2012年6月議会本会議:上原ひでき 県立こども病院のポートアイランドへの移転計画の中止を求める意見書案 賛成討論

意見書案第3号に対して賛成、意見書案第4号に対して反対の立場からの討論

2012年6月29日
日本共産党議員団 上原 秀樹

 日本共産党議員団を代表して、議題となりました意見書案のうち、意見書案第3号「県立こども病院のポートアイランドへの移転計画の中止を求める意見書」(案)に対して賛成、意見書案第4号「「緊急事態基本法」の早期制定を求める意見書」(案)に対して反対の立場からの意見を述べます。

 はじめに意見書案第3号についてです。本意見書案は、兵庫県が、神戸市須磨区にある県立こども病院を、神戸市中央区のポートアイランドに移転しようとしていることに対して、その計画を中止することを求めています。

 この移転計画に対して、多くの県民・医師・患者から、「なぜ、阪神・淡路大震災の時にアクセスが途絶え、液状化をおこした人口島に移すのか」「東日本大震災での大津波の教訓はどうなっているのか」という疑問の声が上がっています。

 県立こども病院移転する問題点の第1は、県当局は医師等関係者の声を聞かないまま移転先を決定したことです。パブリックコメントを行った基本構想には当該地への移転計画はでていません。また、移転先を決めた総合事業等審査会には医師は一人も入っていません。このような経過から、神戸市医師会や兵庫県医師会などは、明確にポートアイランドへの移転には反対と意見表明されています。

 第2は、医師会が反対の理由とされている移転候補地の災害リスクの問題です。ポートアイランドは、東南海・南海地震と津波により甚大な被害をこうむる危険があり、県が行った災害シミュレーションではポートアイランドは孤立するとされています。同様の機能を持つ病院であれば、分散配置するのがリスク管理の基本であります。また、ポートアイランドには先端医療センターを中心に、高度専門病院群、医療研究施設があり、災害時のバイオハザードの危険もあります。

 県立こども病院は、1970年に小児総合病院として開設されて以降、新施設を次々と開設し、いまや地域医療になくてはならない役割を果たしており、阪神北広域こども急病センターからも、08年から11年の4年間に、24人の子どもが3次救急として後送されています。このこども病院を、あえて災害リスクにさらすことは許されません。本館が築40年を越えることから老朽化対策が求められていますが、設計専門家による調査で、現地建て替えが可能であることが判明しているところでもあります。

 よって、本意見書案が、兵庫県に対し、移転計画を中止し、改めて医師等専門家の意見を聞き、計画の再考を求めていることは妥当であり、賛成とするものであります。

(意見書案第4号「「緊急事態基本法」の早期制定を求める意見書」(案)に対して反対の討論はこちら)

2012年6月議会:かしば優美 消費税増税に反対する意見書求める請願 賛成討論

3請願の討論(消費税、緊急事態、県立こども病院)

2012年6月29日
かしば優美 議員

 ただいま議長より発言の許可を得ましたので、私は日本共産党議員団を代表して上程された請願のうち1号と3号に賛成し、2号には反対の立場から討論を行います。

 はじめに請願第3号「消費税増税に反対する意見書の提出を求める請願」についてであります。

 国会では26日、民主、自民、公明3党は、消費税率を10%に引き上げ、社会保障の大改悪を押し付ける「一体改革」関連法案の衆院本会議採決を強行し、賛成多数で可決しました。3党が密室談合で決めた修正・新法案の八つを、わずか13時間余りの審議で国民の声を聞く公聴会も開かず強行したものです。3党で合意したからと国会会期末にいきなり提出し、国会での審議をほとんど行わずに採決というのは、議会制民主主義を破壊する前代未聞の暴挙であります。またマスコミの世論調査でも消費税増税法案を「今国会で成立させるべきだ」という人は17%にとどまっています。増税法案は国民の意思とかけはなれたものであり、廃案にする以外にありません。

 請願趣旨は「この不況下で増税すれば・・・全国の地域経済は大打撃を受けます。」と述べています。ただでさえ国民の所得も消費も落ち込んでいるときに、13.5兆円もの消費税の大増税をかぶせたら、日本経済の6割を占める個人消費、日本の雇用の7割をささえる中小企業に大打撃を与えます。そんなことをすれば、日本経済をどん底に突き落とすことは火を見るよりも明らかです。

 また消費税をいくらふやしても、経済が悪くなれば財政は悪化するばかりです。

 1997年に自民党・橋本内閣が消費税を5%に引き上げましたが、その影響による景気の悪化と大企業・大金持ち減税によって税収は逆に14兆円も減り、逆に借金は増えました。このように、“消費税頼み”の道では未来がありません。

 日本共産党は消費税に頼らない別の道を提案しています。それは二つの改革を同時並行で進めることにより、財政危機からぬけだすことができるという内容です。

 一つは、聖域のないムダの削減です。民主党の「事業仕分け」には、さまざまな「聖域」があり、財源はほとんど生まれませんでした。ダム建設など不要不急の大型公共事業の見直し、米軍思いやり予算など軍事費の削減、原発推進予算の大幅削減などムダと浪費にメスをいれることです。また財政危機のもとでも、富裕層や大企業には減税がくりかえされてきました。 所得が1億円をこえると税負担が軽くなる 大企業は手厚い優遇税制で実質税負担は10%台――こんな不公平をただし、税制の本来のあり方を取り戻すことです。

 もう一つは、「所得をふやして経済を立て直す」ことです。国民の所得がへり、経済成長も止まったままでは、社会保障の財源づくりも財政危機の打開もできません。経済が冷えこんでいるのは、国民が生み出した富が大企業の内部に溜め込まれ“死に金”になっているからです。いま必要なのは、国民のくらしと権利を守るル-ルをつくり国民の所得をふやす経済改革です。この改革により大企業の260兆円もの内部留保を、日本経済を成長させるために使うことが可能となります。税収を増やし社会保障の財源をつくることも、財政危機を打開する道もひらくことができます。

 以上、“消費税に頼らない別の道”を述べましたが、「消費税は社会保障や財政再建の財源としてふさわしくない」とする願意は妥当であり、よって請願第3号に賛成するものです。

 なお請願第1号「県立こども病院のポ-トアイランドへの移転計画の中止を求める意見書提出についての請願」に賛成し、請願第2号「『緊急事態基本法』の早期制定を求める意見書提出に関する請願」に反対する理由は、さきほど意見書案の討論で述べたとおりであります。

 以上議員各位のご賛同をお願いし討論とします。

2012年6月市議会:上原ひでき「伊丹市地域防災計画」について

2012年6月18日
日本共産党伊丹市会議員団 上原ひでき

  1. 「伊丹市地域防災計画」について(このページ)
  2. 保護者からの学校へのクレーム対策について はこちら
  3. 特別支援学級における「介助員」について はこちら

1.「伊丹市地域防災計画」について

 3.11東日本大震災を契機に、大規模災害に対する「備え」のあり方について、市民の間に様々な不安があります。改めて避難場所を聞くと「知らない」と答える人が少なからずおられたり、障害児の保護者から、災害時の避難のあり方について不安がありその方法を聞きたいとの声も出されたりします。自治会の会議でも、「これだけ高齢者が多いといざというときに大変だ。防災訓練は応急手当訓練だけではなく、住民への連絡体制や避難訓練が必要」との声も出ています。改めて自主防災組織の活動を発展させなければならないと実感しました。

 一方、行政では、新たな防災拠点の整備や地域防災通信基盤整備などを行おうとされています。行政の基盤整備と地域の自主的な防災活動が一体となって安心・安全なまちづくりを進めていかなければならないと思います。

 そこで、「伊丹市地域防災計画」の中から、以下2点にわたって質問をしたいと思います。

1)第25節 自主防災体制の整備

 ここには、「自主防災組織は、地域の実情に応じた「安心・安全コミュニティ・ファイル」を作成するなど、平常時および災害発生時の効果的な防災活動が行えるよう努めるものとする」とされています。そこで、

①平常時から効果的な防災活動を行うとされ、その中で「安心・安全コミュニティ・ファイル」が位置づけられています。その「安心・安全コミュニティ・ファイル」とは、地域の避難場所や危険箇所、地域の人材、要援護者の状況等をファイルし、災害発生時に有効に機能するように平常時から防災活動に役立てるものと理解しています。それがどの程度自主防災活動の中で認識され、活用されているのでしょうか。また、今後の課題についてどう考えておられるのか、お伺いします。

答弁趣旨

 地域の内容がすべて書き込まれれば災害時に大きな力を発揮すると思うが、記載内容に個人情報が多く含まれていることから、様々な課題がある。このことから情報の提供にとどまっている。

②コミュニティ防災活動(防災まちづくり)のあり方についてです。

 現在の自主防災組織は、応急手当・対応に偏重している感があります。必要なのは、そのことも含めて住民が自治的に生活圏の安全管理を推進する取りくみであると思います。例えば、自主的に地域の危険箇所を把握して行政に改善を求める活動や、地域防災計画の「地震動の危険性」に書かれている伊丹市の土地の形状、活断層の状態等、行政からの危険箇所の情報提供による地域における安全管理計画を作成することです。

 もちろんそこには要援護者対策も含めなければなりません。それは地域社会の様々な災害危険への対応策は通り一辺倒ではなく、多様で、住民の合意と関与が欠かせないからです。当局は、そもそも自主防災活動のあり方をどうのように考えられているのか、自主防災組織への支援のあり方も含めて見解を伺います。

答弁趣旨

 小学校単位で5年間のローテーションを組み、災害図上訓練DIGを実施している。これは、地域住民が地図を囲み、地域の危険箇所や主要道路などの地域の特徴等を書き込み、災害発生時から予想される被害の範囲、避難場所、避難経路などを話し合いながら、保護路から備えるべき対策などについて考えるもので、コミュニケーションの工場、地域の実情や課題が共有できるもの。

2)第26節 災害時要援護者対策

 この計画では、「日頃から十分な災害時要援護者対策を講じておくことが必要」であること、「平常時から地域において災害時要援護者を支援する」とあり、「防災計画の策定」の項では「職員の任務分担、動員体制等防災組織の確立、保護者への緊急連絡、地域と連携等を網羅した綿密な災害時要援護者対応計画を作成しておく」とされています。

 そこで、地域から不安の声があった伊丹市特別支援学校の生徒・保護者を例にお伺いします。

 その内容は、子どもが自宅にいる場合、大規模災害が発生したとき、どうやって、どこに避難したらいいのか、自らもおんぶ紐を自分でもつくろうと思っている、とのことです。私たちにとっては、地域で協力できることは何があるのかという問題提起になり、可能な協力を考えることになります。

 しかし同様の子どもを持つ保護者が、すべて地域に問題を投げかけるわけではありません。地域でもすべてを把握できているわけでもありません。

 そこで、災害時に特別支援学校がどのような対応ができるか、必要ならば地域とのつながりはどうするのかという問題がでてきます。

 この点では、3.11大震災を契機に、宮城県特別支援教育センターが、「学校ができること」を観点に、教員たちの経験などを、資料集「障害のある子どもたちに寄り添う支援に向けて」にまとめられています。そこでは、学校の役割は、「子どもたちを支えるつながりをコーディネートすること」とされています。学校では、個別の教育支援計画やサポートブックなどを使いやすいものに整備し、保護者といっしょに関係機関・地域とのつながりについて見直しを続けることが大切だと訴えています。同時に、学校に、避難所の指定の有無を問わず、障害児に必要な医療機器を備蓄することや、避難所における発達障がいへの理解を得るための方策などもあります。

 「伊丹市地域防災計画」でも位置づけられていることであり、特別支援学校と教育委員会、行政が共同し、対応することが必要と考えるものですが、見解を伺います。

答弁趣旨

 学校では、休日・夜間の場合、緊急連絡システムを活用して在宅中の子どもたちの安否家訓と状況に応じた対応に努めるようにしている。地域のつながりについては、居住他校での交流・共同学習を積極的に推進しており、このことで子どもや保護者、地域のつながりが作られるものと期待できる。また、個別の支援計画を教員と保護者が連携して作成しているが、その中で、緊急時に対応してもらえる病院や地域の施設などの関係機関を確認できる。

 学校に、必要な医療機器の備蓄に関しては、在校生の医療的ケアに必要な医療機器は備えているが、これ以外の機器を備蓄する計画はない。

2012年6月議会:上原ひでき 固定資産税の増税問題 反対討論

第1号 専決第8号

「市税条例および都市計画に関する条例の一部を改正する条例の制定」に対する

 6月8日(金)、上原議員は、「市税条例および都市計画税に関する条例の一部改正」(専決処分)に対して質疑を行いました。(議案質疑(上原ひでき議員)と答弁はこちら)

 その議案の主な内容は、住宅用地に係る固定資産税の課税標準額(税額の基礎となる額)の仕組みが変わることです。このことによって、2012年度1500万円、2013年度50万円、2014年度7700万円の増税になります。

 党議員団は、本条例が2014年には合計9300万円の増税を市民に押し付けるものであり、反対をしました。

以下、専決処分報告に対する反対討論です。

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第1号 専決第8号

「市税条例および都市計画に関する条例の一部を改正する条例の制定」に対する

2012年6月8日
日本共産党議員団 上原ひでき

 議長の発言の許可を得ましたので、私は、日本共産党議員団を代表して、議題となっています報告第1号のうち、専決第8号「市税条例および都市計画に関する条例の一部を改正する条例の制定」に対して、反対の立場から意見を述べます。

 本条例改正は、住宅用地並びに特定市街化区域農地にかかる負担調整措置に関し、据え置き特例を廃止し、その据え置き特例については、負担水準が80%以上の土地は、課税標準額を前年度と同様に据え置いたものを、2012年度、13年度は90%に引き上げた上で、2014年度に廃止するものです。これによって、2012年度で1,500万円、2013年度で50万円、2014年度で7,750万円の増税となるとされています。

 問題の第1は、3年間の増税額9,300万円は、その多くが小規模住宅用地と宅地化農地という生活手段にかかる土地に対する増税であることです。しかも4年以降も負担水準が100%になるまで毎年5%ずつ増税となります。

 第2に、そもそも、土地の評価額を居住のための土地と企業活動や投資のための土地を同等に扱い、市場の取引価格に近づけるとして、一律に公示価格の7割としたことが改めて問われており、その結果、負担水準80%を終えた場合に据え置かれた土地においても、地価が下落しても固定資産・都市計画税が上がり続けるという矛盾が生じることになります。 よって本条例に反対するものであります。

 議員各位のご賛同をお願いしまして討論とします。

2012年6月議会:上原ひでき 固定資産税の増税問題 質疑

質疑 報告第1号 専決第8号

「市税条例および都市計画に関する条例の一部を改正する条例の制定」に対する質疑

2012年6月8日
日本共産党議員団 上原秀樹

 本条例改正は、住宅用地並びに特定市街化区域農地にかかる負担調整措置に関し、据え置き特例を廃止し、その据え置き特例については、負担水準が80%以上の土地は、課税標準額を前年度と同様に据え置いたものを、2012年度、13年度は90%に引き上げた上で、2014年度に廃止するというものです。

 説明資料によりますと、その影響額は、2012年度で1,500万円、2013年度で50万円、2014年度で7,750万円の増税となるとされています。

 そこでお伺いします。

 第1に、小規模住宅用地並びに一般住宅用地、特定市街化区域農地それぞれ、負担水準が80%未満、80%から90%、90%から100%、100%を超えるものの割合がどのようになっているのか。

答弁

                     80%未満    80%~90%未満    90%~100%未満    100%以上
小規模住宅用地     0.1%           29.5%              54.5%              16.0%
一般住宅用地        0.1%           36.0%              50.0%              13.9%
宅地化農地           0.1%           23.8%              35.9%              40.2%

 第2に、税負担に関して、負担水準が80%の場合、毎年5%の増税となるが、2年間で税額は12.5%増税になるとともに、最終的には25%の増税になる。生活手段である住宅用地やいずれは住宅用地になることが予測されながらも、現在市街化区域に欠かせない役割を果たしている宅地化農地に対して増税を行うことが、市民にどのような影響があると考えるのか。

答弁

 本来の課税標準額で課税されている土地と据え置き特例が適用されている土地の税負担の不均衡が課題とされ、この是正を図ることが目的。

 第3に、国は今回の税制改正の理由に、「いわゆるバブル期から現在までの地価の動向等社会経済情勢の変化、適用実態や有効性の検証結果を踏まえ、不公正を生じさせている措置、合理制等が低下した措置などの見直しを行う」とされている件について。

 1994年の評価替えのとき、固定資産税の評価額を公示価格の7割まで引き上げたことで、固定資産税が全国平均で3.02倍、大きいところでは20倍まで引きあがり、あまりにも急激な引き上げに対応するため、1997年に「負担水準」制度を導入。すなわち、公示価格の7割に引きあがった新たな土地評価額を100として、前年度の課税標準額がどこまで達しているのかの割合を出し、税負担が低かった土地について負担調整率を講じて、税負担を引き上げていくことになった。このことが、地価が下落しても固定資産税が引きあがるというしくみになった。そして伊丹市では負担水準が80%を超えた土地がほとんどという状況までに達した。現在80%を超えたところは税が据え置きで、一方で100%に達しているところがあるところから、そのことが不公正とされている。

 しかしそもそも、土地の評価額を居住のための土地と企業活動や投資のための土地を同等に扱い、市場の取引価格に近づけるとして、一律に公示価格の7割としたことが改めて問われているのではないか。居住のための土地を市場の取引価格と連動にしたために生じる負担水準の差を不公正とする理由は何か。

答弁

 小規模住宅・一般住宅用地には6分の1、3分の1の特例措置が講じられている。7割評価は、当時、区に及び市町村等が設定する土地価格において乖離が生じていたことから、土地の評価水準を一元化し、全国的な公的土地評価を図ることを目的としたもの。

2回目の質問

1.市民への影響をどう考えるのか。・・・明確な答弁はなかった。→税負担の公平性が図られる、との答弁。

・不公正の是正について・・・市民の間にどれだけの不公平感があったのか。どれだけ伊丹市にその声が上がっていたのか。

・市民の責任で不公正が生じたのか。それはどんな内容なのか。

答弁

 今回の改正は、本来の課税標準で課税されている土地と据え置き措置が適用されている土地の税負担の不均衡の解消が目的。これにより伊丹市においても税負担の公平性を図ることができる。

2.固定資産税の評価額を公示価格の7割に引き上げたことによって生じる負担水準の差が、なぜ不公正なのか、という質問。これも明確な答弁はなかった。

・小規模住宅用地や一般住宅用地には、答弁でもあったとおり、一定の軽減は図られている。しかし、小規模住宅用地のような生活手段である住宅用地が土地取引や投資によって左右されることが適正なことなのか。

・国の制度として、取引価格方式から収益還元方式、すなわち、使用目的に応じて課税される方式に変えることで生活手段としての住宅への課税を軽減すること、これには抜本的な改正が必要だが、それができるまでにも、小規模住宅用地にかかる固定資産税は、さらに評価額を引き下げ、負担を軽減すること、そして住み続ける限り納税を猶予するという仕組みをつくるのが適正と考えるが、見解を伺う。

答弁

 不動産の鑑定方式には、「原価法」「取引事例比較法」「収益還元法」の3方式がある。しかし、土地資産評価基準においては、土地の資産価値を売買実例価格に応じて評定する「売買実例価格方式」を採用していることから、公示価格の7割程度を目標に評価の均衡化、適正化を測り、税負担の公平性を確保しているところである。

議会報告会を開始しました(2012年5月16日)

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日本共産党伊丹市会議員団

 日本共産党市議団は16日、いたみホールで市会報告会を開催し、参加者からは活発に質問・意見が出されました。

 はじめに3人の議員から、3月定例市議会で議論された「市民税の増税」「定時制高校統合負担金」「福祉・難病医療費助成の見直し」「土地信託の破たん」などの問題や議会改革について報告しました。

 この後参加者からは、「大阪空港をめぐる動きについて」、「がれき処理に対する市の見解は?」、「新図書館の機能について」、「市民病院の充実について」など質問・意見が出されました。

 市議団は、多くの市民に市政内容を知っていただくために、今後とも議会ごとに各地域で報告会を開催していく予定です。

議会改革特別委員会で議論されていること

(議会改革特別委員会委員)上原ひでき

今までの経過

 議会改革検討委員会は、昨年の市議会改選後に設置されました。全国各市町村議会では、地方分権が一定進む中で、市長と議会という二元代表制のもとで、改めて議会の役割を明確にし、市長(当局)をしっかりとチェックし、議会としても積極的に議案提案できる議会にしようとさまざまな議会改革が行われ、その中で「議会基本条例」の制定が行われています。

     昨年度(2011年度)は、①本会議のインターネットによる生中継と録画配信を行うことが決まっていたため、その具体化を図ること、②「まちづくり基本条例」に関して、「伊丹市まちづくり基本条例の推進状況を検討する会」から問題提起されていた「市民と議会の参画と共同」に対する回答を議論すること、の二つを優先して議論することとし、一定の結論を出しました。

インターネット配信は今年9月議会をめどに行う

 その結果は、インターネットによる本会議の様子の配信については、9月議会からをめどに実施することになりました。詳細は9月議会に向けた広報のあり方についても議論が進められています。また、「まちづくり基本条例」に関しては、「地方分権が進められている中で、…二元代表制の一方の機関である市議会の役割と責務はますます大きくなっていること、伊丹市議会としても市民の声をしっかりと受け止められるように、開かれた議会とすべく様々な取り組みを行っていること、具体的には議会改革として、各会派から基本j条例の制定をはじめ、様々な検討項目が提案されていること、このような取り組みを通じて、市議会のまちづくりに対する役割と責務をより明らかにすることができる」(趣旨)との回答文をつくりました。

2年目の今年の議論は

 今年度に入って、各会派から提出された議会改革の検討項目について、「議会と当局」「議会と市民」「議会内部改革」の三つの分野に仕分けし、すでにつくられていた「広報委員会」とともに「議会」分科会、「市民」分科会、「当局」分科会の三つの分科会をつくり、そこで議論の優先順位を決めて検討し、特別委員会で議論することになりました。

 その分科会からの報告をもとに、4月の特別委員会で議論した内容は、①審議会への議員の就任について ②臨時議会への説明員(当局から市長等)の出席を求める件についてでした。

執行機関の審議会等への議員の就任について

 党議員団の考え方は次のとおりです。→ 審議会等執行機関の付属機関は多くの場合、執行機関の政策形成過程において、市長の諮問等により市民・専門家の意見を聴取し、議論を通じて「答申」という形でその審議会等の意見を市長に提出するという形をとっています。二元代表制のもとで、市長の政策決定においてできる限り市民の意見を聞くということが求められており、そのために審議会等に住民の多数の意思が正しく反映するような努力が必要です。議会の役割は、その過程を得て決定された政策等を住民の立場からチェックし、場合によっては修正提案するなどを行い、最終的に議決という形で議会の意思を表すことにあります。このことから、二元代表制におけるそれぞれの役割を考えると、議員が審議会等に加わることは適当ではないと考えます。

 一方、審議会等に参加しないとなれば、議員が市長の政策形成過程にどのようにして関与できるのか、あるいはできないのか、が問題となります。議員は、市長が提案した政策は市民の意見を正しく反映させているのか、決定された政策は市民にとって本当にプラスになるのかについて、議員としても市民の意見を聞く努力をしながら、最終判断をすることになります。審議会等は原則公開されていますので、議員も審議会等の傍聴はできます。しかし、議会として関係する常任委員協議会等に審議経過の報告を求め、政策形成過程の途中においても議員の意見を反映することは可能ではないかと考えるものです。

 臨時議会への説明員(当局から市長等)の出席を求める件については、臨時議会の内容が議会の役職を決める議会であることから、当局の出席を求める必要はないとの意見と、召集する側が出席しないのはどうかという意見に分かれ、結果として、今年の5月臨時議会をいままでどおりとし、今後議論を進めていくことになりました。

 5月の議会改革特別委員会は25日、午前10時から開催されます。傍聴にお越しください。

5月16日、議会運営委員会で議論されたこと

(議会運営委員会委員) 上原ひでき

 議会運営委員会は、本会議等の議会運営について審議するとともに、議長の諮問に関する事項も審議することという位置づけがあります。この日の委員会は3点について議論をしました。

「委員長報告のあり方について」

 伊丹市議会の「申し合わせ事項」では、簡素化して報告すること、原則として委員会の開催日、審査結果の報告にとどめ、特に議論のあった事項を報告するとなっています。特に、一般会計予算・決算特別委員会の報告が近年長くなっており、申し合わせ事項と食い違っているのではないかとの問題意識から議題にあがりました。党議員団としては、委員長報告の目的は委員会に参加できない議員が可否を判断する上での参考にするというものですが、あまりに簡素化しすぎると議論の内容が議員にも、市民にも明らかにされないこと、特にインターネット中継・録画が始まると市民に内容が伝わらないこと、したがって時間制限するのではなく、内容を重視して、委員長の裁量に委ねるべきであると主張しました。その上で「申し合わせ事項」を変更する必要性があれば変更することも含めて検討したらいいと思います。

「附帯決議のあり方」

 議会は、提出された議案に対しては、質疑を行いそれぞれの議員が討論を行ったうえで、最終的に議決をするという手順をとります。その際、必要があれば修正案を提出することもできます。しかしそれができない議案において、可否だけでは議会としての意見が十分表明しつくせない場合があり、その際、議決するに当たり合わせて附帯決議を議決して、議会としての意思を表明する取り扱いがなされています。

 党議員団としては、附帯決議は委員会でも本会議でも提出することができること、議会の意思表明なので可能な限り全会一致が望ましいこと、しかしその限りではなく、決議の提出の権利はどの議員にも保障されていることなどを主張しました。

「会派に属さない議員の討論のあり方」

 なぜこのようなことが議論にあがらなければならないのか理解できませんが、議員は、先に述べたとおり、議案に対して自分の考え方を主張する権利を持っています。したがって会派に属していなくても、発言を制限することはできません。このことは全委員一致しました。

 一方で、本会議・委員会全体を通じて、会派に属さない議員に対して、また会派の所属人数による発言の制限が必要という意見が出されました。今後、議会改革特別委員会でも議論になりますが、党議員団としては発言の時間制限はすべきではないという考え方をしています。

市有地(ネオ伊丹ビル)の信託を処分型に変更

日本共産党伊丹市会議員団ニュース258号(2012.4.8.)掲載

市有地(ネオ伊丹ビル)の信託を処分型に変更
(伊丹市中央3丁目旧伊丹市役所跡)

党議員団は賛成の立場で討論

 伊丹市は、旧伊丹市役所跡地に関して、1989年、信託銀行と賃貸型土地信託契約を結び、現在に到っています。しかし、社会情勢の変化から、賃貸料は低下し、空き室状況が生じていることから、内部留保金が枯渇し、約9億円の借り入れ残金の返済のめどがないとして、市は「債務をなくし、将来に負担を残さない」ためにと、この土地・建物を処分する議案を提出。賛成者多数で可決されました。

 党議員団は賛成、上原議員が次の討論を行いました。

 本議案は、信託の目的に「処分」を加えることで処分型の信託に変更し、処分に対する信託報酬を、売却代金収入に1000分の30を乗じてえた額に100分の105を乗じて得た額にしようとするものです。

 旧伊丹市役所で、後に社会経済会館となった伊丹市中央3丁目406番8の土地に関して、伊丹市は、1989年(平成元年)3月24日に、当時の三菱信託銀行株式会社(現三菱UFJ信託銀行株式会社)と土地信託契約を締結し、現在に到りました。

信託契約当時(1989年)党議員団の態度

 当時の「市有地の信託について」の議案に対する党議員団としての態度は、国の信託に関する法律改定は民間活力導入政策の一環として行われたものであること、公共財産は住民全体の公共的利益のために使われるべきもので、民活の名による民間企業の営利の具にしてはならないこと、将来の担保も不明確なものであることから反対しました。

危険を承知で踏み切り、信託銀行の営利を保障

 1989年度予算審議における党議員団の委員会質疑の中で、当時の市長は「リスクはあろうとも、挑戦していくことが必要」「危険ばかり感じておっては、発展はありえない」と答弁され、将来の破綻の危険性を承知の上で土地信託の契約に踏み切っています。当初予定した伊丹市に対する信託配当累計は、34億2,400万円、固定資産税・都市計画税の累計10億7,100万円と合せて、約45億円が30年間で伊丹市に入ってくるというものでした。一方、信託報酬は3億1,100万円、銀行利息は約20億円とされ、民間企業の営利も保障していました。

信託事業の破綻

 ところが、右肩上がりのバブル期が30年も続くはずはなく、危惧していたとおりの事態となりました。この間、伊丹市が受け取った信託配当と固定資産・都市計画税の合計は、2010年度末で12億3,470万円にとどまり、一方で、銀行に対する利息は12億5,400万円、信託銀行への信託報酬は1億3,300万円で、合計13億8,700万円となり、伊丹市が受け取った金額より多く、民間企業の営利の具とされてきたことはいうまでもありません。

 いま、明らかに信託事業は破綻しました。このことは、リスクを見込んだ上での信託事業決行に対して、また、「官から民へ」「民間活力の導入」「民間のノウハウを活かす」などと、公が果たすべき「住民の福祉向上」を民間にゆだねてきた路線そのものに対して、その問題点と限界が明らかになったといえます。

信託の強行とその後の当局の責任は重大

 今回提案されている処分型信託への変更によって、何よりも市民の大切な財産を失うことになります。信託の出発点と今日までの経過における当局の責任は重大といわざるを得ません。

継続しても借入金返済のめどなし、将来に負担

 しかし、このまま継続すると、空いている床が埋まる保障はなく、たとえ埋まったとしても終了時までのリスクは背負い続けなければならず、さらに家賃の引き上げの展望もないまま推移することとなり、傷口は広がり、最終的に受益者である伊丹市が、その債務を負担することになります。

 したがって、党議員団としては、本議案における処分型信託への変更を是とするものであります。

 なお、信託銀行が行う入札に当たっては、伊丹市として、透明性が確保されるあらゆる手段を指示されることを求めて、賛成の立場からの意見とします。

2012年3月議会:上原ひでき 一般会計予算等に対する討論

(一般会計予算・市税条例改正・福祉医療改悪に反対、土地信託に関する議案に賛成

(2012.3.23)
日本共産党伊丹市会議員団 上原秀樹

 ただいま議長より発言の許可を得ましたので、私は日本共産党議員団を代表して、議案第28号「平成24年度伊丹市一般会計予算」、議案第52号「市税条例の一部を改正する条例の制定について」、並びに議案第57号「伊丹市老人等医療費の助成に関する条例および伊丹市子育て支援のための医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例の制定について」に反対、議案第70号「市有地の信託の変更について」に対しては賛成の立場から意見を述べます。

平成24年度伊丹市一般会計予算

 はじめに、議案第28号「平成24年度伊丹市一般会計予算」についてであります。

 来年度を迎えるにあたっての国民・市民のくらしに関しては、政府の統計でも、2011年の雇用者報酬が10年前に比べて約20兆円も減少、労働者賃金は年平均50万円減少し、家計消費も前年比1.1%減という苦しい状況が続いています。伊丹市においても、今年の所得状況では、給与が2.3%、事業所得が1.98%と対前年比で減少し、法人市民税でも均等割り、法人税割とも前年を下回っています。

 このように景気が落ち込み、格差が拡大する中、民主党の野田政権は、「社会保障と税の一体改革」と称して、消費税を2015年に10%に増税する法案を成立させようとしていますが、国民の暮らしを大きく圧迫し、景気を冷え込ませ、日本経済をどん底に突き落とすとともに、財政破綻も一層ひどくするものとなることは間違いありません。

 提案されています2012年度の伊丹市一般会計予算は、歳入・歳出660億円で、前年対比6.1%の増とするものです。しかし、借換債や第3セクター関係費用を除くと601億円で、3.4%の減となります。個人市民税では市民に対して年少扶養控除の廃止等によって約3億4,500万円の増税をするものですが、法人市民税と償却資産税とともに、リーマンショック前と比べて約29億円の減少のままとなるとされており、市民のくらしや中小零細業者の営業は依然として厳しい状況が続くことが予想され、このことから伊丹市においては、一層暮らしを守る施策が求められることになります。

 一方、普通交付税と臨時財政対策債の合計は、市税が約2億4000万円減少し、扶助費が約3億円増となっているにもかかわらず、実質前年とほぼ同額となっています。この点では地方財政計画においても、社会保障関係費の自然増における地方負担分を、給与関係費と投資的経費の削減によってつじつまを合わせただけのもので、その反映といえます。給与関係費に関しては、政府の「集中プラン」で大幅削減を誘導し、地方ではこれ以上減らすことができないところにあります。このような財政計画を見る限り、一般財源は総額確保したとはいえ、実際には歳出削減路線を伴っており、小泉内閣による地方交付税の大幅削減はいまだに回復できていません。

 国に対して、自治体が「住民の福祉増進」という役割を十分発揮できるだけの一般財源の保障を強く求めていただきたいと思います。

 本予算の問題点について述べます。

 第1に、同和問題についてです。伊丹市は同和教育・啓発を推進していますが、その理由として、「人権に関する意識調査」から、「居住の敬遠」と「結婚問題」で20%台から30%台の人が同和問題に関する人権問題が起きていると思うとされたこと、またのその原因を「社会全体に残る差別意識」とする回答が40%近くあったことから、同和問題は解決されていないためとされています。しかし、そのような差別の実態はほとんどありません。にもかかわらず、「意識調査」でそのような結果が出ることにこそ、いまの同和教育・啓発の問題があります。かつての部落問題に関して、正しい知識を得るための学習が必要なこともあります。問題は、伊丹市の同和教育・啓発の出発点が「いまだに差別意識が根深い」という認識にあることです。「差別意識は根深い」ことを強調することは、市民が正しい認識を持つことができなくなるとともに、旧関係住民の気持ちも逆なですることになります。このことは、人権教育指導員に、同和問題に関して、部落解放同盟のメンバーが4人入っていることにも起因します。ただちに同和問題の解決の展望を市民に示し、同和教育を終了することを求めます。また、かつてのいわゆる「同和住宅」の一般対策化に関しても同様です。早期に解決することを求めます。

 第2に、福祉医療助成において、助成対象者を削減する問題です。予算の上でも、重度の身体・知的・精神障がい者に対する医療費助成では、2%の60人が、また子育て支援のための医療費の助成おいては、22,463人のうち4.8%の1,070人が対象から外れることになります。伊丹市は、他市に先駆けて子どもの医療費助成を充実してこられました。このことは評価をするものですが、他市においては、県の改悪に従わず、現行を維持する自治体があるとともに、保護者の経済的理由により子どもが医療を受けることができない事態をなくし、安心して子育てができるように、入院、通院とも中学校卒業まで無料化が広がっています。福祉医療助成対象者の削減は、その流れに逆行するものです。

 第3に、PPP(官民共同)基本方針策定の問題です。伊丹市は、公共施設の効率化・効果的な整備や維持運営に資するため、PFI事業に関して、その導入基準や手続き、体制などを取りまとめるとされるとともに、さらに市場化テストなども検討するとされました。しかし、PFIに関しては、近江八幡市立総合医療センター等の破綻で明らかになったとおり、民間事業者の利益が優先され、高金利負担となり、いつ発生するか分からない修繕費用の前倒し支払い、中間業者が介在するというPFIの制度的欠陥性などが問題となっています。一時的な費用負担軽減のため、市民のための公共財産を安易に民間にゆだねる手法はやめるべきです。

 第4に、伊丹市立高校(定時制)の阪神昆陽高等学校校舎への移転並びに、定時制高校統合負担金9,000万円の問題です。来年度はその初年度に当たるため、改めて問題点を述べておきます。定時制の移転に関しては、多くの反対の声や不安がありながらも、移転の決定を急いだこと、すでに施設整備費に約3,000万円支出し、来年度、施設使用料932万円、送迎業務委託料1,150万円など新たな負担をしなければならなかったこと、そして生徒の通学時間の調整や今後の留年生徒への対応策など様々な困難を抱えた生徒に精神的な負担を押し付けることなどです。また、統合負担金に関しては、来年度から4年間合計3億6,000万円支出するもので、学校教育法や地方財政法に違反する可能性もあるとともに、違反しないとすれば何のための負担金か不明のまま負担するという性格のものです。

 来年度、困難を抱えながらのスタートになると考えますが、定時制は、小・中学校時代に不登校経験のある生徒や中途退学者など、さまざまな入学動機や学習暦のある生徒が学んでおり、伊丹市教育委員会がその生徒の教育を受ける権利を保障する上で、来年度からの3年間、全力で支援をしていただきたいと思います。

 また、統廃合完了後の問題では、県立高校に移管した以上県教育委員会の方針で運営されるもので、答弁にあったとおり、教育内容を伊丹市教育委員会と県教育委員会で協議できるものではありません。伊丹市立定時制高校の伝統を市内外に発信する上では、「定時制教育の記録」などの冊子をつくることを提案します。検討をお願いします。

 次に評価すべき点、並びに要望すべき点について述べます。

 第1に、国民健康保険事業に対して、来年度も4億2,500万円を補助するとともに、国の制度ではありますが、後期高齢者医療制度における人間ドッグ助成事業が行われることです。本会議でも求めましたが、国保への一般会計からの補助に関しては、次年度以降、新たな仕組みをつくり、増額していただきたいと思います。

 第2に、子育て支援に関して、神津認定子ども園整備事業では、神津まちづくり協議会や幼稚園・保育所関係者との協議を積み重ねた設計に基づき、建設工事が始まります。認定子ども園にはさまざまな解決すべき問題は残されていますが、伊丹市が責任を持つ公立園であることから、子どもの立場に立って打開していただき、神津地区のまちづくりの核となり、子育て支援の拠点となるよう努めていただきたいと思います。また、「詰め込み」保育の解消、待機児童解消に向けて認可保育所誘致に全力をあげていただきたいと思います。

 第3に、「協働の指針」の策定については、新たに市民が主体となったまちづくりを実現するものとして期待するものです。地域には、孤独死や貧困の広がりによる困難など様々な地域問題がありますが、それらの問題を協働で解決できる力量を高めていくことが求められています。地域には自治会などの地縁組織をはじめ、様々な団体・組織があります。これらの多様なまちづくりの主体が、行政の公共性を前提として、行政と対等な関係の中で、それぞれの特徴を活かしながら、連携・協力して共通の目標を達成するために力をつくす仕組みをつくることは、住みよい地域づくりに大きく貢献するものと考えます。地域問題解決の手段として必要な協働関係を構築することができるような指針となることを要望します。

 以上、主なものしか触れることはできませんでしたが、これ以外に様々な要望を本会議、委員会で行いました。早期に実現することを求め、反対の立場からの意見とします。

市税条例の一部を改正する条例

 次に、議案第52号「市税条例の一部を改正する条例の制定について」であります。

 本条例案の問題の第1は、付則第9条において、2013年1月1日以降支給の退職所得に関して、個人市民税の10%税額控除を廃止しようとしていることです。廃止によって約1000万円の増税となるものです。

 問題の第2は、付則第24条を新設することで、全国緊急防災・減災事業の財源確保を名目に、個人市民税の均等割を500円引き上げようとしていることです。このことによって、86,000人に対して、4,300万円の増税となるものです。個人市民税の均等割は、就業者数に照らしてそのほとんどが納税義務者となっており、所得の低い人にも負担を課すものです。応能負担こそ税制の基本であり、低所得者に負担を強いる個人市民税の均等割引上げに財源を求めるべきではありません。しかも、引上げ期間は10年間であり、恒久的な増税措置になりかねないものであります。さらに、全国レベルでいえば、住民税均等割の引上げによる地方税の増税は被災自治体の住民にも及ぶものであり、被災者支援に反するものと言わなければなりません。
 よって本条例案に反対するものです。

伊丹市老人等医療費の助成、子育て支援のための医療費の助成

 次に、議案第57号「伊丹市老人等医療費の助成に関する条例および伊丹市子育て支援のための医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例の制定について」です。

 本条例案は、重度の身体・知的・精神障がい者に対する医療費助成に関して、また、子ども医療費助成制度における乳児以外の医療費助成に関して、助成を受ける保護者等の所得要件を、主たる生計維持者から世帯合算に変更しようとするものです。このことによって、先ほど一般会計予算で述べたとおり、多くの助成対象者が削減されます。

 伊丹市は、所得制限に関しては、県の制度に合わせていくということが方針であるとされていますが、神戸市や明石市、芦屋市、宝塚市においては今回の県の制度見直しに合せず、いままでどおりの所得制限として対象者を削減しない方針です。もともと伊丹市も県の行革による医療費助成削減に反対していたことから、削減しない方針を貫くべきです。

 主たる生計維持者の所得と世帯合算の場合の矛盾を解消に関しては、所得制限の上限を引き上げることなどによって矛盾解消による助成対象者削減をしない措置を考えるべきです。さらに、入院医療費助成等県の制度に上乗せしている制度に関しては、県の所得制限に合せる必要はありません。

 よって、本条例案に反対するものです。

市有地の信託の変更

 次に、議案第70号「市有地の信託の変更について」です。

 本議案は、信託の目的に「処分」を加えることで処分型の信託に変更し、処分に対する信託報酬を、売却代金収入に1000分の30を乗じてえた額に100分の105を乗じて得た額にしようとするものです。

 旧伊丹市役所で、後に社会経済会館となった伊丹市中央3丁目406番8の土地に関して、伊丹市は、1989年(平成元年)3月24日に、当時の三菱信託銀行株式会社(現 三菱UFJ信託銀行株式会社)と土地信託契約を締結し、現在に到りました。

 当時の「市有地の信託について」の議案に対する党議員団としての態度は、国の信託に関する法律改定は民間活力導入政策の一環として行われたものであること、公共財産は住民全体の公共的利益のために使われるべきもので、民活の名による民間企業の営利の具にしてはならないこと、将来の担保も不明確なものであることから反対しました。

 1989年度予算審議における党議員団の委員会質疑の中で、当時の市長は「リスクはあろうとも、挑戦していくことが必要」「危険ばかり感じておっては、発展はありえない」と答弁され、将来の破綻の危険性を承知の上で土地信託の契約に踏み切っています。当初予定した伊丹市に対する信託配当累計は、34億2,400万円、固定資産税・都市計画税の累計10億7,100万円と合せて、約45億円が30年間で伊丹市に入ってくるというものでした。一方、信託報酬は3億1,100万円、銀行利息は約20億円とされ、民間企業の営利も保障していました。

 ところが、右肩上がりのバブル期が30年も続くはずはなく、危惧していたとおりの事態となりました。この間、伊丹市が受け取った信託配当と固定資産・都市計画税の合計は、2010年度末で12億3,470万円にとどまり、一方で、銀行に対する利息は12億5,400万円、信託銀行への信託報酬は1億3,300万円で、合計13億8,700万円となり、伊丹市が受け取った金額より多く、民間企業の営利の具とされてきたことはいうまでもありません。

 いま、明らかに信託事業は破綻しました。このことは、リスクを見込んだ上での信託事業決行に対して、また、「官から民へ」「民間活力の導入」「民間のノウハウを活かす」などと、公が果たすべき「住民の福祉向上」を民間にゆだねてきた路線そのものに対して、その問題点と限界が明らかになったといえます。
 今回提案されている処分型信託への変更によって、何よりも市民の大切な財産を失うことになります。信託の出発点と今日までの経過における当局の責任は重大といわざるを得ません。この件に関して、本会議・委員会の中で様々な議論が交わされました。しかし、このまま継続すると、空いている床が埋まる保障はなく、たとえ埋まったとしても終了時までのリスクは背負い続けなければならず、さらに家賃の引き上げの展望もないまま推移することとなり、傷口は広がり、最終的に受益者である伊丹市が、その債務を負担することになります。

 したがって、党議員団としては、本議案における処分型信託への変更を是とするものであります。

 なお、信託銀行が行う入札に当たっては、伊丹市として、透明性が確保されるあらゆる手段を指示されることを求めて、賛成の立場からの意見とします。

 議員各位のご賛同をお願いしまして、討論とします。