ、「生活保護は国民の権利」を理解していただけ、皆さんに浸透していくのではないでしょうか。誰もが躊躇せずに支援課の窓口に来られるように、困っている市民の権利をしっかり守っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

3.DV防止における男性への周知の取り組みはどのように行われているのか。

 DV防止法ができ20年となりますが、まだ十分に内容が理解されていない現状があるのではないでしょうか。被害者の保護に関しては急ぎのことですから、多くの方が認識していると思います。特に被害者は女性が多いですから、女性の方々は、DVとは何か、保護してもらうにはどうすれば良いか、相談はどこへ行けばよいのか等の情報も手に入りやすいように丁寧に目に付くところにおいていただいています。このことが多くの方の目に触れ相談にも来やすくはなっていると思います。そしてDVとは、身体的暴力は当然のことで、精神的暴力、性的暴力、経済的暴力、社会的暴力などであるとも知られてきていると思います。その内容がわかり新たな自覚の下に自立していくことにもつながっていると思います。被害者にとっては大変心強い法律です。

 しかしDVをなくすためには、この内容を男性にもしっかりと知っていただくことが重要だと思います。そのためには、きめ細かく様々な資料や講演の案内のパンフレットなどを、男性の目にも触れるような場所に置くことや、DVに対しての知識・認識を持てるように、男性に読んでもらえるような資料も必要と思います。DVの講演会なども行われていますが、今までのチラシや、講演会などは、男性を呼びかけの対象には考えられてはなかったのか、参加者はほとんど女性ではなかったでしょうか。講演会も、男性向けにも考え参加してもらえるようにすることが必要だと思います。

 男性も(DV関係の)相談に来られていると思いますが、どのような状況でしょうか。

 今後もDVをしっかり認識してもらえるように、男性が独自に学べ、男性の自覚を促すような場を設定していくこと等が、より必要ではないかと思います。その様な中で、近代社会の中で作られた男性のジェンダー問題にも目を向けることにもなると思います。男女共同参画社会、ジェンダー平等社会の実現を進めるためには大変重要な基礎的な事だと思います。ですから、様々な方法を考えていただきたいと思いますが、どの様にお考えでしょうか。お伺いいたします。

2回目の質問と要望

1.校則について

校則について、2回目の質問と要望を行います。「校則を制定する権限は、学校運営の責任者である校長にある、それぞれの学校が実情に応じて校則として設定している。」という事で、市内中学校の校則の資料をいただいて見てみました。大変細かく決まっているのですが、学校によって少し違っていることもありますが、ここまで細かく決めなければ、学校教育は出来ないのかと疑問に思いました。

 答弁では現状の校則内容が答えられていませんでしたので、少し例を挙げます。

①服装、身なりに関しての決まりごとに関して。

・頭髪ですが、男子の横髪は耳に、後ろ髪は襟にかからないように。特殊な髪型は禁止。
・女子は後ろ髪が襟より長い場合は結ぶ。使用するゴムは黒・紺・茶のみ。
・後ろ髪が肩にかかる場合は耳の位置で結ぶ。
・前髪は上げてはいけない、ピンでとめない。横に流し黒いピンでとめる。
・通学靴は白色の運動靴で紐靴・靴にワンポイントの入ったものは禁止。
・靴下については白、柄や飾りのあるもの、短すぎるものは禁止。
・下着は白。
・男子ズボンのベルトは黒、紺、茶の無地のみ。
・女子スカート丈は膝頭が隠れる程度。
・気候によりセーター、カーディガンを着用してよい。色は黒・紺・茶が多く、グレー・白の無地のみ可もあります。黒、紺の無地のⅤネックセーターは着用してもよいが、カーディガンは禁止のところもあります。
・防寒具の校舎内での着用は禁止。
・防寒具は教室内で着用しない。
等、まだありますが時間がありませんので、このくらいにしますが、先程挙げた規則はほとんどの学校でほぼ同じでした。

 これ程細かく決める必要があるのか疑問に思います。生徒もこれほどたくさんの細かい決まり事を守るのも大変だろうと想像してしまいます。先生方も、生徒が守っているのかのチェックをされるのでしょうが、大変だと思います。私が聞いてきました、このような内容が今の市内の中学校の身だしなみに関係する校則の現状です。

1)校則で少し疑問に思った点をお聞きいたします。

① セーターのⅤネックはいいが、カーディガンはだめとなっているのはなぜでしょうか。

② 伸びている髪の毛はなぜ耳の高さでくくり、要するにポニーテールはだめなのでしょうか。

③ セーターやカーディガンの色について、白・グレーを認めている学校もありますが、ほとんどの学校は、セーターの色・バンドの色、髪の毛をくくるゴムはなぜ黒、紺、茶でないといけないのでしょうか。

④ 靴や靴下、下着の色はなぜ白でないといけないのでしょうか。

⑤ 靴に関しては、東中学校で生徒・教員・保護者の話し合いで、今年度から、どのような色でもよいと変更したとお伺いいたしました。大変大きな変化だと思いました。時代の流れで靴も白を探すのが大変なようです。それとも、生徒の自分で決めるという気持ちを大事にされたのでしょうか。このような改革は今までと違い、決められたことを守るという感覚から自分で決めるという選択をすることは大事な経験となると思いますが、白でないとだめという考えと比べ、子どもたちにどの様な変化があるとお考えでしょうか。お伺いいたします。

2)チェック体制についての答弁ですが、

① 制服に関しては、女子生徒もスラックスが制服となったことは大きな変化だと思います。学校生活を送るのにふさわしい身なりであるのか、時には服装を正させるなどの対応をとることもあるということですが、学校生活を送るのにふさわしい身なりとなりますと、個人の好みの服装との関係はどうなのかと思います。現状では、その生徒の身なりを制服として学校側の判断で決めることになっているのではありませんか。制服を決められた様に着ているかをチェックする事だと思いますがその点いかがですか。

② 服装を正させるとは、例えば髪の毛を束ねているゴムの色が違うことや、カーディガン禁止なのに学校へ着てきたこと等を正させるのかと思いますが、そのときは、具体的にどの様にされるのでしょうか。

③ 単なる責に止まることがないように心掛けているについてですが、生徒の個々の事情とは、朝の挨拶時にわかるようなことでしょうか。例えばどのような事でしょうか、お答えください。叱責という言葉の意味についてですが、よくわからないので調べましたら、「責任者が下のものの失敗や過ちをきつく非難すること」という意味となっています。過度の叱責はパワハラともなるとも書かれていますが、朝の挨拶時に生徒にこのような注意の仕方をされるのでしょうか。このようなことも「ブラック校則」と言われる一因ではないでしょうか。

3)ブラック校則と言われているのはなぜかに関しての答弁は、「正確な理由はわかりかねるが、校則の内容や校則に基づく指導に関し、必要かつ合理的な範囲を逸脱しているものを指しているのではないか。」と言われていますが、なぜブラック校則と言われているのかについては、正確な理由を理解していただきたいと思います。

 指導の名を借りての監視や合理的な範囲の逸脱などが、憲法や子どもの権利条約から見てどうなのか。「子どもの人権」についての意識が、学校内で子供も含めどれだけ根付いているのか、しっかり守られているのかという観点が必要だと思います。当然子どもたちにもその権利をしっかり教えていただきたいと思います。
憲法第13条(個人の尊厳・幸福追求権)、このことは子どもたちにも当然適用されていることです。子どもの権利条約では、第13条の表現の自由からみても、本来、頭髪や服装の自由は子どもの基本的人権に属することであるという事です。ただし、そのことで、他者の基本的人権や法律による制限などを侵すことは出来ません。

① ブラック校則をなくす原点は、子どもの「基本的人権」をきちんと保障することを、学校内で教員や子供たち、保護者、地域の人々が理解することで、ブラック校則の状況がはっきりと見えてくるのではないでしょうか。いかがお考えでしょうかお答えいただきたいと思います。

4)不登校や別室での学習になった例については、近年このような事例の報告は受けていない、その様な事態を招かないよう丁寧な指導を心掛けることが大切であると考えておりますとのことですが、

① 近年はこのような事例はないといわれていますが、全体的に不登校が増えているという問題はありますので少しお伺いいたします。近年はないという事ですが、以前はこのような問題はあったのでしょうか。そのことはどの様にして解決されてきたのでしょうか。校則違反はあってもきちんと学習することは保障されたのでしょうか。服装違反などで校内に入れなかったという事例は聞いておりますが、いかがでしょうか。

5)校則に疑問を持った場合について。

① 答弁では、「疑問を持ったというわけではありませんが、ここ数年各校において見直しが急速に進んでいる。」とのことですが、誰も疑問を持たないのに、なぜ校則の見直しが急速に進んでいると思われているのでしょうか。教員も含め本当に誰も何も疑問を持っていないのでしょうか。疑問がないのに見直すというのはどういう事でしょうか。伊丹市内ではブラック校則に関しては全く関係がないと受け止められているのでしょうか。お伺いいたします。
 最近PTAや地域の方、生徒会等様々な方が校則の見直しに関して、参画されていることは生徒の主体性を養う機会にもなるので当然の事ですが、実行されていることは大変評価されることだと思います。

6)「学校教育において、社会規範の遵守について適切な指導を行う事は極めて重要であり、教育的意義を有していると考えている。憲法に定める「基本的人権の尊重」の遵守、生徒が校則見直しの過程で参画することにより子ども権利条約の定める「意見を表す権利」が守られている。子どもの人権を守るという基本原則に立った教育活動を継続していく」との答弁ですが、

① 現状の校則が子どもの基本的人権を侵している面があるのではないかという事が、今日問題になっているのではありませんか。様々な細かいところまで決まっている校則を守らせることに時間を費やす、朝のあいさつ時に叱責する。このようなことは子どもの基本的人権を認めているのでしょうか。

 本来子どもの権利が守られているなら、もっと早くにこのようなことに取り組むことができたのではないでしょうか。例えば、男女共同参画施策での2018年度事業内容の市民オンブード報告には、中学校において、「冬場にコートやタイツの着用を原則禁じていることに対して、子どもたちの健康上害があると指摘され、体を冷やさない様に着用を認めるべきだ」と早くに言われています。子どもたちが寒いのを我慢して健康が危ぶまれる状況が、子どもの人権を認めているというのでしょうか。中にはタイツやレギンスの着用を認めている学校もあります。男女共同参画やジェンダーの観点から、特に女性の健康問題をきちんと考えるべきではないでしょうか。同時に生徒も健康被害についてしっかりと知ることが必要です。

 日本弁護士連合会やマスコミ等様々なところから、ブラック校則としての声がやっと上がってきたことで、文科省も校則の見直しを進めているのではありませんか。その間に多くの生徒や教員の方々が様々な形で犠牲を払ってきたのかもしれません。もっと早くに「子どもたちの人権」への認識がきちんとあれば、子どもたちの声や保護者、地域の声をきちんと聞いていただき校則の見直しを進めることもできたのではないかと思います。

 各学校に行かせていただくと校訓が目に入りましたが、「自治」の言葉を挙げておられるところが多かったのですが、そのことを根付かせるためには、やはり、憲法の精神、子どもの権利を、周りの大人も子どももしっかりと認識することで、自分の意見を言えること、話し合う力をつけることができるのではないでしょうか。一方的に守らせるだけでは受け身の考えが身についてしまうのではありませんか。

② ホームページへの掲載に対してですが、答弁では、学校に関しての生徒・保護者との間に共通認識を持つことは重要だといわれていますが、共通の情報が見やすくされていないと共通認識を持つことは出来ませんので、このことに関しては指導助言をしていただけたらと思います。

 今各学校での校則見直しでの参画を経験する中で、人権に対しての認識もより深められるかと期待いたします。「各学校において適切な校則の設定や運用がなされるように、引き続き、情報提供や指導助言を行っていく。」とされていますから、子どもたちの「基本的人権」を市内の学校でしっかりと守れるよう指導助言をしていただけますことを要望いたします。

2.生活保護制度の周知状況について

 「様々な関係機関や団体の会議や研修などで説明を行い、生活に困っている人が窓口へつながるよう努めている。」ということですが、生活に困っている人が自ら安心して窓口へ相談に行けることが本来必要ではありませんか。

 受けなくては生活できない方が、「受けたくない」といわれているのが多くの現状です。伊丹市も、そこのところに目を向けていただきたいと思います。

 なぜそのように申請を躊躇されるのかということですが、長年、生活保護へのバッシングが行われていることに大きな原因があると思います。国会議員からも行われ、最近は有名な俳優さんもユーチューブで8月7日に大変ひどい差別発言を行いました。すぐに批判の声が広がり、その後謝罪されていますが、全くひどい話だと思います。

 その様なことが、メディアを通じて「保護を受けて楽をしている」などの間違ったイメージがより広がっているのではないでしょうか。身近な人のなかにも、生活保護を受けることを「生活保護に陥る」という言葉などを使われる方もおられますので、受給者もそのような言葉を聞いて、つらい思いをされています。一般の方も、保護を受けることは恥ずかしいことだと思われ、絶対に周りの人に知られたくないと多くの方は言われています。

 ですから申請に至るまではなかなかです。
 「生活が苦しいからどうすればいいか」などと、近くの民生委員さん等に自分から相談することは大変難しいのです。このことについては伊丹市も十分に理解していただきたいと思います。相談も中々できない間に、生活に行き詰まり、その結果自殺をしてしまうという方も増えているのではないでしょうか。

 市内でもこのような方を出さないためにも、生活に困ったときには、誰でもが安心して申請の相談に来られるようにすべきです。生活保護は憲法25条に書かれている「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」ための土台です。ですから、市民一人一人に「生活保護の申請は国民の権利です」の言葉をしっかりと理解してもらうことが必要です。厚生労働省のホームページにも、「ためらわずにご相談ください」と掲載されているのですから、そのことを伊丹市もしっかり市民に知らせなければならないと思います。誰もが安心して相談に行ける体制を作ることが必要です。そのために、札幌市のようにポスターやチラシなどを作り、広く市民の目に触れるように市内の公共施設などに置いていただくことを要望いたします。

3.DV防止についてですが、

 2021年の日本でのジェンダーギャップ指数は、世界経済フォーラム(WEF)の発表で調査対象の世界156カ国で120位と発表されています。主要7カ国では、最下位となっています。このギャップ指数を埋めることは、女性の人権問題を守り、経済発展にとっても重要との立場から、この指数を発表されています。この問題を解決するためにも一番根本になっているのが、DV問題への理解ではないかと感じます。そのことから、女性の人権問題を正しく理解することにつながると思います。

 市民向けのDV啓発講座も行われ、男性のDVに関しての理解が深まっているといわれていますので、男性からの相談もあるということですから、認識は少し高まっているかとは思いますが、より力を入れていただきたいと思います。

 このことに力を入れることは、オンブード報告では、「事前対策であり予防対策」と言われています。ですから、その講座に特に男性の参加が増えることが必要だと思います。女性がDVとは何かを様々な手段で、改めて理解を深めたように、男性も同じように様々な手段でしっかりと理解することが大切ではないでしょうか。そのことによって、ジェンダー問題にも理解が深まるのではないかと思います。答弁されていますように、効果的な啓発方法を引き続き検討していただくように要望しておきます。

子どもたちを新型コロナウイルス感染から守り、学ぶ権利を保障するための緊急申し入れ

日本共産党伊丹市議会議員団は、8月26日、教育長に「子どもたちを新型コロナウイルス感染から守り、学ぶ権利を保障するための緊急申し入れ」を行いました。

 市長への「新型コロナウイルス感染症対策に関する緊急申し入れ」はこちら

 「子どもたちを新型コロナウイルス感染から守り、学ぶ権利を保障するための緊急申し入れ」のダウンロードはこちら(PDF)

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2021年8月26日

伊丹市教育長 木下誠 様

子どもたちを新型コロナウイルス感染から守り、学ぶ権利を保障するための緊急申し入れ

 日本共産党伊丹市議会議員団
上原秀樹 久村真知子

 これまでの新型コロナウイルスとレベルの違うデルタ株は、子どもの感染をめぐる状況も大きく変えました。

 第一に、これまで感染しにくいとされてきた子どもへの感染が顕著に増えていることです。10代以下の新規陽性者が7月半ばから4週間で6倍になったことは軽視できません。その中心は高校生ですが、小中学生の学習塾や保育園、学童保育でのクラスターも増えています。

 第二に、感染は “大人から子どもに伝播する”とされてきましたが、“子どもから大人に伝播する”という新たなパターンが少数ですが報告されていることです。

 第三に、政府の後手の対策と五輪の強行により、現在、「全国各地が災害レベルの状況」(厚労省の専門家会合)となっていることです。しかも保護者世代はワクチン接種が間に合っていないという問題を抱えています。全員が自宅療養となった家族で40代の母親が亡くなった痛ましい出来事は、全国の子育て世代にとって他人事ではありません。

 こうした状況で全国の学校が夏休み明けを迎えようとしています。「このまま学校を開けて大丈夫か」「子どもが感染し親が感染することも心配」などの不安が広がっていることは当然です。よって、デルタ株のもとでの学校の感染対策について緊急の申し入れを行います。

1.教職員を増員し、可及的速やかに少人数学級へ移行すること

 国は35人学級に踏み出しましたが、1年に1学年しか実現できません。コロナ禍ではすみやかに少人数学級を実現することを国に求めてください。また、兵庫県では小学校4年生まで35人学級が実現していますが、早急に中学3年生まで拡大することを強く要求してください。

2.登校見合わせの選択・分散登校・オンライン授業などを柔軟に組み合わせて対応すること

1)新学期開始にあたっては、デルタ株の感染力の強さを考慮し、登校見合わせの選択・分散登校・オンライン授業などを柔軟に組み合わせて対応すべきです。同時に分散登校は、保護者の減収や失職、医療従事者が出勤できなくなるなどのデメリットがあります。そうしたしわ寄せが起きないよう、必要な子どもが朝から学校で学べるような対応を徹底することを求めます。

2)少なくない保護者・子どもが、感染対策のため登校を見合わせる選択を検討しています。ところが国の通知は、「同居家族に高齢者や基礎疾患がある者がいる」場合には欠席扱いしないなど登校見合わせの対象を狭くしています。広く認めるように転換し、登校を見合わせる子どもたちの学びや成長への支援を明確に位置付けることを求めます。

3.教室でのエアロゾル感染防止へ、短時間での全換気と不織布マスクを重視すること

1)教室で子どもたちが一定時間集まって会話し、給食をとる学校では、エアロゾル感染(空気感染)に特に注意する必要があります。デルタ株は従来株の半分の時間で感染すると言われています。短時間で空気を入れ替える常時換気(4か所開けなど)と、教室で教職員も生徒もウレタンでなく不織布のマスクをつけることが重視されます(つけることが困難な子どもは除く)。必要な子どもには不織布マスクを支給すべきです。また、換気の程度を示す二酸化炭素濃度の基準のあり方の検討を求めます。

2)学童保育が三密とならないよう、学校などより広い場所を保障するなど柔軟な対応を求めます。

4.学校でのクラスター対策と広範な検査を行うこと

1)濃厚接触者を狭くみず、実態に応じ、学級・学年・全体など広めのPCR検査を行政検査として行うよう求めます。

2)コロナ感染は半数が無症状感染者からであり、無症状感染者の発見と保護が感染対策に欠かせません。このことを政府が無視してきたことが、事態の悪化を招いた一因です。

 ドイツでは児童生徒に週二回、迅速抗原検査をしています。教職員・子どもに週二回、国に財源を求め、伊丹市・市教育委員会として自宅で行える迅速検査を求めます。

 また、国が高校等に配布した抗原簡易キットは症状のある人への緊急のものですが、学校現場では採取に必要な場所も防具もないなどの問題が噴出しています。無理なく活用できる対応策を具体的に示すことを求めます。

5.学習指導要領を弾力化し、「災害時」にふさわしい柔軟な教育を保障すること

 今後の感染状況は予断を許さず、一定の臨時休校などもありえます。その際、学習指導要領を弾力化し、限られた時間の中で、重要な核となる学習内容をじっくり学び(学習内容の精選)、子どもの成長に必要な行事も行えるようにすることを、「災害時」の基本とすべきです。

6.コロナについての学びとコミュニケーションを重視すること

1)子どもたちは長い間我慢をしいられ、さまざまな不満を募らせています。新型コロナウイルスと感染のしくみを学び、受け身でなく自分の頭で考え納得して行動変容し、「部活動もこれなら可能では」といった自分たちの学校生活の前向きな話し合いを行うことこそ、この時期に欠かせない学びです。そうした学びの保障を求めます。

2)教職員が世界と日本の研究成果などを学び、感染対策ふくめ討議できるゆとりを保障することを求めます。このことは、子どもや保護者がウイルスを正しく恐れることを助けることにもなります。

3)県教育委員会や市のアンケートでも、保護者の認識以上に困ったときに助けを求められない児童・生徒が多く、ストイレスを抱えていることが明らかとなっています。

 スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの増員で、心のケアの強化を図ること、子どもたちの気持ちをよく聞き、子どもたちの意向を最大限尊重した対応を工夫することを求めます。

7.生理用品をすべての学校のトイレに常備すること

以上

 

2021年6月議会 個人質問 ひさ村真知子

2021年6月議会 個人質問

日本共産党議員団 ひさ村真知子

1.生理の貧困について

① 生理用品の配布は、くらし・サポートセンターだけで行っているのはなぜか。

 コロナ禍で経済的に困窮している女性の支援のために、海外の生理の貧困が報道さています。
 フランス政府はすべての学生に生理用品を無償提供することが始まっていますし、スコットランドでは、必要とするすべての人に無料提供など行っています。日本国内でも同じようなことがあると、様々な団体の調査などであきらかになってきました。伊丹市でも生理用品を無料で配布する必要があるのではと考えます。
 前回の予算委員会で、「災害備蓄用の生理用品を、廃棄するよりは、有効活用することを考え、伊丹市でも生理用品を入れ替えする時期に合わせて、無料配布する」とされ、活用については「健康福祉部や教育委員会との調整を行う」と言われています。実際にはどのような調整を行われたのか、その内容はどうであったのか、くらし相談サポートが窓口になった理由はなんであったのか、見解をお聞きいたします。

② 災害備蓄品生理用品の入れ替え用がなくなれば、その後の配布はどうか、についてですが。

 災害備蓄品生理用品の入れ替えは、伊丹市は10年に一度を目安にしていると言われています。(現状で85セットを提供し、42セット)くらし・相談サポートでは残り28セットとわずかとなっています。
 この支援はこれで終わるのでしょうか。生理用品の支援が必要な方がもっと多くいると思います。生活保護者の方や、シングルの方で女子のいる家庭また非正規で働く若い方や、アルバイトで学校に通う資金を補っている学生の方など必要な人にいきわたるのでしょうか。
 政府の方でも「女性活躍・男女共同参画の重点方針2021」では、「コロナウイルス感染症の影響が続く中、その影響は特に女性に強くあらわれている」と指摘があり。「女性に最大限配慮すべきだ」とされています。すでに全国で255自治体が学校などで生理用品の配布を実施、又は検討していると調査結果を明らかにしています。備蓄品を使ったところや予算措置で確保したところもありますので、急いで生理用品の補充を行うべきと思いますが、いかがお考えでしょうか。お伺いいたします。

③ 各学校のトイレに生理用品の設置をすべきではないかについてですが。

 各学校のトイレにおいて安心して使用できるようにすることが必要ではないかと思います。
 私共、共産党市議団から5月7日に「コロナ禍の中での感染対策に関しての要望書」を市長へ出しておりますが、「「生理の貧困」に対応して必要な人に生理用品が届くように、少中学校、高等、特別支援学校に無償でトイレに設置してください」という要望に対して、教育委員会の回答では、「現時点では考えていないが、児童生徒の状況の把握や、関係機関と連携しながら課題の解決につなげられるよう努めてまいります。」とされていますが、特にコロナ禍の中で必要な人がいるなら、できる限り急いで行うことが必要です。 児童生徒は生理の貧困には関係がないと思われているのでしょうか。現状では、保健室で貸してもらえますが、基本的には返しに行くようになっているようです。これは児童生徒には気持ちの負担もあるでしょうし、家庭にも負担がかかっているかもしれません。どちらにしても女性だけが長い間生理用品を購入するための費用がかさむのですから、公的な支援が必要と思います。せめて今児童・生徒にすぐに必要なときに使えるようにトイレへの設置があれば様々な意味で助かるのではないでしょうか。
 とりあえず早急に設置してから、関係者の意見を聞いて改めて考えることもできるのではないでしょうか。ご見解をお聞きします。

④ 市内の児童・生徒から生理の貧困に対しての実態調査などで意見を聞くことが必要ではないか。

 小中学校・高校生などの実態やそれぞれの意見は届いているのでしょうか。様々な理由で家庭では買えない、買ってもらえない、中々人に言えない状況だと思いますので、児童生徒の状況のなどはしっかりと把握しなければならないと思います。そのためにはアンケート調査など行う事も必要でないでしょうか。当事者の意見を聞き、どの様にすれば問題が解決するのか等の意見も聞く必要があると思います。「子どもの権利条約での意見表明権」の保証がされなければならないと感じます。また困っているならすぐに相談できる体制なども必要ですが、どの様にされるのでしょうか。お聞きいたします。

⑤ 学校での生理の学習はどの様に行われているのか。男女ともに生理についての正しい認識はどの程度持てているのか。についてですが。

 生理の貧困問題については、生理に対しての正しい認識がなければ、この問題を解決することには十分つながらないのではと思います。その点を踏まえてお伺いしたいと思います。  

 日本では、長い間生理については公に語られることなく,隠すものとして今日まで来ています。小学生時に女子児童だけが集められ、生理用品の扱い方を先生が熱心に話されたことを覚えていますが、その時点で、このような話は「男性には知られてはならないもの」だという意識が自然に働き、「隠す」という意識が女性のマナーとして引き継がれてきているのだと思います。しかしこの時間の学習は、生理用品の扱い方だけであり、生理時に女性の体や心に起こる問題については詳しくは学べていません。

 今日の社会状況は、様々な形での性被害が起こっています。その被害者にも加害者にもならないような学習ができていなければと思います。そのためにも生理についての様々な理解が必要だと思います。生理痛はひどいときには、授業を受けるのも苦痛ですし、ホルモンの関係で気分が落ち込んだり、経血で貧血になるなどの問題が女性の心身に起こるのですが、そのような話はされませんでしたので、多くの女性は日常生活が大変になること等,自分の身に起こる問題をきちんと認識することは出来ていなかったと思います。

 しかしこのような問題は男女一緒に学び、同じような認識を持つことが、今は必要だと思います。父子家庭になった場合は、そのようなことを知らなければ、早ければ小学生から生理のある娘さんに対してどの様に接することができるでしょうか。働く現場でもこのような女性の状況を理解していないとチームワークも乱れるのではないでしょうか。その様な状況に備えての学校での学習は大変大切なものだと思います。ですから女子だけでなく男子も生理用品の使い方などの説明の時間に参加があってもいいのではないかと思います。生理についての学習状況や男女とも生理について正しい認識はどの程度持てているのでしょうか。お伺いいたします。

2.6月補正予算にあります「女性のつながりサポート事業」について

① 困ったことを相談するには大きな勇気が必要な人もおられますので、安心して男女共同参画センター「ここいろ」に立ち寄れるように工夫していただきたいと思います。1つには、生理用品を「ここ色」でも配布するようにしていたければと思います。小学生、中学生、高校生なども生理用品を通じて、一度来てもらえれば、安心して来ることができるところだと感じ、同時にその場が自分の悩みなどを話せる場所であると,認識していただけるのではないかと思います。
 そのためにも、「女性のつながりサポート事業」のお知らせの案内カードに、生理用品は「ここ色」でもらえることを明記していただければ、行ってみよう、相談もしてみようにつながるのではないかと思いますし、一度来られると男女共同参画の問題にもより関心を持っていただくことも可能ではないかと思いますので、是非お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

② また、相談窓口は月二回とされていますが、いつでも相談を受け付けるようにしていただくことが必要だと思います。女性のための相談は様々取り組んでいただいていますが、切羽詰まった相談に対しては素早く解決へ動くことが求められますので、やはり月二回では不十分だと思います。素早く対応することが必要だと思います。
 このような時期ですから、急ぎの相談に駆け込む人もおられると思いますので、できる限り素早い対応をお願いしたいと思いますが、見解をお伺いいたします。

3.マニフェスト5の環境政策・都市環境の整備。公衆トイレのデザイン化、公衆トイレの改修について

 私は五年前に、市内の公衆トイレをもっと明るく改修をすべきでないかと質問しましたが、今回やっと安心して利用できるトイレに変わるのかなと期待していますので内容をお聞きしたいと思います

① 市内で特に女性の声を聴きましたら、公衆トイレは何となく怖いので入りにくいという事です。
 このことを何とか変えていただきたいと期待します。今回の改修は、現在のトイレの問題をどう認識され改修することになったのかお伺いいたします。

② デザイン化いわれていますが、珍しいトイレなども話題になっていますが、何を意図されているのでしょうか。どのように改修されることをいうのでしょうか。

③ また、市民はどのようなデザインを求めていると考えておられるのでしょうか。お伺いいたします。

④ 市内には多くの公衆トイレがありますが、何か所の公衆トイレのデザイン改修を行うのでしょうか。どのようなスケジュールで進められるのでしょうか。
 特に市民や市外から来られる方の利用が多いと思われる中心市街地や公園のトイレについて、お聞きいたします。

⑤ 次に学校のトイレについてですが、以前は、様々な苦情を多く聞いておりましたので、改修を求めそのことが大規模改修時に行われてきています。子どもたちの感想等含め、学校のトイレの現状を改めてお聞きいたします。

⑥ 最近は、商業施設や、駅等のトイレがどんどん変化し安心して利用できます。清潔で安心して使えるトイレはくつろげる場ともなるのだと感じます。トイレもおもてなしのひとつだといわれていますから、伊丹市の印象にも大きく関係すると思います。
 今日まで公衆トイレに関して市民から様々な意見もあったのかなと思いますが、そのような意見を聞く機会などはどうであったのか、特に女性からの使いにくいという意見など含め、市民の意見をどのように受け止めてこられたのか。お伺いいたします。
 ご答弁よろしくお願いいたします。

日本共産党伊丹市議団ニュース 第384号 6月議会 ひさ村議員が個人質問

日本共産党伊丹市議団ニュース 第384号 2021年6月16日

ひさ村議員が個人質問(18日13時~)

日本共産党伊丹市議団ニュース 第384号

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2021年6月議会始まる(6月7日~30日まで)

ひさ村議員が個人質問(18日13時~)

質問要旨

1.生理の貧困について

1)生理用品の無料配布を行っている理由と、
くらし・相談サポートセンターだけで行っているのはなぜか。

2)災害備蓄用生理用品の入れ替え用がなくなれば、その後の配布はどうか。

3)各学校内のトイレに生理用品の備え付けをすべきではないか、見解を伺う。

4)市内の児童・学生から生理の貧困に対しての実態調査などで、意見を聞くことが必要ではないか。

5)学校での生理の学習はどのように行われているか。男女ともに生理についての正しい認識はどの程度理解されているのか。

2.「女性のつながりサポート事業」について

1)生理用品を「ここいろ」(男女共同参画センター)でも配布するようにし、案内カードにそのお知らせを載せれば、様々な事業に関心を持つきっかけにもなるのではないか。

2)相談窓口は月2回となっているが、緊急の相談などいつでも受け付けられる体制は出来ないのか。

3.「環境政策・都市環境の整備」公衆トイレのデザイン化、公衆トイレの改修について。

1)改修をするとなった理由は何か。

2)デザイン化とはどのように改修するのか。

3)公衆トイレについて市民は、どのようなデザインを求めていると考えているのか。

4)何か所のトイレのデザイン改修を行うのか。

5)学校のトイレは、以前と比べ気持ちよく使えるようになっているのか。

6)施設内のトイレや公衆トイレは、おもてなしの一種といわれており、様々な商業施設や駅のトイレもきれいになっている。市内の公衆トイレに対しての市民の意見をどの様に受け止めてきたのか。

 

 

日本共産党伊丹市議団ニュース 第383号 6月議会始まる

日本共産党伊丹市議団ニュース 第383号 2021年6月12日

 日本共産党伊丹市議団ニュース 第383号 ダウンロードはこちら(PDF)

2021年6月議会始まる(6月7日~30日まで)

上原議員が代表質問(15日午後1時~)

質問要旨

1.市長の情勢認識について

1)新型コロナウイルス感染症対策について

 市長は、ワクチン接種を加速化させることで感染の抑え込みを図るという政府の方針を述べておられるが、モニタリング検査などのPCR検査や抗体検査を無症状者に焦点を当て、大規模に検査体制を拡大することが必要と考えるが、国の感染対策に対する見解を問う。

2)「デジタル庁」設置(デジタル関連法)とデジタル化政策について

 菅政権が進めようとしている「デジタル改革」は、国家による個人情報の一括管理を強め、企業がそのビッグデータを活用することで、経済成長を促すという国家戦略に立っているなどの問題があるが、その見解を問う。

 議案第49号、第50号の条例改正の目的を問う。

3)核兵器禁止条約の批准を国に求めることについて

2.伊丹市の新型コロナウイルス感染症対策について

1)ワクチン接種について

①福祉的対応をされている人へのワクチン接種について
②学校教職員や保育所職員へのワクチン接種はどうするのか。
③今後のワクチン接種を想定した現時点での評価について

2)PCR検査等の検査体制を拡充することについて

3)中小企業・零細業者への支援について

3.病院統廃合に関する問題

1)近畿中央病院跡地への医療機関誘致について

 伊丹市として、公立学校共済組合が近畿中央病院跡地に新たな医療機関を誘致するための土地を提供する決断を急ぐように求めるとともに、医療空白期間を可能な限りなくす計画を立てることを求めるが、見解を問う。

4.子育て支援について

1)子どもの医療費の中学校卒業まで無料化することについて

 子どもの医療費無料化を中学校卒業まで広げることで、不要不急の受診行動を促進する科学的根拠を問う。

5.新型コロナウイルス感染症対策と地域産業の振興について

1)新たな「伊丹市産業振興ビジョン」策定について

 感染拡大による消費者、事業者の実態を見据え、事業者への聞き取りを含めた実態を調査すること、コロナ禍での生活様式の変化に事業者が対応するための支援策、地域内経済循環を重視した視点を改めて強化するなどが必要と考えるが、見解を問う。

6.教育基本方針について

1)「主体的・対話的で深い学び」と全国学力テストについて

①「アクティブラーニングと平均正答率との相関が明らかに高い」ことについて
②主体的・対話的な授業を実施していると答えた児童・生徒と教職員との差について
③テスト返還後の「傾向と対策」と「主体的・対話的で深い学び」について

2)「開かれた教育課程」について

 コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)の現時点での評価について

2021年6月定例会の日程

7日 月曜日 本会議(招集日) 所信表明、補正予算等説明
14日 月曜日 本会議(第2日) 代表質問
15日 火曜日 本会議(第3日) 代表質問
16日 水曜日 本会議(第4日) 個人質問
17日 木曜日 本会議(第5日) 個人質問
18日 金曜日 本会議(第6日) 個人質問・常任委員会付託
21日 月曜日 予備日
22日 火曜日 総務政策常任委員会 付託議案審査
23日 水曜日 文教福祉常任委員会 付託議案審査
24日 木曜日 都市企業常任委員会 付託議案審査
25日 金曜日 予備日
30日 水曜日 本会議(最終日) 報告・議決

上原秀樹:2021年3月議会 本会議 討論 一般会計予算/市人権審条例の制定に反対

2021年3月議会 本会議 討論
議案第7号令和3年度伊丹市一般会計予算、議案第20号伊丹市人権教育・啓発審議会条例の制定に対する反対討論

日本共産党議員団 上原秀樹

 日本共産党議員団を代表しまして、議案第7号令和3年度伊丹市一般会計予算及び議案第20号伊丹市人権教育・啓発審議会条例の制定に対に対して反対の立場から討論します。

 はじめに議案第7号についてです。

 来年度の市民をめぐる情勢に関しては、新型コロナウイルス感染の影響で、個人市民税では、非正規労働者の減少と給与所得、年金収入、事業者所得などの減少により、対前年度対比で5.7%の減となるとともに、法人市民税も21.3%の減少を見込んでいるとおり、市民の大幅な収入の減少が今年度に引き続き来年度も続く見込みとなります。

 このような中で、伊丹市に求められていることは、感染から市民の命と健康を守り、暮らしを支える市政です。以下、問題点を述べます。

 第1に、新型コロナウイルス感染対策についてです。伊丹市に求められるのは、ワクチンの接種を安全に、すべての希望する市民に行きわたる対策を行うと同時に、ワクチン頼みになるのではなく、一定落ち着いている今こそ、PCR検査を思い切って広げ、無症状の感染者を見つけ出し、保護、療養・治療をして感染者を減少させることです。そして、生活上で困難に陥っている人に給付を行うとともに、自粛によって営業が困難なところに十分な補償をすることです。経済対策はソーシャルディスタンスのとれる範囲で行い、感染を封じ込めることに全力を上げること以外に今後の経済対策に道を開く方法はありません。

 この点では一般質問等で伊丹市独自の検査体制の拡充と自粛に対する補償を求めましたが、来年度予算にはその対策が入っていないのは大きな問題です。国からの地方創生臨時交付金と基金を活用して、急いで対策を取られることを求めます。

 第2に、国のデジタル化政策に呼応して、伊丹市でも本格的に行政のデジタル化を進めようとされています。市の方向性はこれからとのことですが、情報通信などのデジタル技術の進歩は、本来人々の幸福や健康に資するものであり、その方向に進むことを求めるものです。しかし、菅政権が進めようとしている「デジタル改革」は、マイナンバーカードの普及を軸に国家による個人情報の一括管理を強め、企業がそのビッグデータを活用することで、経済成長を促すという国家戦略に立っています。なかでも自治体システムの統一・標準化は、自治体独自の施策が消滅する可能性があることや、個人情報保護法の改定では個人の保護体制を大きく改変して規制緩和を狙うものとなります。また、デジタル化は行政手続きのオンライン化など効率的運用に寄与する側面もありますが、行政窓口では助言や相談など人と人の対面によって一人ひとりの実態に沿ったきめ細かなサービスが求められることが多くあり、デジタル化だけで行政サービスの質も向上にはつながりません。さらに「デジタル格差」が広がることも懸念されます。今後の課題として、無批判に国の進めるデジタル化政策を進めるのではなく、コロナ禍で明らかになった通り、必要な職員体制の確保や労働条件の改善など、公務・公共体制を拡充し、市民の権利を保障することを強く求めます。

 第3に、新たに「伊丹市人権教育・啓発推進に関する基本方針」を改定されようとしていることです。この方針は、国の「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」第5条の地方公共団体の責務に対応するものとして、2010年10月に策定されたものです。もともとこの法律の発端となったのは、地域改善対策特定事業の終結に伴う1996年の地域改善対策協議会の意見具申で、同和問題に関する差別意識の解消に向けて教育・啓発は引き続き積極的に推進するべきとされたことにあります。その4年後の2000年に意見具申の趣旨に沿ってこの法律が策定され、教育・啓発に関しては、人権教育のための国連10年行動計画で具体化され、伊丹市でも2001年に同伊丹市行動計画を策定、そして、その10年後に基本方針が作られたという経過があります。したがってこの流れの中心は、同和問題に関する国民の差別意識の解消です。一方、同和問題に限らず、様々な人権課題も存在することは事実です。市のアンケートでも、最も関心のある人権課題は女性、高齢者、障がい者、子どもが多数を占めており、それぞれに関する人権を保障するための施策は重要な課題となっています。しかしこれらの課題は、憲法における人権保障の規定に基づき、解決していくものであり、必要とあれば、教育・啓発はそれぞれの分野で行うべきことです。問題は同和問題に関する市民の差別意識の解消のための教育・啓発を継続することにあります。実体的差別がほとんどない中で、差別意識をことさら強調することは、同和問題の真の解決に逆行するものです。従って、あらゆる人権課題を包括して、それを教育・啓発に関する方針としてまとめる必要はないと考えます。

 第4に、一般質問で要求しました、少人数学級への独自の対策、中学校給食無償化に向けた助成、中学卒業までの医療費無料化、障がい者に対する医療費助成の拡大に対して、前向きの答弁がなかったことです。少人数学級に関しては、教育長からその効果について、詳しく述べられた通りで、せめて中1ギャップ解消のために中学1年生からでも独自の35人学級を求めました。国も中学も含めた35人学級に言及していますので、是非前向きに検討を求めます。また、中学校給食に関しては、文部科学省の調査でも中学校における学校教育費における支出が約14万円で、給食費がその3分の1を占めていること、全国的に給食費への助成が一部助成も含めて約4分の1の自治体で行われていることを明らかにしています。ぜひ検討をお願いします。子どもの医療費助成は中学までの無料化は県内41自治体のうち37自治体が無料化を実施するに至りました。また、障がい者に対する医療助成も阪神間各市と比較して遅れた分野です。この件も是非前向きに検討を求めるものです。

 第5に、全国学力テストの問題です。その目的は、全国的な児童・生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の課題を検証改善して教育指導の充実や学習状況の改善などに役立てることとされています。しかし、全国学力テストは、2019年、国連子どもの権利委員会が日本政府に対して「極度に競争的制度」と「ストレスフルな学校環境」から子供を開放するよう勧告する一因となっているように、実態が学校と子どもを点数競争に巻き込み、教育をゆがめるものとなっています。全日本教職員組合の調査では、44%の学校で過去の問題をやらせるなどの特別指導を実施していること、学年初めの学級づくりや授業づくりに支障が出ているという声が上がっています。文部科学省の通知の通り、学力テストの結果は学力の特定の一部分、教育活動の一側面でしかありません。従って、毎年悉皆調査をする必要はなく、数年に一度の調査で十分児童生徒の学力や学習状況の傾向を見ることができます。

 以上が主な問題点です。なお、来年度予算では新規事業はほとんど計上されず、市長選挙後の補正予算に任されることになりますが、本予算において、子どもの虐待防止等すべての子どもの権利を保障するための「子ども家庭総合支援事業」が行われることや、新たな認可保育所増設や保育人材確保等によって241名分の保育の受け皿を整備されること、高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施事業など、新たに取り組まれる事業に関しては評価をするものです。

 なお、本会議や委員会で様々な要望や提案を行いましたが、先ほど述べたこと以外に主な点を述べます。

 第1に、近畿中央病院の跡地への医療機関の誘致は、県と公立学校共済組合との共同で、回復期病床だけではなく地域に必要な医療機関の機能を有する病院を、医療の空白期間をなくし、伊丹市が責任をもって誘致されることを求めます。

 第2に、公立幼稚園・保育所の統合再編に関しては、これ以上の再編を行わず、3歳児全員入園と延長保育の時間延長を求めるとともに、保育所待機児童の解消における年度途中の待機については公立で担えるようにすることを求めます。

 第3に、地震、豪雨など自然災害対策のさらなる充実と、地域での避難行動要支援者対策も含めた地域防災計画策定に支援を行うとともに、避難所ともなる学校体育館に空調施設を整備されることを求めます。

 第4に、共同利用施設の統合再編に関しては、地域組織での議論をもとに、伊丹市が地域の実情を考慮したうえで判断されることを求めます。

 第5に、市営住宅に関して、住まいの人権を保障するため、200戸の削減ではなく、市民の実態に即して増設されること、耐震基準を満たさない住宅の順次建て替えを改めて求めるとともに、その間に住宅のバリアフリー化と必要な修繕を行うことを求めます。

 以上が主な要望ですが、その他本会議・委員会で要望しましたことを、今後実現に向けて取り組まれることを要望して、反対の立場からの討論とします。

 次に、議案第20号伊丹市人権教育・啓発審議会条例の制定についてです。

 この条例は、現行の「伊丹市人権教育・啓発推進に関する基本方針」の改定を行うために、伊丹市人権教育・啓発審議会を設置しようとするものです。

 第1の問題は、この「基本方針」の根拠法となる「人権教育及び啓発の推進に関する法律」では、国民の責務として、「人権尊重の精神の涵養に努めるとともに、人権が尊重される社会の実現に寄与するよう努める」としています。その「涵養に努める」中心は教育・学習です。しかし、憲法に基づけば国民の学習・教育は権利です。また、「人権が尊重される社会の実現」の責務は国と自治体にあります。したがってこの法律は、憲法をねじ曲げるものとなっていることが問題です。したがって、この法律による「基本方針」の策定自体が問題です。

 第2には、先ほど一般会計予算に対する討論で述べた通り、あらゆる人権課題を包括して、それを教育・啓発に関する方針としてまとめる必要はないと考えます。

 以上の理由により、本条例の制定に反対するものです。

 議員各位のご賛同をお願いしまして討論とします。