2014年3月議会代表質問:上原ひでき 中学校完全給食は自校調理方式を

2014.3.7. 上原ひでき議員

2.中学校完全給食を実施するに当たって

市長は、来年度の三つの重点事業の一つに、中学校給食の早期実現をあげられました。私は議員になって23年ですが、日本共産党議員団としては、それ以前、30年に渡って、「愛情弁当論」と対峙し、中学校における完全給食を求めてきました。市民の声が広がり、やっと実現できることは大変喜ばしいことです。そこで、次の点をお伺いします。

第1に、自校調理方式ではなく、センター方式にすることについてです。

「基本計画」では、総合的に判断し、自校方式のメリットを取り入れ、様々なニーズに対応した「センター方式」による中学校給食を実施するとされています。しかし、「基本計画」に書かれている実施方式の比較表によると、「食育」では各学校で食育と連動できること、「食中毒リスク」では被害範囲が最小限となること、「配送時間」では2時間喫職が可能であること、「適温提供」では調理後すぐに喫食できることで適温給食が可能、「地産地消」ではセンター方式に比べて調達しやすい、「災害対応」では避難している市民に食事の提供が可能などと、ほとんどの項目で自校方式のほうにメリットがあるとされています。

「アレルギー対応」では、自校方式は専用調理室の設置は困難とされていますが、専用室で多様なアレルギーすべてに対応できるものではなく、多くのセンターは卵と小麦粉ぐらいで、残るアレルギーには結局個別対応となっています。箕面市が昨年9月に自校方式による中学校給食を始めていますが、そこでの自校方式のメリットに、「食物アレルギーのある生徒に対し、きめ細やかな対応ができること」とありますが、自校方式によって栄養士や調理員、教職員が一体となって対応できることが、より安全で安心の給食となるのではないでしょうか。

「早期の実現」では、各学校での調整に時間がかかるとしていますが、もともと「早期実現」を何十年も拒んできたのは当局です。「やるときめたら早く実現」ということもありますが、「やるときめたら最善の給食を提供する」のが教育委員会の役割ではないでしょうか。

「敷地上の条件」では、自校方式の場合は制限を受けるとされています。新に調理室を設置するわけで、敷地内で制限があるのは当然のことです。「基本計画」では、学校を調査した結果、校庭・運動場に調理場をつくるしかなく、その場所は2箇所を除いて不可能であるとの結論を出しています。メリットの多い自校方式を実現するために、あらゆる手段を検討されたのでしょうか。私たちは、自校調理方式を採用することが、子どもたちに最善の学校給食を提供できると考えています。以上述べましたことに対する見解を伺うものです。

第2に、自校方式のメリットを取り入れ、様々なニーズに対応した「センター方式」による中学校給食を実施するとされていることについてです。

一つは、「食育」に関して、「生徒と栄養士・調理員との交流ができ、給食を作る人への感謝の心をはぐくむことができる」とする自校方式のメリットをどう取り入れるのでしょうか。現在の小学校の取り組みではとても十分とはいえません。自校方式は毎日身近のところで調理する姿を見ることができます。

二つには、「地産地消」では自校方式は身近なところで作られた食材が調達しやすく、作る人の顔が見えます。そのことが学校と地域をつなぎ、都市農業の発展にも結びつきます。どのようにしてセンター方式ではこれを実現するのでしょうか。

三つには、自校方式の場合は残食がほとんどないといわれます。それは身近なところで調理する人が見え、栄養士・調理員と交流する中で「嫌いなものもがんばって食べよう」との気持ちになれること、調理してすぐに食べることができることで、おいしいと感じるからだといわれています。どのようにしてこのことを実現するのでしょうか。

以上3点についての見解を伺います。

第3に、「基本計画」で、調理業務等は民間事業者に委託するとされている問題です。

学校給食は、子どもたちに安全で安心な食べ物を提供するという点にありますから、献立の作成から調理まで、職員がその先にいる子どもたちの心身の発達などを思い浮かべながら食材に向かうことが求められます。従って、学校給食調理業務は子どもたちの発達を保障する仕事であり、食育を含めて教育の一環であるということです。調理部門等を民間事業者に委託することで、伊丹市としてこのような公的責任が果たせるのでしょうか。

問題の一つは、民間委託しているところでは、偽装請負が常態化していることです。それは、毎日子どもたちに最もよい状態で給食を届けるためには、詳細な指示文書や口頭による栄養士や調理員との打ち合わせが不可欠であり、その場で臨機応変に対応しなければならないことが度々起こるからです。

民間委託した場合には、事業者が責任者をきめ、そこに指示することしかできません。委託の場合は、事業者が自らの責任で独立して業務を行うこととされ、厚生労働省の請負に関する問答集37号告示では、文書、口頭に限らず、発注者が作業の内容、順序、方法等に関して指示し、そのとおりに事業主が作業を行っている場合も偽装請負としています。

さらに、直営で行っている豊橋市では、調理員が学校の食育の授業に出かけ、食材の納品から調理、配送までの様子をDVDで紹介、調理の実演もしながら話をしているとのことですが、民間委託ではこのようなことはできません。

二つには、経費削減のために民間事業者で働く従業員の給料が抑えられ、入札によって事業者も変わることで、安定した調理業務に支障をきたします。

学校給食の調理業務は、大量生産でかつ味を落とさないことが求められるために、固有の技術・熟練が求められます。これは、経験の中で蓄積されるもので、そのため給食を専門職として雇用し保障することが必要です。ところが、利潤追求が求められる民間事業者に委託することは、コストダウンがメリットとされ、マニュアル化した調理業務になりがちになるとともに、給料も抑制されて官製ワーキングプアを生み、従業者が定着せず経験の蓄積もできません。伊丹市は小学校給食を直営で行っており、そのノウハウは蓄積されていることから、中学校給食を民間に委託することはありません。2010年3月の衆議院文部科学委員会で、当時の川端文科相は「学校給食の本来の目的を損ねてまで民間委託をするのは本末転倒」と答えています。

以上、二つの問題に対する見解を伺います。

第4に、学校運営の課題と対応についてです。「基本計画」では、学校現場では様々な教育課題を抱えていること、教職員がゆとりを持って生徒にかかわることができる教育環境の充実が求められているとし、施設面での環境整備と給食費の公金化、給食担当者会の設置などの対応をするとされています。一方、パブリックコメントでは、アレルギー対応に対する人的サポートの必要性、行政が責任を持つことなどが出されています。マニュアル整備や研修会だけでは不安が残るのではないでしょうか、見解をお伺いします。

2014年3月議会代表質問:上原ひでき 市長の情勢認識を問う(消費税増税、戦争する国づくり)

2014.3.7. 上原ひでき議員

1.市長の情勢認識と政治姿勢について

1)消費税の増税と市民の暮らし悪化の中でくらしを守る施策を

市長は、提案説明の中で、わが国経済の基調判断について政府の見解を引用し、個人消費の増加等、景気が回復していること、規制緩和などの成長戦略で「経済の好循環」が期待できるかのように言及されましたが、事態はまったく逆の方向に進んでいます。

安倍内閣による4月からの消費税増税によって、市民の暮らしは計り知れない深刻な打撃をもたらし、経済も財政も共倒れ破綻に追い込まれる「経済の悪循環」になることは明らかです。

働いている人の賃金は、18ヶ月連続で前年同月比マイナスとなり、1997年と比べて年間60万円も減少しています。これは、定期給与の抑制や非正規雇用化などによるものですが、その一方で、資本金10億円以上の大企業が保有する内部留保は前年対比で5兆円増の272兆円にも達しています。また、アベノミクスの金融緩和で、レギュラーガソリンや灯油、ガス・電気代、生鮮野菜、マーガリンなどの乳製品など生活必需品の価格高騰が続き、総務省が発表した2013年の消費者物価指数が前年比0.4%上昇しました。

賃金が下がり、物価が上がるその上に、国の2014年度予算案では、医療費では70歳から74歳の窓口負担を1割から2割に倍増し、生活保護の生活扶助費を2.5%削減、年金支給額も1%削減します。これら社会保障の負担増と給付減で負担は約2兆円、消費税増税と合わせて10兆円もの国民の負担が増えることになります。さらに兵庫県も、「第3次県行革プラン」において、老人医療費・母子家庭等医療費の助成を削減しようとしています。

このような国のアベノミクスによる国民の暮らし破壊と消費税増税などによって、市民の暮らしは深刻になっています。市長は、この市民の生活をどう認識されているのでしょうか、また、伊丹市が深刻な市民生活を守る防波堤としての役割を果たすため、国の国民いじめの政治に反対し、市民の暮らしを守るために、何が必要とお考えなのか、お伺いします。

2)安倍内閣による「戦争する国づくり」に対する見解を伺う

伊丹市の「平和都市宣言」は、「平和は人が生きるための大本です。戦争はかけがえのない生命を奪い、幸せをふみにじります」という言葉で始まります。しかし、安倍内閣は人が生きる大本である平和をないがしろにし、戦争の道へと暴走しています。

先の臨時国会で可決成立した「特定秘密の保護に関する法律」は、特定の情報を政府が恣意的に秘密指定でき、国民には何が秘密か明らかにされないというもので、国民主権、基本的人権、平和主義をないがしろにする憲法違反の稀代の悪法です。この法律が強行された後の共同通信の世論調査で、「法律に不安を感じる」が70.8%、「法律を修正する・廃止する」が82.3%に達しました。廃案を訴えた運動は各界に広がり、山田洋次監督ら5人が呼びかけた「反対する映画人の会」には、映画監督の宮崎駿さんや女優の大竹しのぶさん、脚本家の山田太一さんらが名を連ね、ノーベル賞を受賞した白川英樹さん、益川敏英さんなど著名な学者が呼びかけた「反対する学者の会」は、賛同者が約4,000人にもなり、今も広がっています。

このことは、この法律によって、懲役10年以下の重罰とそれによる威嚇や、適性評価の名によるプライバシー侵害と権力の監視にさらされるのは、限られた公務員の特殊な漏えい行為だけではなく、国民の普通の日常とその自由が広く対象とされるからです。

この法律の目的は、安倍首相がオバマ米大統領との会談で、特定秘密保護法案は「日米同盟強化を見据えたもの」と説明したとおり、集団的自衛権の行使を可能とし、海外で米国と一体に「軍事行動をする国」へ日本を作り変える構想との一環として出てきたものです。

そしてその「集団的自衛権」とは、「自衛」とは無関係の概念で、海外への武力行使を可能とするものあり、大国が侵略や軍事介入する際の口実として使われてきたもので、日本国憲法第9条に違反することは明白です。だからこそ歴代政府は、「憲法9条のもとで許容される実力の行使の範囲を超えるものであり、許されない」としてきました。

ところが、安倍首相は、「政府が適切な形で新しい解釈を明らかにすることで(行使容認は)可能であり、憲法改正が必要との指摘は当たらない」「最高責任者は私だ。政府の答弁に私が責任を持つ」などと述べ、首相が自由に憲法の解釈を変更できるかのような発言を行っています。これは、最高法規としての憲法のあり方、立憲主義を否定するものに他ならず、さすがに古賀誠自民党元幹事長も、「立憲国としてとても考えられない」「普通だったら予算委員会がとまるほどの大騒動の話」と批判し、同様に河野洋平元衆議院議長や野中広務自民党元幹事長、村上誠一郎元行革担当相、漆原良夫公明党国対委員長らも批判しています。

市長は、伊丹市平和都市宣言に照らして、このような戦争への道を突き進む安倍内閣の暴走をどうお考えでしょうか、立憲主義に対する考え方も含めて、見解を伺います。

議会改革特別委:上原ひでき議員 視察報告

日本共産党市会議員の各地視察報告

議会改革特別委員会 上原ひでき議員

 1月29日、30日、議会基本条例に関して上越市議会、加賀市議会を視察しました。

 上越市議会では、①代表者会も含めてすべて原則公開。②市民との意見交換の場、議会報告会の開催。③請願者からの意見陳述の場が保障されていることなどです。

加賀市議会は、①夜間議会の開催。②請願者の意見陳述と質疑の保障。③議員倫理条例の制定。④市民主役条例を議会が提案、制定したことなどです。

 伊丹でも来年度の制定に向け、全議員で議論しているところです。

「日本共産党伊丹市議団ニュース 第276号 2014年2月16日」に掲載

2013年6月議会代表質問:上原ひでき 6月議会における代表質問

2013年6月14日 上原ひでき議員

 6月14日(金)、上原議員は、日本共産党伊丹市会議員団を代表して代表質問を行いました。

 以下、9項目の質問と2回目の質問を掲載します。

1.市長の情勢認識を問う(アベノミクス、従軍慰安婦、憲法改正論議について)

2.中学校給食は自校調理方式で

3.議案第54号 水道事業会計補正予算について

4.議案第64号市営斎場、66号市営住宅のそれぞれの条例改正で、指定管理者制度を導入することについて

5.住宅耐震改修工事への補助について

6.障がい者福祉について

7.教育に関する問題–いじめ問題にかかわる法制化について

8.空港問題について

9.地域提案制度について

(2回目の質問)

2013年6月議会代表質問:上原ひでき 市長の情勢認識を問う(アベノミクス、従軍慰安婦、憲法改正論議)

2013年6月14日 上原ひでき議員

1.市長の情勢認識を問う

1)アベノミクスで市民の暮らしはよくなっていると実感されていますか

市長が提案説明の中で触れておられます、アベノミクス、すなわち安倍自公政権のもとで進められている「3本の矢」といわれる経済対策についてです。市長は政府の月例経済報告での、景気が回復に向かっているということを紹介されました。安倍首相は株が上がったと盛んに自慢しているようですが、5月23日の東証株価は13年ぶりの暴落となり、市場関係者から「企業業績の裏打ちがない中、期待だけで株価が上がっていた。暴落は当然」と言われるとおり、外資に左右されるアベノミクスの制御不能な危険性が暴露されました。

また、国民のアベノミクスの評価にしても、大体7割から8割の国民が、所得は増えない、景気回復は実感できないと答えています。それもそのはずで、安倍内閣になってからも賃金は減り続け、企業の設備投資も減少、大銀行の中小企業向け融資は史上最低で、あらゆる経済の土台の落ち込みが続いているからです。その上に、円安による原材料費や燃油、水光熱費、小麦などの高騰は、中小企業や漁業、農業に深刻な打撃となり、家計を圧迫し始めています。一方では、この「バブル」で一握りの大株主や富裕層には、巨額の富が転がり込み、大企業の多くは円安・株高の中で利益を増やし、内部留保は1年間に10兆円増えました。

市長は、現在進められているこのようなアベノミクスで市民の暮らしはよくなり、景気が回復するとお考えなのでしょうか、お伺いします。

今必要な経済対策は、消費税の増税を中止し、国民の所得を増やす本格的な景気回復の道です。賃上げと安定した雇用、中小企業支援のルールをつくり国民の消費購買力を引き上げ、社会保障改悪ではなく、現役世代も高齢者も安心できる社会保障制度に拡充することが必要と考えるものです。市長は、今後民間企業の設備投資は持ち直しに向かうとされましたが、このままだと期待できる要素はありません。地域内経済循環に視点をおいた企業活動への支援にしても、市民の消費購買力が上がらなければ企業や地域商店の努力にも限界があります。あわせて見解を伺います。

2)「日本の侵略戦争」に対する歴史認識、「従軍慰安婦」に対する認識を問う

安倍政権が発足して以来、過去の侵略戦争と植民地支配を正当化し、美化する歴史逆行の動きが顕著に現れ、国際問題となっています。米議会調査局レポートでは、安倍首相を「強力なナショナリスト」とし、「性奴隷や歴史教科書、靖国神社への参拝」などでの対応が、アジア諸国やアメリカから強い懸念をもって見られていると指摘しています。戦後の国際政治は、日独伊がおこなった戦争が不正不義の侵略戦争だったということを共通の土台にしています。この土台を覆す勢力は、国際政治に参加する資格を失い、国際的な孤立の道に転落していくことになります。

さらに、日本維新の会の橋下徹共同代表の「慰安婦は必要だった」という発言に、内外から大きな批判が起きています。女性を戦争の道具とみなす暴言は、女性への冒涜であるとともに、人間への冒涜です。国連拷問禁止委員会は、日本軍「慰安婦」問題で「日本の政治家や地方の高官が事実を否定し、被害者を傷つけている」とし、日本政府に対して、こうした発言に明確に反論することを求めました。

市長は、このような安倍首相や橋下共同代表の歴史を逆行させる考えに対してどのような認識をお持ちでしょうか、お伺いします。

日本がアジアと世界から信頼され、国際社会で名誉ある地位を占める国になるためには、過去の侵略戦争と植民地支配の誤りをきっぱりと認め、その負の遺産を清算する立場にたつことが不可欠です。すなわち日本政府の責任ある立場の政治家が、侵略戦争を肯定・美化するような行動、言動をとらないこと、日本軍「慰安婦」問題では、日本政府として公式に謝罪し、個人補償を行うこと、日本の侵略戦争と植民地支配の歴史を子どもたちに正しく伝え、アジアと世界の国ぐにと平和・友好の交流を積極的におしすすめることが必要と考えるものです。

以上に対する見解もあわせてお伺いします。

3)自民党などの「憲法改正」論議に対する考え方を問う

自民党をはじめとする改憲勢力が多数を占めていますが、その一番の狙いは、自民党の改憲案にあるとおり、憲法9条を変えて「国防軍」を明記することで、集団的自衛権の行使など、日本を「海外で戦争する国」につくりかえることです。この人たちは、「北朝鮮や中国との関係を考えても憲法の改定が必要」だといいます。しかし、北朝鮮の問題にしても、中国・韓国との領土問題などにしても、何よりも求められるのは憲法9条を生かし、道理に立った外交交渉によって解決をはかることです。

一方、安倍首相は、改憲の発議を、国会議員の「3分の2以上」から「2分の1以上」に引き下げる96条改定を言い出しました。しかし、これは単なる「手続き」論ではありません。近代の立憲主義は、主権者である国民が、その人権を保障するために、憲法によって国家権力を縛るという考え方にたっています。そのために改憲発議の要件も、時の権力者が都合の良いように、簡単に憲法を変えることができないようにされています。憲法改正の発議要件を緩和し、一般の法律なみにしてしまうことは、立憲主義を根底から否定するものにほかなりません。

市長は、これら改憲の動きに対してどのような見解をお持ちでしょうか、お伺いします。

2013年6月議会代表質問:上原ひでき 中学校給食は自校調理方式で

2013年6月14日 上原ひでき議員

2.中学校給食は自校調理方式で

市長は、今後4年間の重点施策の第1に、「中学校における完全給食の実施」による食育の推進をあげられました。

学校給食法第4条では「義務教育諸学校の設置者は、当該義務教育諸学校において学校給食が実施されるように努めなければならない」、第5条で「国および地方公共団体は、学校給食の普及と健全な発達を図るように努めなければならない」とされているところです。

日本共産党議員団はこの立場から、20年以上前からこの実現を求めてきましたが、「愛情弁当論」に固執され続け、なかなか実現することはできませんでした。今回、完全給食を望む多くの市民の声を汲み、実現のための検討委員会を立ち上げる補正予算が計上されたことに対して、評価をしたいと思います。

子どもたちをめぐっては、市長の言われるとおり、共働き世帯の増加や就労形態の多様化等による家庭環境・労働環境が変化し、児童生徒の朝食欠食や孤食、栄養のバランス等の食生活が問題となっています。すべての生徒の健やかな心と身体の発達を支える上で、完全給食は欠かせません。そして、身近な農家の新鮮な食材を活用することができること、栄養士などの職員と身近に接することができることは、食を大切にする心を養い、望ましい食生活や食習慣を身につけていくうえで大切なことです。この立場から、党議員団としては、自校調理方式による完全給食が望ましいと考えるものです。このことは災害時における対応にも活用できます。

今後検討委員会でさまざまな議論がなされますが、市長はこの点をどうお考えなのか、見解をお伺いします。

2013年6月議会代表質問:上原ひでき 水道事業会計補正予算について

2013年6月14日 上原ひでき議員

3.議案第54号 水道事業会計補正予算について

本補正予算で、第4期拡張事業、兵庫県水道用水受水施設整備工事の見直しが提案されました。

党議員団は、2009年3月議会に提案された、第4期拡張事業の見直しによる継続費の補正予算、すなわち現在の原形予算には反対しています。

当時の補正予算は、総額約200億円を50億円減額して、6000トン規模の池を3池つくる計画を2013年度から3カ年で2000トン規模の受水池をつくることへの変更でした。反対の理由の第1は、災害や不測の事態によって県営水道水の供給が断たれた場合でも、圧が低いとか、最初のうち赤水が発生するなどのリスクはあるものの、千僧浄水場から直接配水によって当該地域へ給水することは可能であるということ。第2の理由は、水道会計に与える影響という点で、給水量の伸び悩みに伴う料金収入の減収や減価償却費の大幅増により収益的収支が圧迫されていること、約15億円の受水池が建設で、新たに減価償却費で6000万円、企業債利息で3500万円、合わせて1億円近い費用の増加が見込まれることです。

2003年8月の伊丹市使用料手数料等審議会答申の多額の経費が伴うことから財政に与える影響にも考慮し、水需要の動向などを見ながら過大投資とならないよう配慮するとともに、事業費についてはできる限り平準化することが望ましいと指摘をしていることをあげ、継続費補正に示された事業は先送りをし、受水池の建設時期についてはより慎重に対応されることを求めました。

今回の補正予算では、地上池とすること等で事業費を3億3,400万円減額して11億8千万円とし、国庫補助金、出資金を新たに措置することで、企業債を14億4千万円から3億6千万円に減額できるというものです。そこで改めてお伺いします。

一つは、かつて、災害や不測の事態によって県営水道水の供給が断たれた場合、千僧浄水場からの水道水の供給は不可能ではないとの答弁がされていますが、それでもなお県水の受水地が必要な理由はなにか。

二つには、財政への影響について、当初予算で措置された千僧浄水場の耐震化工事も重なり減価償却費が増加することや水需要の減少による料金収入の減少など、負担が大きくなりますが、その影響についてどのような試算をされているのでしょうか、お伺いします。

2013年6月議会代表質問:上原ひでき 住宅耐震改修工事への補助

2013年6月14日 上原ひでき議員

5.住宅耐震改修工事への補助について

これまで何度か住宅耐震工事への助成を求めてきましたが、さまざまな理由で実現することはありませんでした。今回どういう理由で助成をすることになったのでしょうか。

また、新耐震基準適合率を2017年までに90%としていますが、その見込みがどのように改善されるのでしょうか、お伺いします。

2011年6月議会では、耐震化助成との関連で、住生活基本計画におけるリフォーム実施世帯数を2017年までに7,700戸とする目標を実現する上でも、住宅リフォーム助成制度が必要であると、その実現を求めました。しかしこの点でもさまざまな理由で実施する考えはないと答弁されています。一方、同計画における環境に配慮した住まい・まちづくりの観点でのリフォーム実施世帯数は現状では目標年度での達成は困難としています。啓発や情報提供で達成できると考えるのでしょうか。

西宮市では、市内中小業者の振興策として、環境に配慮した住宅リフォーム助成事業をモデル事業として実施しました。この環境に配慮した住まい・まちづくりの観点から、西宮市の実態を研究され、実施に向けて検討を求めるものですが、見解を伺います。

さらに、市長は選挙中のマニュフェストで、「戸建て住宅における太陽光発電の促進」をあげておられました。兵庫県の助成制度が廃止されていることから、伊丹市として太陽光発電パネル設置への助成制度を求めるものですが、市長はどのような計画で促進しようとされているのか、お伺いします。

2013年6月議会代表質問:上原ひでき 難病対策・障がい者が地域で自立して生活できるために

2013年6月14日 上原ひでき議員

6.障がい者福祉について

障害者自立支援法が.障害者総合支援法に変わり、4月に施行されました。もともと「骨格提言」に基づき自立支援法は廃止されるはずでしたが、今回の新法は実際にはその「名称」を変え、根幹部分を温存して一部を改正したに過ぎません。一方では一定の改善がなされた部分がありますことから、次の点に限ってお伺いします。

1)難病対策について

4月から障がい者の範囲に難病が加わることになりました。難病患者は、多くが障がいが固定しないために障害者手帳を取得できず、そのために制度の谷間に置かれ、自立支援法による福祉サービスを受けられず、改善が求められていました。今後は診断書などによって、居宅介護や舗装具など障害福祉サービスの利用が可能となりました。しかし対象疾患は、当面の間、現在の「難病患者等居宅生活支援事業」の対象である130疾病と関節リウマチ患者に限られます。これらの難病患者に対しては、すでにヘルパー派遣や短期入所、日常生活用具の支援を予算措置して実施してこられています。

そこでお伺いしますが、伊丹市の場合、その対象疾患者は何人おられるのか、そのうちヘルパー派遣等の支援を何人が受けてこられたのでしょうか。そして、4月から新たな法律に位置づけられたことから、改めて市民的に周知し、対象者全てがサービスを受けることができるようにすることが必要になっていると考えますが、どのようにして広報をされ、対象者の掘り起こしをされているのでしょうか、また新法施行によって新たな申請者はあったのでしょうか。

2)重度身体障がい者等が地域で自立して生活できるために

法改正によって、共同生活介護(ケアホーム)が共同生活援助(グループホーム)に統合されます。この背景には、グループホーム入居後に介護が必要になるケースが増加すること、現実には約半数が一体型の事業所であることなどとされています。今後はグループホームにおいて、障がい者の状況や相談に応じて、さまざまな介護支援を提供することになります。伊丹市においても、障害福祉計画に沿って共同生活介護、共同生活援助のサービスを提供されていますが、その実態はどのようになっており、法改正によってどのように変わるのでしょうか。

さらに、学齢期を過ぎた重度身体障がい者を持つ保護者にとっては、自分たちが元気なうちに、さまざまな支援のもとで自立して生活や就労ができるようにと願っておられます。しかし市内には重度身体障がい者を対象にしたケアホームは1ヶ所しかなく、その増設も望まれています。

一方、国においては、地域における多様な住まいの場を増やしていく観点から、本体住居との連携を前提とした「サテライト型住居」の仕組みも検討されていると聞きます。保護者や多様なニーズにこたえるためにも、このようなサービスを提供できるようにしていくべきと考えますが、見解を伺います。

2013年6月議会代表質問:上原ひでき いじめ問題法制化について

2013年6月14日 上原ひでき議員

7.教育に関する問題

1)いじめ問題にかかわる法制化について

 現在国会において、いじめ問題にかかわる法制化について論議が進められています。

 日本共産党は、昨年、「いじめのない学校と社会を」という提言を発表し、①目の前のいじめから子どものかけがえのない命、身体を守りぬく取り組み②根本的な対策として、いじめの深刻化を教育や社会のあり方の問題として捉え、その改革に着手する取り組みを提唱しました。同提案には、いじめ防止に関する法的整備の検討も含まれています。

 しかし、今提案されている二つの法案は、原則的な問題があると認識するもので、その問題のうち、次の点で教育委員会の見解を伺いたいと思います。

 一つは、法律で子どもに命令し、義務を課している問題です。いじめは、子供の成長の上で誰にでも生じうるものであり、第一義的に教育の営みの中で解決することが基本です。法律で「いじめを禁ずる」として、子どもを服従するやり方は社会がとるべきことではありません。法律で定めるべきは、子どもの義務ではなく、子どもがいじめられずに安心しに生きる権利であり、その権利を守るための大人社会の義務であると考えます。

 二つには、法案では、「道徳教育」をいじめ対策の重要な柱としている問題です。私たちは市民道徳の教育を重視していますが、それは、教員、子ども、保護者が自主的自発的に進めてこそ実を結ぶものであり、法律で上から押し付けるやり方は逆効果になります。

 三つには、法案で、いじめる子どもに対する「懲戒」を強調し、慎重に選択すべき「出席停止」を乱発させかねないものになっている問題です。しかし、いじめる子どもに有効なのは、その事情を聞き取り、いじめをやめさせるとともに、子ども自身が人間的に立ち直れるよう支えることです。子どもと教員の信頼関係を壊し、いじめ対策に悪影響を及ぼすものとなってはなりません。

 以上、教育長の教育方針といじめ対策に大きくかかわることでもあり、教育委員会の見解を伺うものです。

(2回目の発言)

教育問題で、いじめについて

○ 教育委員会は、「いじめは許されるものではない」という認識を持つと。そのことと、法律に先ほど言われたことを規定するということは違う。「いじ めはいかなる形を取ろうとも、人権侵害であり、暴力である」という認識に立って、保護者との連携の中で、教育の営みを通じて解決をしてほしい。

○ 道徳教育に関しては、子どもの具体的人間関係に起因するいじめを防止するのに、道徳教育を中心にすることはすでに破綻しているといわれた。・・・ 大津市立中学校は、市内唯一の国の道徳教育推進指定校。「限界」と報告したのは、同市の第三者調査委員会で「むしろ学校現場で教員が一丸となってさまざま な創造的な実践こそが必要」と。

 「ならぬことはならぬものです」では子どもの心に響かない。

 運動会や文化祭などを通じて、対等で安心できる人間関係をつくること。

いじめのことは子どもが誰よりもよく知っている。いじめをとめる言葉も、子どもの言葉が一番ききめがある。多くの子どもが「いじめを何とかしたい」と思っている。

この子どもの力を信頼して、子供たちがいじめを止める人間関係をつくることを支えるのが大人の役割。