2019年9月議会 上原秀樹:代表質問

2019年9月議会 代表質問

2019.9.17
日本共産党議員団 上原秀樹

1.総務省「自治体戦略2040構想研究会」報告に対する市長の見解を問う

 総務省の設置する「自治体戦略2040構想研究会」から、昨年の4月に1次、7月に2次の報告が出され、すぐに第32次地方制度調査会への諮問に引き継がれました。この「構想研究会」の戦略目標は、「人口縮減時代の新たな社会像の構築、基本施策の開発、自治体行政の大胆な書き換え」であり、その中身は市町村行政のフルセット主義からの脱却、スマート自治体への転換、「圏域」単位での行政の推進です。

 急速に進む人口減少社会への対応、持続可能な地域・自治体づくりは、喫緊の課題であり検討が必要なことは言うまでもありません。問題はその報告、中身、進め方が正しいのかどうか、検討する必要があります。これに対しては様々な諸説がありますが、問題と思われる点を取り出し、市長にその見解をうかがいたいと思います。

 一つは、「2040年頃に迫り来る危機」と言っていますが、これらはすでに提起され、「地方創生」政策として伊丹市も含めて国も自治体も一定の対策を講じています。報告書はその努力や成果を考慮せず、「危機」ありきで今から自治体のあり方を大胆に「書き換える」先取り的な改革が必要と提起しています。福島県相馬市長は「地方創生にがんばろうとしている努力に水を差す以外何物でもない」「努力の成果も検証できないうちに2040年にはダメになるからという議論は適切か」と提起しています。

 二つには、「「迫り来る危機」を強調し、政府側の戦略・手法に沿った全国画一的な対応を上から押し付けようとしていることです。熊本県嘉島町長は「上からの押し付けではなく、選択可能な制度や仕組みを準備することが重要だ」と提起しています。

 三つには、スマート自治体への転換、自治体の執行体制のスリム化(半減化)です。報告書では、2040年ごろには現在の半数の職員でも業務に対応できるようにする」「AI・ロボティクスによる自動処理」ができるようにするとしていますが、自治体の事務・事業の性格、内容を踏まえた検証が必要です。安倍政権の狙いは、自治体・公務の民営化、外部化、産業化の推進であり、すでに様々な手立てが講じられ、各地で問題となっているところでもあります。

 四つには、人口減少・少子高齢化の問題についてです。日本の出生率低下は以前から指摘されてきました。政府は幼児教育・保育の無償化を打ち出しましたが、消費税増税とセットです。1993年1.66から2010年2.0に上げたフランスや1999年1.5から2010年1.98に上げたスェーデンのように、なぜ日本の場合は家族給付や出産・育児と就労支援の両立支援など、若い世代の生活実態に寄り添った措置を講じて、計画的、系統的に改善を図ってこなかったのか、このことが今日の「危機」を作り出しています。一方、各自治体では子どもの医療費無料化など様々な施策や住民参加の取り組みで、持続可能な自治体に向けて努力をしています。このことに目を向けず、国民の税金をアメリカいいなりで武器を爆買いする一方で少子化対策には十分な税金を使わず、規模のメリットやサービス提供の効率性をことさら強調し、小規模自治体の自治の機能、役割、権限を縮減し、再編を迫るのは本末転倒です。

 いずれにしても、この報告は今後の自治体のあり方をめぐって重大な問題を提起していると思います。市長はどうお考えでしょうか。見解をお聞きします。

2.財政問題について

 2018年度決算による各種基金残高を見ますと、財政調整基金は73億600万円で標準財政規模に対して17.8%、公債管理基金は20億5,700万円、公共施設等整備保全基金は50億6,100万円となっています。順調に、ほぼ計画通りに基金の積み立てをしてきたとされますが、市庁舎の建設費に加え市立伊丹病院の建て替えも重なり、行革プランの財政計画に新たな問題が生じることになりますが、このことに対する認識についてお伺いします。

3.2018年度予算審議で問題点として指摘した主な事業から

1)幼児教育施設の再編について

 2017年度から2018年度にかけて、公立幼稚園と保育所の統合再編が市民の間で大きな議論となりました。結果として修正された再編計画が可決されるとともに、この計画を策定するにあたって市民から「施策の進め方が拙速すぎる」「さらなる説明を求める」との請願が提出され、採択されました。このことを踏まえ、市長は、このことを真摯に受け止め、これら請願や常任委員会で可決された付帯決議について、その趣旨を尊重しつつ施策を進めるとされました。当初予算における市長のこの提案説明通りに進めてきたのかということです。付帯決議の主な内容に関してお聞きします。

 一つは、「市民への説明責任を果たすために、伊丹市幼児教育推進計画に固執することなく市長も含めた当局と保護者、地域住民等で十分協議すること」についてです。当局は昨年度、説明責任を果たすといって各小学校区では2回にわたって説明会を開催されました。しかし、協議という形式ではなく、当局が説得する会議になっていたのではないでしょうか。付帯決議での「推進計画に固執することなく」「十分協議すること」を市長は尊重されたのでしょうか。

 二つには、「公立幼稚園が閉園となる場合、跡地は教育、子育てのために活用すること」ですが、この点では跡地利用については教職員、保護者、地域住民との協議を十分行うことが要望されていました。十分協議されているのでしょうか。教育委員会があらかじめ跡地利用を決め、説得されることはないのでしょうか。

 三つには、「3歳児の希望者全員が幼稚園に入園できるようにすること」「特別に支援が必要な子どもは、全員が身近な幼児教育施設に入園できるようにする」ことです。見通しはどうでしょうか。

 四つには、「施行日は当該地域の関係者の声を聞くとともに、当該地域の保育ニーズまたは幼児教育ニーズを的確に把握したうえで決定すること」です。施行日は7月1日に決められました。関係者の声を聞き、保育・幼児教育のニーズを把握されて決められたのでしょうか。

2)教職員の働き方、教員の増員について

 党議員団は、当初予算への討論で、一昨年11月の調査によって月当たりの時間外勤務が教諭で45時間の厚生労働大臣告示を超えるとともに、管理職では「過労死ライン」といわれる月80時間以上を上回る実態が明らかになったことから、その改善を求めるとともに正確な勤務時間の把握、35人、30人学級の実現を国にも要求することなどを求めました。また12月議会では、日本共産党の提案を具体的に示す中で、答弁では、伊丹市における時間外勤務は、月当たり小学校で39時間、中学校で82時間、教頭も80時間を超えていること、このことに対して伊丹市として「学校における働き方改革基本方針」を策定し、様々な取り組みすることで、2020年までに月45時間以内の時間外労働をめざし、2020年までに現在の時間外労働時間を20%削減するとされました。小中学校におけるこの間の働き改革の成果はどうでしょうか。何よりも、子どもに向き合う時間を増やすことができるような改革となっているのでしょうか。お伺いします。

 党議員団は、教職員にとって子どもに向き合う時間を増やし、教員としての初心が生かされ、働き甲斐のある職場にするためには、学校における有効で具体的な改善を徹底して行うとともに、教職員の定数改善、教職員の増員が最も重要であるとして、このことを要求してきましたし、教育委員会も同様に国に求めています。しかし安倍政権は十分この声に応えていません。

 さらに、党議員団は小・中学校における非正規の教職員よりも正規の教職員を増員することも求めてきました。現状での正規の教員と非正規の教員の数はどうなっているのでしょうか。この5年間で見ると正規の教員の割合は増えたのでしょうか。お聞きします。

 また、働き方改革改善のためにも全国学力テスト、市独自の学力テストの廃止も求めてきました。毎年毎年同じような学習状況調査をして全国平均に一喜一憂、テストの問題に対しては平均点にも一喜一憂し、その出題傾向と対策が出されるということをされていますが、当たり前のことが書かれているようです。毎年しなければならないのか。数年に一度、抽出調査で十分ではありませんか。改めて見解を伺います。

4.市立伊丹病院と近畿中央病院の統合再編について

 この問題に関しては毎議会、過去5回の質問を行ってきました。先の6月議会では、①救急医療や高度急性期医療を担う病院の必要性は認めながら、病床数は別として二つの病院を残し、連携によって地域医療を充実させること、②2040年までは入院医療需要は増加すること、県の医療構想でも急性期病床数は現存させて、その後回復期等への転換の必要性に言及していることから、二つの病院の病床数約800床は減らすべきではないこと、③統合等の連携後の経営主体は地方独立行政法人とされる可能性があることから、議会の関与がなくなること等の問題点を指摘し、質問しました。しかし、近畿中央病院・公立学校共済組合との協議中であること、病床数は医療需要調査の結果によるものとして、明確な答弁はありませんでした。
 そこで今回お聞きすることは次の点です。

①この間、地域への説明会、シンポジウムを行ってこられましたが、それらを通して、当局は市民の要望をどう捉えたのでしょうか。

②医療需要調査の方法について6月議会でもお聞きをし、レセプトデータや両病院の診療報酬データを活用して患者数の分析を行うとの概略は答弁いただきましたが、将来の医療需要の予測はどう調査されるのでしょうか。調査方法を具体的にお示しください。

③6月議会では、地方独立法人化について、議会の関与がなくなることを指摘しました。すなわち、3年以上5年以内の中期目標に関しては市長が定めて議会の議決は必要ですが、中期計画は市長への許可、年度計画(予算)は市長への届け出、決算にあたるものは市長に提出するとともに議会には報告だけとなり、明らかに議会の関与は極端に減少することになるのではないでしょうか。

④10月には両病院との協議の中間報告をされるとお聞きしています。どこまで協議の内容と市の考えを明らかにするのでしょうか。
 以上のことに対する見解をうかがいます。

5.外国人労働者受け入れと自治体の役割、多文化共生政策について

 昨年12月に外国人労働者政策を大転換する出入国管理及び難民認定法改正が成立し、今年4月に施行されました。いわゆる特定技能制度を規定する同法の法案は、具体的な制度内容の大半が省令にゆだねられるとともに、現在の外国人労働者の労働基準法や最低賃金すら守られていない過酷な働かせ方に対する反省も改善策も不十分なまま、政府が資料として提出したデータの根本的な誤りや改ざんが指摘される中での強行でした。

 大きな問題を残して施行された法律ですが、いずれにしましても、海外からの労働者とその家族は全国的に増加する傾向にあり、現在でも、市内に約50カ国、約3,200人の外国人が居住され、この人たちに対する様々な支援が行われており、今後、より充実した取り組みが必要です。

 第5次総合計画の中の「多文化共生のまちづくりと国際交流」の中で、外国人市民の審議会委員への登用、多文化共生の教育、利用しやすい相談体制や情報提供、災害時等での情報提供等が盛り込まれています。そこで、今後多文化共生政策を充実していくうえで、次の点をお聞きします。

①市民・事業者(企業)・ボランティア団体などと協力して外国人市民に関わる施策などを体系化して推進していくために、改めて「多文化共生社会推進方針・計画」を策定する必要があるのではないでしょうか。「社会的包摂」の立場で、市民と一緒に方針・計画をつくることが、市民の理解と協力も増えることになります。

②その際、伊丹市の歴史的経過から在日コリアンが多いことを踏まえ、ここでも改めてその歴史的経過も明らかにして「内なる国際化」の方針を明記することが必要です。特に政治の上で韓国、北朝鮮との関係が複雑化されているもとで、市民との交流は大事です。

③今年度のことば蔵における多文化共生事業はどうだったか。また、今後伊丹マダンの位置づけをどうされるのでしょうか。
 以上、お伺いします。

6.情報公開条例と公文書管理のあり方について

 国において、森友学園や加計学園問題や陸上自衛隊南スーダンPKO派遣部隊の日報問題、裁量労働制データー、毎月勤労統計不正など、安倍政権のもとで、政権にとって都合の悪い文書の公開を拒否し、さらには公文書の違法な隠蔽、改ざん、破棄、ねつ造が行われてきました。国民に真実の情報を公開することなくして、民主主義は成り立ちません。

 情報公開制度は、何人からの請求にも、政府が保有するすべての情報を原則として開示する制度です。それは、国民の知る権利を保障すると同時に、政府に対してその諸活動について国民に説明する責任を課すものです。すでに情報公開法と公文書管理法が制定・施行され、公文書を「国民共有の知的資源」と位置付け、行政機関に「政策決定過程を記録に残すこと」を義務づけています。

 伊丹市における公文書管理はどうでしょうか。伊丹市は「伊丹市情報公開条例」において、市民の知る権利の尊重、公文書の公開を請求する権利の保障が明記され、第22条では「この条例の適正かつ円滑な運用に資するため、公文書を適正に管理する」とされています。伊丹市は「伊丹市公文書取扱規則」を定めておられますが、情報公開条例と連動した公文書の位置づけが不足しているのではないかと考えます。

 国における公文書管理法は、公文書を「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」と位置付けたうえで、「現在及び将来の国民に説明する責務」を果たすため、行政機関が「経緯を含めた意思決定に至る過程」を「合理的に跡付け」「検証する」ことができるよう文書を作成することを義務付けています。そこで次の点をお聞きします。

①伊丹市においても、国の公文書管理法を参考に、公文書の位置づけをきちんと明記し、市民の知る権利の実現の趣旨も併せて「公文書管理条例」を策定してはどうでしょうか。

②行政機関の職員が職務に関して作成・取得した文書、記録、データなどはすべて行政文書として位置づけられているでしょうか。もしそうでなかったら、その位置づけを行い、公文書として公開の対象にすること。

③公文書の保管期限が切れる際、破棄する文書を公開し、市民のチェックを受けるようにすること。

④行政機関に設置されている審議会、専門委員会、ワーキンググループ、今回の病院再編に関わる協議事項等はすべて議事録に記録し、市民がインターネット等で閲覧できるようにすること。

 以上、見解を伺います。

7.国民健康保険事業について

 国民健康保険は、加入世帯主の4割が年金生活者などの無職、3割が非正規労働者で、低所得者が多く加入する医療保険です。ところが、平均保険料は、4人世帯の場合、同じ年収のサラリーマンの健康保険料の2倍になります。

 全国知事会、全国市長会、全国町村会など地方団体は、加入者の所得が低い国保が、他の医療保険よりも保険料が高く、負担が限界になっていることを「国保の構造問題」だとし、これを解決するために、公費投入・国庫負担を増やして国保料(税)を引き下げることを国に要望し続けています。

 伊丹市の国保加入世帯も、所得のない者16.1%をはじめ、年所得150万未満の世帯が60.9%を占め、その世帯では滞納世帯の74.7%を占めるに至っています。国保税は4人世帯、年収360万円、これは保育の無償化に伴う副食費免除世帯に重なりますが、その世帯で年間約44万円の課税となり、とても払いきれる金額ではありません。 日本共産党は、さらに1兆円の公費投入増で国保料(税)を協会けんぽの保険料並みに抜本的に引き下げ、国保制度を立て直す改革を提案しています。

 そこで次の点をお聞きします。

①国・県へ、公費投入・国庫負担を増やして国保料(税)を引き下げることを要望されているのでしょうか。要望されながらも国が実現できない理由はどこにあると考えているのでしょうか。国が県単位化に移行する際、3400億円を公費投入されましたが、この金額は自治体が法定外繰り入れを行って高すぎる国保料(税)を抑えるためのもので、この金額を公費投入しても、高すぎる国保料(税)は下がりません。

②応能割保険料に、多子・母子・障がい者などの独自の減免制度を、応益割保険料に子どもの均等割り保険料軽減を行うことを求めるものです。

③保険料を納付することによって生活保護基準以下になる場合の軽減制度を求めます。

 以上、見解を伺います。

8.介護保険事業について

 2018年度は、第7期介護保険事業計画が始まった年であり、介護保険料の引き上げに加えこれまでの訪問型基準緩和型訪問サービスに加えて基準緩和型通所サービスを導入し、さらに所得が一定額を超える高齢者の利用料負担を2~3割に引き上げてきました。高齢者世帯においては年金の金額が引き下げられ、その上に介護の負担も増やされれば、生活費が圧迫され、受けたい介護サービスも受けづらくなってしまいます。

 厚労省の見通しによれば、給付削減の改悪がこれだけ繰り返されるもとでも、現在、全国平均で月5,500円である65歳以上の介護保険料は、2025年には月8,100円にまで引き上がります。保険料・利用料の高騰を抑えながら、制度の充実や基盤の拡充を図り、本当に持続可能な制度とするには、公費負担の割合を大幅に増やすしかありません。

 日本共産党は、介護保険の国庫負担割合をただちに10%引き上げ、将来的には、国庫負担50%(公費負担75%)に引き上げることを提案しています。

 そこで次の点をお聞きします。

①基準緩和型サービスの実態(生活援助ヘルパー等)についてです。決算報告書によりますと、要支援1,2の人は18年度決算では2,771人、要介護認定者に占める割合は30%となっています。この人たちへの介護サービスが介護保険給付から外され、介護予防・日常生活支援総合事業へと移行されました。このことによって全体として介護報酬(主に人件費ですが)はどのくらい引き下がったのでしょうか。また、実態として生活援助ヘルパーが足らなくて通常のヘルパーを派遣されているところが多いと聞いていますが、そのことによる介護報酬引き下げで介護事業所の経営が圧迫されているとお聞きします。その実態をどう認識されているのでしょうか。

② 高齢者のサービス利用をはばむハードルとなっているのが自己負担の重さです。ところが、安倍政権は、高齢者の利用料負担を2~3割に引き上げるなど、利用者負担増の改悪を連打してきました。
 これらの改悪を撤回し、利用料の軽減・免除をすすめることが求められています。住民税非課税世帯など低所得者の利用料を免除する国の制度をつくり、経済的な理由で介護を受けられない人をなくすこと。施設の食費・居住費負担の軽減をすすめ、自己負担から保険給付へと戻していくことが必要です。
 また、高齢者の3人に2人は住民税非課税であり、65歳以上の介護保険料(第1号保険料)の負担が生活圧迫の大きな要因となっています。
高齢者本人や家族の貧困が深刻化するなか、国に対してこれら利用料・保険料の軽減措置を求めるとともに、低所得者に対して利用料・保険料が軽減・免除となるよう、市独自の利用料軽減制度をつくることを求めます。
 以上に対する見解を伺います。

9.加齢性難聴者への支援について

 聴力が規定以下で身体障がい者の認定を受けた場合、障害者総合支援法によって補聴器購入時に補助を受けることができます。ただし、認定される規定聴力は高度難聴レベルなので、軽度・中度の難聴では障がい者と認定されません。児童の場合は中程度の難聴であっても、市町村が実施主体となる補聴器購入時の補助制度があります。

 高齢者の加齢による難聴はほとんどの場合、規定聴力に該当せず、法による補助の対象外となりますが、近年、高齢者人口の増加や生活状態の悪化の中で、購入時の補助を実施する自治体も生まれています。

 高齢者は、70歳代の男性の23.7%、女性では10.6%、80歳代では男性36.5%、女性は28.8%の人が難聴者となっているといわれています。難聴になると家族や友人との会話が少なくなり、会合出席や外出の機会が減り、コミュニケーション障害がおこるとされています。さらに、認知機能低下が、正常聴力の人より32~41%の悪化がみられています。現在14.4%しか補聴器をつけていないとの推計もあり、理由の一つが補聴器の価格です。補聴器は3万円くらいから30万円以上のものがあり、平均で15万円と、「価格が高すぎる」との声が多くあります。そこでお聞きします。

①市内における加齢性難聴者の実態を当局はどう把握されているでしょうか。
②検診項目への追加による初期段階からの対応が必要と考えます。
③伊丹市として、補聴器購入助成制度創設を求めます。
 以上、見解を伺います。

10.若者の力をまちづくりに生かすために

 少子高齢化の進行、人口の減少が進む中で、自治会活動等地域の課題解決に困難な側面が生じてきています。その中で、次世代を担う若者が、まちづくりにおいて自らの力を発揮する姿も出てきています。伊丹市においても様々なイベント・行事に企画から携わって力を発揮されています。

 一方、18歳からの選挙権が始まり、高校等における主権者教育も様々な取り組みがされてくるようになりました。しかし、若者全体としての投票率は低い水準で推移しています。

 このような状況で、全国では「若者会議」「若者議会」などという名称で、主権者としての若者の参加を基盤に、若者の視点からまちの現状や将来について議論や提案を行い、時には実践も行うとともに、まちのあり方に決定権も与えるという取り組みが出ています。愛知県の新城市では2015年に若者条例・若者議会条例が制定されています。「若者議会」は、市長の諮問機関としておおむね16歳から29歳の委員20人以内で組織され、任期は1年(再選可能)という形で組織され、そこで提案された施策には年間1000万円程度の予算がつけられるというものです。その中で、教育ブランディング事業が生まれ、小中学生に、若者議会から主権者教育を働きかけるということにも波及しています。そのほかの自治体では自治体のそれまでの取り組みに合わせて創意工夫がされているようです。そこで次の点をお聞きします。

①伊丹市において、「若者会議」若しくは「若者議会」を設立し、若者の提言を市政に反映する仕組みをつくったらどうでしょうか。権利主体として自分が活動する社会に参加し、自分たちが望むまちのあり方を意見表明し、決定に影響を及ぼすしくみです。この取り組みは小中学生の主権者教育にも結び付く可能性もあります。
 見解を伺います。

2019年6月議会 上原秀樹:議案質疑 請負契約

2019年6月議会 議案質疑

2019.6.25 
日本共産党議員団 上原秀樹

議案第71号から75号 請負契約を締結することに対する質疑

 議長の発言の許可を得ましたので、ただいま上程となりました議案第71号から75号まで、請負契約を締結する5議案に対する質疑を行います。

 議案第71号は伊丹市立労働福祉会館大規模改造工事を株式会社林建設と、72号は伊丹商工プラザ大規模改修工事を株式会社染の川組と、73号は伊丹市立笹原小学校大規模改造(第2期)工事を株式会社浜田組と、74号は伊丹市立西中学校大規模改造(第2期)工事を株式会社染の川組と、75号は伊丹市立こばと保育所移転整備工事(建築工事)を株式会社染の川組と、それぞれ請負契約を締結しようとするものです。

 議案第71号は入札参加企業が5社で、辞退が3社、結果として2社による競争によって97.5%の落札率で落札、もう1社は99%の金額の入札です。72号は入札参加企業が6社で5社が辞退、結果として1社のみの入札で90%の落札率で落札。73号は入札企参加企業が6社で4社が辞退し、結果として2社による競争となり、86.6%の落札率で落札、他の1社は100%の金額の入札でした。74号は入札参加企業が5社で4社が辞退し、残る1社のみの入札で100%の落札率で落札。75号は入札参加企業が6社で4社が辞退し、結果として2社の競争となり、86.5%の落札率で落札、他の1社は95.8%の金額の入札でした。

 今回の請負契約の議案の特徴は、入札参加企業が極めて少ないことと同時に辞退する企業が多いこと、さらに入札の金額が高いことです。公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律における「適正化の基本となるべき事項」には、「公正な競争が促進されること」とされていますが、一定数以上の企業の参加により公正で適正な競争入札が確保できるものと考え、次の点をお聞きします。

①それぞれの議案ごとに、入札参加企業の対象となる企業数は何社だったのか。
②公正・適正な競争性が確保されるためには何社くらいの参加が必要と考えるか。
③入札参加企業が少ないこと及び辞退する企業が多い背景には、どんな事情があると考えられるのか。
④入札の金額が予定価格そのものか、もしくは予定価格に極めて近い金額となっていることについて。普通、入札の金額が予定価格に近い場合は落札する確率は極めて低くなるものですが、なぜこのような事態になるのか、その背景にどんな事情があると考えられるのか。

 以上に対する答弁をお願いし、1回目の発言を終わります。

(2回目)

〇答弁をまとめると、企業は重複しますが、5議案すべて合計すると入札参加対象企業は163社でそのうち市内企業が38社(23.3%)、市内企業のうち入札参加企業は25社で、うち17社の約7割が辞退されている。市外企業はすべて辞退。
また、公正・適正な競争性が確保されるためには、応札可能業者を20社以上に設定されているが、結果として5社から6社の参加にとどまっている。

〇これらの結果は、入札の結果に問題があるというわけではないが、建設業者が発注者の期待通りにはいかない事態にあるということを示している。その背景には、工事の発注量の増加したことに伴う技能労働者不足、下請け企業や協力企業の不足があると答弁。

・ここには、10数年に及ぶ若年者の建設業への入職回避に起因があるとされ、主な要因は2013年に大幅な労務単価の引き上げが行われたが、依然として技能労働者の雇用を重曹下請けの小零細業者が担い、その業者自身の経営が疲弊し、雇用すら維持できない状況に陥っていることがあげられている。

・若年者の入職促進には、標準的な生活水準を維持できる賃金への大幅引き上げ、生涯を託せる安定した雇用、ものづくりに喜びを感じることができる技能育成・教育システムづくりが必要であるともいわれている。

・全国的に入札不調や辞退企業の続出等の状況が続く中で、公共工事の品質確保の促進に関する法律が2014年改正された。その議論の中で、地域建設業の疲弊、下請け業者へのしわ寄せ、労働者の就労環境の悪化を品質確保の立場から改善すべく発注者の責務を明確にした。今回の入札結果を踏まえ、発注者の責務が十分果たされているのかどうか判断するため、この結果の背景に技能労働者不足、下請け企業や協力企業の不足があると答弁されたことを踏まえ、この法律の第7条「発注者の責務」からいくつかお聞きしたい。

①第1項では、品質確保の担い手の中長期的な育成及び確保に配慮するとされ、第1号で、そのための適正な利潤を確保することができるように予定価格を適正に定めるとされている。今回の入札では比較的高い金額で入札される企業が多いことから、東京オリンピックの影響も含め、労務単価や資材等の取引価格の変動に的確に対応できているのかどうか、見解をお聞きする。

②第1項第3号では、その入札金額によっては公共工事の適正な施行が見込まれない契約となる恐れがあると認められる場合の基準または最低制限価格の設定の必要な措置を講ずるとされている。伊丹市の場合の最低制限価格の設定は、2017年4月に改訂され、現場管理費の割合を0.8から0.9に、一般管理費の割合を0.3から0.55にするとともに、最低制限価格の予定価格比率の上限を10分の8.7から10分の9に変更された。この点は一定の評価はできる。一方、国土交通省は今年の3月、地方自治体にダンピング対策の徹底を促すため、低入札価格調査基準等を「70-90%」を「75-92%」に引き上げ、これを踏まえて最低制限価格の適切な運用を地方自治体に要請している。現在伊丹市の場合、「70-90%」だが、今回の入札までにはその見直しはされていない。最低制限価格の金額及び算定方法を見直す必要性をどう考えるのかお聞きする。

③次に、先ほどの二つの質問にも関係するが、予定価格や最低制限価格の算定方法を自治体が定める場合、国による地方自治体の公共工事における交付税単価および補助金単価は、実情に合った適正な単価になっているのかどうか、お聞きする。

④第1項第4号では、計画的に発注するとともに、適切な工期を設定するとしている。伊丹市の場合、年度中に予定される公共工事を、工期も含めて公表されていることから、業者にとっては公共工事の全体像は明確になっていると思われる。その工期を定めるにはどのような方法で決めるのか、また今回の議案では、学校の大規模改造工事を除けば、契約金額が1億5千万円から10億8千万円までと工事の規模にかなりの開きがあるが、同じ9か月の工期に設定されている。労働福祉会館の大規模改造工事にはより多くの下請け業者や職人が集中して必要になる。下請け業者や協力業者が不足しているのではないかとの見方をされている中で、9か月間の工期設定は適切であったのかどうか、この設定によって入札に参加する企業数に影響はなかったのかどうか、お聞きする。一方、今回の契約案件5議案のうち、3議案において同じ業者が落札されており、しかも入札価格が予定価格で落札されている議案もあることから、設定された工期に不安の残るところだが、この点でも見解をお聞きする。

 以上で質疑を終わる。

2019年6月議会 上原秀樹:議案質疑 補正予算

2019年6月議会 上原秀樹:議案質疑 補正予算

日本共産党議員団 上原秀樹

1.議案第56号 令和元年度伊丹市一般会計補正予算(第1号)について

一般会計補正予算のうち、第10款教育費、第6項幼児教育費、第1目幼児教育総務費の子育て支援事業費について伺います。

 本予算の内容は、国の幼児教育無償化の実施に伴うシステムの導入及び、保育所入所選考にかかる事務にAIを導入しようとすると説明を受けました。

1)国による無償化のためのシステム改修は、国の10/10の補助率による「子ども・子育て支援事業費補助金」によって行われるとされていますが、実際には
10/10となっていません。AI導入経費を除いたシステム改修費の内訳と補助金の対象となる内容はどうなっているのか、そこに差額が出るのは伊丹市が独自に無償化を先行してきたことと関係があるのかどうか等、どのような事情があるのかお伺いします。

2)今回の補正予算で、保育所入所選考作業および保育所入所選考結果通知の早期化を図るため、新たにAI(人口知能)を導入するとしています。今まで職員が直接保護者から実情を聞いて対応されていましたが、どのように変わるのか、その具体的な内容と効果についてお伺いします。

2.議案第60号 伊丹市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例の制定について

 本条例改正の理由は、家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準の一部を改正する省令が施行されたことによるものです。

1)第7条第2項について

 第7条第2項の規定では、家庭的保育事業等の職員の病気等によって代替保育が必要となる場合でも、連携施設の確保が著しく困難な場合、1号、2号の二つの条件をすべて満たすときには連携施設の確保を免除できるという規定です。改正前と改正後の違い「適用しないことができる」と改正後「適用しないこととすることができる」の違いは何でしょうか。お伺いします。

2)第7条第4項について

 新たに追加された項目ですが、家庭的保育事業等においテ3歳未満児の保育が終了した後、保護者が希望する場合には連携施設において受け入れ保育・教育を行うことになっていますが、連携施設の確保が困難な時、この規定を適用しないこととすることができるとされています。連携施設がない場合にハ3歳以上の保育ができなくなる可能性が危惧されますが、なぜこのような規定が新たに設けられたのでしょうか。お伺いします。

3)第7条第5項について

 この項目も新たに追加されたものです。ここでは、家庭的保育事業者等は第1号、第2号に規定するもので、市長が適当と認めるものを、3歳未満児保育終了後の受け入れとなる連携施設を確保するものとなっています。なぜ第1号、第2号の施設がこのような規定とされるのでしょうか。お伺いします。

3.議案第64号 伊丹市乗合自動車乗車料条例の一部を改正する条例について

 本条例案の提案理由は、消費税及び地方消費税の税率改定に伴うほか、所要の改正を行うとされています。

1)第3条の改定について

 今回の消費税増税に伴う改定として、普通券は据え置きとなりました。一方、IC回数カードの改定では、現在、大人が乗車する場合、2,000円のカードが11回分、5,000円で28回分、7,000円で40回分乗車できることとなっていますが、改定案では、2,000円で10回分余り100円、5,000円で26回分余り140円、7,000円で38回分余り20円となります。いずれも消費税8%から10%への増税分以上の改定となります。また、定期券の改定案でも、例えば大人1か月定期券で、現在8,400円を8%で割り戻して10%をかけると、四捨五入で8,556円となり、改定案8,700円と比べて144円の増額となっています。

 これら消費税増税に伴う改定案の金額の根拠をお聞きします。

2)第5条の改定について

 第1項第3号の改定で、アとイに2分割した理由と現行が保育所の通園のみとなっているのを、認定こども園を加えた理由についてお聞きします。
4.議案第70号 伊丹市新庁舎整備工事の請負契約を締結することについて
1)落札者等を決定するに至る経過について

①技術提案事項評価方法審査における選定委員会(学識経験者)からの意見はどのようなものがあったのか。

②第2次審査における入札価格の確認では最低制限価格の設定は行わないこととされていた。今回の落札者の工事における入札価格は、予定価格に比べて77.5%と通常の一般競争入札における最低制限価格に比べてかなり低額となっている。品質等における課題はなかったのか。また、低入札価格調査基準価格を予定価格の70%とした理由について伺う。

③総合評価審査である第2次審査における選定委員会(学識経験者)の意見に関して、本工事の入札説明書には、選定委員会における入札参加者に対するヒヤリング等における発言・回答内容は、提案書類における提案内容と同様の扱いとし、本事業の契約上の拘束力を持つものとして取り扱うとされている。落札者への発言・回答内容に関して伺う。
④総合評価一般競争入札においては、落札者を決定するうえで審査の中立性・公平性の確保が重要となるが、どのように担保したのか。
⑤落札者が実施設計、建設工事を行うとき、評価項目ごとの履行確認はだれがどのようにしていくのか。

1.議案第56号 令和元年度伊丹市一般会計補正予算(第1号)について

○ 保育所入所選考作業および保育所入所選考結果通知の早期化を図るために新たニAI(人口知能)を導入することについてお聞きした。今まで保護者から保育の必要性等様々な条件を聞き、点数をもとに手作業で施設に振り分けていたところを、AIによってわずかな時間で振り分けができ、早く通知ができるということ。ただし、決定通知を保護者が受け取った後、入所の調整は対面で行うこととなると思います。
  そこで、今までの手作業による入所の振り分けとAIによって出された結果との食い違いは当然出てくると思われますが、どう修正できるのか。また、今まで入所の振り分けの理由を保護者に説明されていたのを、AIの場合はどうされるのか。

2.議案第60号 伊丹市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条
例の一部を改正する条例の制定について

○ 今回の条例改正は、あくまでも国の省令の改正に従ったものであるとの答弁。
  第7条ノ第4項、第5項に関しては、家庭的保育事業等における連携施設の確保が全国的に進んでいないことから、第5項で企業主導型保育事業と地方公共団体の補助を受けている認可外保育施設を連携施設として確保することを前提に、連携施設の確保を求めないことができるとしたものと答弁。市内の家庭的保育事業等は、小規模保育と事業所内保育の2種類の保育事業所が存在していると認識している。

  この省令の改正は、全国的に保育所待機児童の解消が進まない中で、3歳未満児を対象とする家庭的保育事業等を増やしたものの連携施設の確保も進んでいない。そこで今回の第7条第5項で、今まで認可保育所で連携施設を確保していたものを、新たに企業主導型保育事業と地方公共団体の補助を受けている認可外保育施設を追加したもの。しかし、これらいずれの施設も保育者の一定数は正規の保育士でなくてもよいという規制緩和された保育事業であるため、安心して預けることができのかどうか危惧するところです。保育所待機児童の解消は認可保育所の増設しかない。

 そこで、伊丹市における家庭的保育事業等における連携施設確保の実態と連携の状況、市内における企業主導型保育事業と地方公共団体の補助を受けている認可外保育施設を連携施設の実態について伺う。

3.議案第64号 伊丹市乗合自動車乗車料条例の一部を改正する条例について

○ 消費税引き上げに伴う料金改定は、前回消費税が8%に引き上げたときに料金改定を行わなかったIC回数カードと定期券に限って料金改定をするという答弁。

 特別乗車証を除く有料券種の乗車料収入に占めるIC回数カードと定期券の割合は、約42%になる。消費税増税によって負担は増えることにはなるが、前回と比べれば値上げの対象は減少するとともに、ICカードと定期券の場合は減少するとはいえプレミアムがついているので影響はないと思うが、市内の他社のバスとの関係も含めて乗車人員への影響をどう見ておられるのか。

伊丹民報2019年4月 上原ひでき版

 『伊丹民報2019年4月 上原ひでき版』はこちら(PDF)

【1面】

子どもから高齢者まで みんな輝く伊丹市を

○みなさんと力を合わせて実現しました
○重点政策
・市立伊丹病院と近畿中央病院の存続で安心できる地域医療を
・子どもの医療費無料に/保育所待機児童ゼロに
・国保税、介護保険料の引き下げを
【4面】
伊丹から“安倍政権NO”の審判を!
・消費税増税ストップ
・ストップ安倍9条改憲
・沖縄新基地家つん説にNO
・原発ゼロの日本へ

【2・3面】
○市立伊丹病院と近畿中央病院の存続、充実を
 2つの病院を守るため日本共産党は提案します
 ①必要な病床数の調査と両病院における確保連携
 ②「回復期」病床の一定数の確保
 ③公的、効率病院として存続

・アンケートご協力ありがとうございました
○みなさんと一緒に実現します

2019年3月議会 上原秀樹:代表質問

2019年3月議会 上原秀樹:代表質問

2019年2月16日

日本共産党議員団 上原秀樹

1.市長の情勢認識を問う

1)今年10月からの消費税10%増税について

  市長は、来年度予算の提案説明の中で、本年10月に消費税が10%に引き上げられることについて言及されました。

 しかし、安倍政権による消費税引き上げに関しては、毎月勤労統計の不正・偽装問題で、10%増税の根拠としていた景気判断そのものが誤っていたことがはっきりしました。すなわち、この不正調査によって、2018年の実質賃金がかさ上げされていた問題で、実質賃金の増減を前年と同じ「共通事業所」で算出すると、年間平均マイナス0.5%となったことが明らかになったことです。さらに、総務省「家計調査」の2人以上世帯の実質家計消費支出の推移をみても、8%増税前の2013年平均363.6万円から18年平均が338.7万円と、年額約25万円も落ち込んでいます。

 その上に、増税に伴う政府の景気対策も複雑怪奇で、複数税率によって買う商品、買う場所、買い方によって税率が5段階にもなり、混乱と不公平を広げる支離滅裂なものです。加えて、インボイス制度は、500 万もの免税業者が取引から排除されかねず、中小業者・商店は死活的状況に追い込まれることになります。日本商工会議所や日本スーパーマーケット協会など中小企業団体もこぞって批判、反対をしています。安倍内閣の官房参与であった藤井聡京大大学院教授は、「消費税は社会保障にというのはデマ」「 増税は日本経済を破壊する」と中止を訴えています。私たちが扱っている市政アンケートにも「年金が毎年のように下がり、その上に消費税増税などとんでもない」との声がたくさん寄せられています。

 市長は消費税増税をめぐるこのような事態に関してどのような認識をお持ちでしょうか。市民生活と市内中小企業・商店に国に対して10月からの10%増税中止を求めるべきと考えますが、合わせて見解をお聞きします。

2)安倍首相の9条改憲と自衛官募集事務への協力

 安倍首相は憲法9条改憲に執念を燃やしています。安倍首相の2月10日の自民党大会での演説などで「新規隊員の募集に対して都道府県の6割以上が協力を拒否している」などとしたことで、13日の衆院予算委員会で野党に質され、安倍首相は「自衛隊は違憲ではないと言い切る学者が2割に満たない中で、ある種の空気が醸成されてきた」「自衛隊を憲法に明記させることによってそういう空気は大きく変わっていく」と、憲法9条改憲の狙いについて語りました。警察も消防も重要な行政機関ですが、これらの機関に自治体は新規採用のための名簿は提出していません。自衛隊に名簿を提出しなかったら「非協力」だと非難し、だから憲法を変えるという、こんな乱暴な話はありません。市長はこのような事態にどのような見解をお持ちでしょうか。お伺いします。

 一方、伊丹市の場合、2011年から2016年まで電子データによって15歳の子どもも含めて対象者の名簿を提供していました。この問題で質問もしましたが、当局は、自衛隊法第97条と同法施行令第120条の規定によるものと答弁されましたが、この政令はこれはあくまでも防衛大臣の任意による自治体への資料提供の依頼であること、また住民基本台帳法にも資料提供の規定はないことから、私は自治体がその資料を提供する義務はないと主張したところです。答弁で述べられた、自衛隊法施行令第120条の規定は、地方自治法施行令における法定受託事務とされている点につきましても、単なる依頼に過ぎないことに対応する自治体の事務が法定受託事務だから依頼があった時にはこれに応じる義務があるということなはなりません。このことに対して、当時の石破防衛庁長官が国会質問に答えて「私どもは依頼しているが、応えられないということであれば、いたしかたない」とされ、協力義務はないとされていることからも明白です。この点に関して改めて見解をお聞きします。

2.市立伊丹病院と近畿中央病院の統合を視野に入れた共同調査について

 昨年設置された「市立伊丹病院あり方検討委員会」の報告書は、市立伊丹病院は近畿中央病院と統合し、高度急性期医療に対応できる500から600床規模の阪神北圏域における基幹的な病院を目指すべきとされました。そして来年度、伊丹市はこの報告を受け、市立伊丹病院と近畿中央病院の統合の可否を判断するために伊丹市と公立学校共済組合が共同して調査研究を実施するとし、調査費用9,900千円を公立学校共済組合と折半し、4,950千円を計上されています。

 そもそも全国的に病院の統合とベッド数削減が行われている背景には、安倍政権による病床の供給を減らすことによって入院患者を減らし、入院医療費を抑制するという方針があります。すなわち、安倍政権は高齢化のピークとなる2025年までに本来必要とされるとしていた152万床から33万床減らし、119万床にするというもので、すべての都道府県に地域医療構想を策定させ、その実現のためにガイドラインを打ちだしています。しかし、厚生労働省の発表した資料によれば、現在、全国の一般病院の病床数は約135万床で、国会での答弁通り本来ならば2025年までに17万床増やさなければなりません。高齢化のピーク時に入院できない人などは介護施設や在宅医療へと押し流す方針ですが、在宅医療については、往診を行う開業医の減少や高齢化、が問題視されていますし、2025年に245万人が必要となる介護職員も、33万人ほど不足する見通しがなされています。つまり、介護施設や自宅ですら、患者をどれほど受け入れられるかは、不透明なのです。安倍政権の下での医療費削減政策は、さらなる介護難民、医療難民を生み出すことになります。

 兵庫県の地域医療構想では、2025年には現状より入院病床を662床減らす必要があるとし、阪神北圏域では122床の減少を、阪神南圏域では390床増やすものとなっています。最近この二つの県域が統合されそれぞれが「準圏域」とされましたが、阪神北準圏域が減らされ、阪神南準圏域に回されるとの懸念が寄せられています。

 このような国による病床削減、県の地域医療構想に沿ったものとして出されたのが今回の「報告書」であり、党議員団は、地域医療を守るために、二つの病院の存続と充実を求めるものです。

 党議員団はさっそく「市立伊丹病院と近畿中央病院の統廃合を考えるシンポジウム」を開催し、「報告書」の内容を伝えて市民の声を聞きしました。その多くが二つの病院が一つになり、病床数が減らされることへの不安の声であり、南部地域から総合病院がなくなる可能性への不安の声でした。そして、近畿中央病院と東京にある公立学校共済組合の本部を訪問して近畿中央病院を残してほしいという地域住民の声を伝え、要望書を提出するとともに、懇談をしてきました。内容は、二つの病院の存続と充実の方向で協議を進めていただきたいという趣旨です。

 そこで、来年度、伊丹市が公立学校共済組合と調査研究を進めていくとされていることから、次の点をお聞きします。

①調査研究の内容について

 調査研究の内容について、医療需要調査をするとのことですが、その方法はどのようにされるのでしょうか。県の地域医療構想の数字は、単純に現状の入院受療率を2025年の人口推計にあてはめただけで、高齢化率を十分考慮したものとは言えません。また、慢性期病床については、療養病床の入院患者のうち最も症状が軽いとされる患者の7割を在宅に移行させるというものです。しかし、慢性期病床の患者の中には、重度意識障害やがんターミナルなどの重症者も多く含まれ、本当に必要な病床数を明らかにしたものではありません。より正確な推計が必要です。医療需要調査の方法をうかがいます。

②統合の可否を判断するための調査というが

 統合の可否を判断するための調査というが、「報告書」が統合を目指すべきとされたことは必ずしも市民の多数の声とは言えないものです。検討委員会に二人の市民委員が入っておられたということですが、市民を代表した意見ではなく、あくまでも一市民委員としての意見です。また、アンケートをされていますが、このアンケートで「統合」についての問いでは、「適切な医療水準を維持するために必要なのであれば近隣との病院との統合も視野に入れるべき」との選択肢であり、他の選択肢を見てもこの項目が一番多くなるのはあらかじめ予想されたものです。「統合」を前提の調査検討とか、視野に入れたとかいろんな言い方をされていますが、調査研究をするとされるならば、現状維持も含めた4つのパターンのそれぞれメリット、デメリットを明らかにし、「統合」を前提とせず、市民的な議論をする必要があると思いますが、見解をうかがいます。

③統合する場合のデメリットについて

 統合する場合のデメリットについて。「検討委員会報告書」の中で、公立と公立学校共済組合という設置主体の異なる病院同士の統合となり、経営統合にかかる調整(経営形態の検討や理念の統一化など)が必要となる」とされています。具体的にどんな検討が必要となるのでしょうか。

④検討委員会の実施について

 検討委員会の実施についてですが、検討委員会メンバーをどうするのでしょうか。両病院の共同調査だが、この検討委員会、もしくは別の方法で市民の意見を改めて聞くことは考えているのかどうか、見解をうかがいます。

3.高すぎる国民健康保険税の引き下げ

 来年度の国保税に関しては、歳入不足が見込まれる約8,000万円について、2018年度決算剰余金と財政調整基金を活用することで、保険税率を引き上げないこととする国保運営協議会の答申に基づき、国保税の引き上げはなくなります。これで、6年連続増税はしていないことになります。

 しかし、依然として国保税は被保険者に重くのしかかっています。もともと国保加入者は所得の低い世帯が多く、伊丹市の昨年度の決算の数字を調べたところ、所得のない世帯が全体の24.5%を占め、所得100万円以下が47.9%、所得200万円以下で72.6%を占めています。その所得200万円以下の世帯で滞納している世帯が、全滞納世帯の84.5%を占めていることから、払うに払えない国保税の実態を示しています。

 たとえば、夫婦と子ども一人の世帯で、年間給与収入300万円(所得192万円)の世帯の場合、年間の国保税は364,200円に、子ども二人の場合は2割軽減で358,600円になります。月額給与25万円の世帯(所得では月額160,000円)で年10回、子ども二人の場合毎回35,800円を払わなければなりません。国保税だけではなく他の公共料金もありますから、生活できる収入ではなくなります。子ども3人で毎回38,600円。子どもが一人増えるたびに年間27,800円加算されますから、子育て支援に逆行する仕組みです。このような過酷な仕組みであることから、全国的にはいくつかの自治体で、子育て支援の立場から子どもの均等割りを免除、もしくは減額しているところも出てきています。伊丹市でも制度を創設したらどうでしょうか。

 東京の清瀬市では、2018年度から所得300万円以下の世帯で、第2子以降の子どもの均等割りを半額にする減免制度を始めています。申請減免ですが、対象世帯には通知を出すことにしています。申請減免なので、財源は一般会計からの繰り入れによるものと思われます。

 また、宮崎市では、2018年度から基金を活用して一人当たり14,900円、1世帯当たり22,600円、国保税を引き下げています。

 伊丹市の場合、国保会計に財政調整基金が約20億円あります。この基金のあり方に関して、国保運営協議会で一定の考え方をまとめておられますが、高すぎる国保税を引き下げることに使ったらどうでしょうか。一人当たり1万円の国保税引き下げを求めるものです。

 子どもの均等割りの減免制度創設と合わせて見解をうかがいます。

 そもそも国保税が高すぎて払えない制度になっているのは、加入世帯の対象が低所得階層であるにもかかわらず、国が自治体の国保会計に対する補助金を大幅に削減したことが原因です。全国知事会も「国庫負担増額」による抜本的な引き下げを国に求めています。2014年の全国知事会社会保障常任委員長の栃木県知事が、約1兆円あれば協会けんぽ並みに保険料を引き下げることができるという試算を示し、引き下げを要望しています。「公費1兆円」「協会けんぽ並み」という「規模と水準」を初めて示したことが当時の「国保新聞」に報じられました。

 日本共産党は、この全国知事会の「規模と水準」を支持し、公費1兆円で「均等割」と「平等割」の応益割をなくし協会けんぽ並みの保険料にすることを、財源も併せて提案しています。伊丹市でいうと、先ほど示したモデル世帯年間収入300万の世帯で、現行364,200円が186,000円になります(協会けんぽ170,928円)。伊丹市長としてもこの「公費1兆円」「協会けんぽ並み」を国に要求したらどうでしょうか。見解をうかがいます。

4.子ども・子育て支援について

 市長は2018年度の伊丹市民意識調査の結果から、「住みやすい」と回答された方が85%を維持し、「住み続けたい」と回答された方は87.5%と高い割合になったことをあげられました。「住み続けたい」とされた理由は、77.6%が「日常の買い物が便利である」を選び、全世代すべてで第1位となっています。第2位は「通勤・通学などの交通の便が良い」をあげ、これもほぼ全世代で2番目となっています。

 一方、「子育てしやすい環境がある」を選択した30から40歳代の方は29.6%、「教育環境が充実している」とした同年代の方は10.8%に過ぎません。また、市の施策の満足度における同年代の上位5位には子ども施策が入っていないことなどは気になるところです。また、子ども・子育て支援に関する調査結果によれば、子育てしやすいまちだと思わない理由として、「その他」を除いて第1位が「保育所、幼稚園などに空きがない」が42,7%となっており、1番多い「その他」の中では、「医療費助成が少ない、所得制限がある」などが挙げられています。

 そこでお伺いします。

①子どもの医療費無料化

 先ほどの調査結果とともに、「今後力を入れていくべき」の項目でも、「子育てにかかわる経済負担の軽減」が一番を占めています。その背景には、アベノミクス経済対策で就労における非正規雇用の広がり等によってこの間実質賃金が減少していることがあります。伊丹市が全国に先駆けて幼児教育の無償化をおこなったり、来年度予算の中で保育料軽減の提案がされたりしていることには評価をしますが、一定充実したとはいえ子どもの医療費無料化には背を向けたままです。再三にわたって中学卒業までの医療費無料化を要求していますが、子育てアンケートの中にも多くの人が書かれている通り、無料化を実現することが必要と考えますが、見解をうかがいます。

②閉園となる公立幼稚園の跡地利用について

 閉園となる公立幼稚園の跡地利用についてです。来年度予算の中で稲野幼稚園の跡地活用について、児童くらぶと不登校の子どもたちのための適用指導教室に転換するための設計委託料等が計上されました。予算計上までに、地区自治協議会等地元の住民には一切の相談がなく、地域ビジョン作成中の役員にとっては戸惑い以外にありませんでした。

 一方、一昨年来の公立幼稚園の統廃合に関する議論の中で、「公立幼稚園が閉園となる場合、跡地は教育、子育てのために活用するよう努めること」との付帯決議が可決され、市長もこの決議を尊重するとされていました。稲野幼稚園の跡地に関しては、まさに教育、子育てのための利用なので、付帯決議通りになったといえます。しかし、あれほど幼稚園の統廃合で地域住民も含めて議論されていながら、跡地利用について保護者や地域住民に相談なしに決めるものなのか、と疑問を抱くものです。今後はどうされるのでしょうか。お聞きします。

 また、伊丹市独自の幼児教育無償化の財源として財政調整基金を取り崩したことに関して、閉園となる幼稚園の跡地を売却してその穴埋めにするとの方針が出されています。しかし、新たな認可保育所の場所の問題やボール遊びができる公園が欲しいなどの子育て世代からの要望もあり、跡地利用に関する付帯決議を考慮することが必要です。見解をうかがいます。

5.空港問題について

 伊丹空港について、市長は空港需要の高まりへの対応や関西経済の浮揚に向けて、伊丹空港の果たす役割は大きいこと、市民からも国際線就航を希望する声があることから、「伊丹空港の国際化」を県や関西エアポートに働きかけていくとされました。その枕詞には、いつものように「安全と環境の確保を前提としたうえで」との言葉が入っています。

 市民の間では受け止めは様々です。便利になるという人、国際便復活と聞いただけでかつてのひどい騒音を思い浮かべて拒否反応を示す人、環境基準未達成の地域では環境委基準を達成してからにしてという人などです。

 環境基準達成に向けて不断の努力をするという存続協定があるにもかかわらず、騒音値がLdenに変わった2012年からみても、騒音値が減るどころか逆に増えています。環境基準達成に向けた不断の努力がないままに、「安全と環境の確保を前提としたうえで」といって国際便の復活を打ち出しても、多くの市民の理解は得られないのではないでしょうか。見解をお聞きします。

6.児童虐待について

 千葉県野田市の小学4年生の女の子が、父親からの虐待で亡くなりました。その女の子は、父親からの暴力を訴えるSOSを発信していただけに、なぜ命が救えなかったのか、悔やんでも悔やみきれません。児童虐待防止法制定から20年、政府・自治体の対策は取られつつあるものの、以前多くの子どもが虐待の被害にあい、小さな命が奪われている現実はあまりにも深刻です。この事態を受けて法改正の動きも出ていますが、子どもの被害を断ち切るため、各分野での真剣な取り組みが急務となっています。

 児童虐待の疑いがあるとして全国の警察が昨年1年間に児童相談所に通告した18歳未満の子どもの数が、前年比14,673人(22.4%)増え、80,104人となり、過去最高を更新したことがわかりました。通告内容では、「心理的虐待」が全体の71.6%にあたり、児童虐待は犯行が潜在化しやすい傾向にあるともいわれています。

 千葉市での事件の教訓として、児童相談所や教育委員会などの各級機関が、子どもの出しているSOSに気づいていながらも、応えることができずに救済の機会を逃したことです。それぞれの機関に、子どもを守るために必要な基本的な力量が欠けていたとしか言いようがありません。児童相談所の職員が足らないこと、経験と知識を積み上げた専門職としての職員が育っているのかどうかという問題もあります。そこで次の点をお聞きします。

①伊丹市の相談件数と職員数について

 2017年度行政評価報告書によれば、新規児童虐待通告件数が2016年度に392件、2017年度は559件と増加。家庭児童相談室への相談年間相談件数は16年度が801件、17年度は846件となっており、評価では、相談件数の増加や複雑化する相談内容により、対応に時間を要するケースもあったが、適切に対応することができたとされています。対応する職員は、正規のケースワーカーが3人、嘱託職員5名で対応されていますが、継続も含めれば1000人を超える相談に十分対応できるのでしょうか。職員の増員とともに、中でも専門職としての職員を育てるためにも正規職員が必要と考えますが、見解をお聞きします。

②児童相談所等他の機関との連携について

 児童虐待は犯行が潜在化しやすい傾向にあるともいわれており、通告の見極めが大切となります。伊丹市に対する児童虐待の通告をどのような基準で児童相談所に通告され、昨年559件のうち何件通告されたのでしょうか。また、伊丹市では要保護児童対策地域協議会が設置されていますが、潜在化する虐待から子供を救済するうえでどのような役割を果たしているのでしょうか。お聞きします。

③「兵庫県川西こども家庭センター」について

 阪神間の児童相談所である「兵庫県川西こども家庭センター」は伊丹、川西、宝塚、猪名川町を主に所管する相談所ですが、範囲が広く、近年の相談件数の急増に見合っていないと思われます。国も児童福祉司の増員などの体制強化を打ち出していますが、専門性確保のためのスーパーバイザーになる30から40歳代の職員が足らないとの現場の声があり、抜本的に職員体制の強化が必要です。あわせて広範囲の相談所でなく、所管の範囲を小さくしてきめ細かな相談に乗れる体制も必要と考えますが、見解をうかがいます。

7.教育の課題について

 前回教職員の働き方改革について質問をしました。その後、中央教育審議会が答申を出しましたが、異常な長時間労働の解消に必要な教職員増がないなど、不十分な内容に終わりました。教職員の増員は、伊丹市教育委員会も含めて関係者のだれもが一致するところです。中教審の議論の中でも、「持ち授業時間数の上限を」「人材確保、予算確保を」と、多くの委員から定員増を求める意見が相次いで出ていたとの報告があります。にもかかわらず定数の抜本的増が盛り込まれなかったのは、現政権の教育予算の増額につながる提案はさせないという圧力があったと考えずにはおれません。

 一方、教育にとって不要不急な業務の改善は直ちに実行可能なこととして重要です。しかし、定員増なしで現在の大幅な残業時間をなくそうとすると、無理が来ます。「効率」や「時短」だけが声高に叫ばれれば、必要な授業準備や子どもへの丁寧なかかわりが問題視される本末転倒となります。そこでいくつかお聞きします。

①教師の研修権

 教職員は教育の専門家であり、子どもに向き合い、学習権を保障し、子どもの発達を支援する役割があります。したがって、教師の専門性を発揮できる働き方はどういうことなのか、という議論が先にあり、そのために労働時間をこうしましょう、というのが筋です。具体的には、教師の研修権がしっかり認められることです。伊丹市教育委員会はどんな議論がされているのでしょうか。

②教職員の働き方に関する議論も必要では

 教職員の労働条件は、子どもたちの教育条件でもあります。となれば、教職員の働き方をどうするのか、学校の守備範囲をどうするのか、これらを生徒や保護者、地域の人たちと議論しながら、共通の方向性を探っていくことが求められます。そういう意味での意識改革は必要で、学校評価はより開かれた学校にしていくための対話の手段であるべきです。来年度予算提案で、今年度末までに、全小・中・高等学校26校をコミュニティ・スクールとする手続きを終え、その充実を図るとされましたが、ここでの教職員の働き方に関する議論も必要ではないかと考えますが、見解をお聞きします。

③全国学力テスト至上主義ともいえる体制

 伊丹市教育委員会は、全国学力テスト至上主義ともいえる体制をとり、さらに市独自のテストを行っていますが、このことに関する教職員の負担があるのではないでしょうか。なぜ毎年受けなければならないのか、5年に1回でも十分教育の傾向はわかるはずです。働き改革の立場からも検討すべきですが、見解をうかがいます。

④市として可能なところから少人数学級を

 党議員団は、国がやらないのであれば、当面、県の制度として中学3年生まで35人学級の実現を求めています。伊丹市議会も小学校6年生までの35人学級の実現を求めて意見書を県に送っています。少人数学級の実現は、不登校や児童虐待など子どもの困難に対するちょっとした変化にも目が行き届き、スクールソーシャルワーカーなどとも連携した対応をすぐにとることが可能です。子どもの困難な面だけではなく、学びへの支援にもよりきめ細かく支援が可能です。伊丹市教育委員会としては様々な学習・生活支援のための職員の配置は行ってこられていますが、県がやらないのであれば、伊丹市として可能なところから、とりあえず小学校6年生まで少人数学級、35人学級に足を踏み出すことはできないでしょうか、見解をうかがいます。

(2回目の発言)

1.市長の情勢認識を問う

1)今年10月からの消費税10%増税について

○そもそも社会保障の財源確保には消費税増税しかないという発想の貧困。社会保障財源のためといって消費税を創設し、8%まで増税してきたけど、社会保障費の自然増部分は減らされっぱなし。広く負担というけど最大の不公正な税金が消費税。

2)安倍首相の9条改憲と自衛官募集事務への協力

○安倍首相が「新規隊員の募集に対して都道府県の6割以上が協力を拒否している」などとしたことは、自治体の自衛官募集事務の実態を捻じ曲げたものであり、その事実誤認のもとに、憲法9条改憲で自衛隊を明記すれば自衛隊募集事務に協力するようになるとの認識を述べたものです。答弁で「憲法9条改正の問題とは直接つながってこないのでは」とされましたが、安倍首相はそう思っていないのであって、そこに9条改憲の一つの狙いがあることを述べたということ。

○自衛官募集における自衛隊法97条と同法施行令120条の規定に関しては、憲法学者の間でも「そもそも(法律ではなく)政令である施行令により自治体に義務を課し、人権を制約することはできない」「個人情報保護の観点からも、プライバシー権の中核にある自己情報コントロール権に対する侵害になる」という意見があります。答弁で、石破氏の答弁では義務とも任意とも言っていないとされたが、その答弁で、依頼に対して「応えられないということであれば、いたしかたない」というのは、どう読んでも「任意」としか受け止められない。一方、集団的自衛権行使を認めた安保関連法の成立で、「駆けつけ警護」など海外で戦争できる自衛隊に変わった今、個人情報保護の観点、自己情報コントロール権の侵害という立場から慎重に対応しなければならない問題であることを認識していただきたい。

2.市立伊丹病院と近畿中央病院の統合を視野に入れた共同調査について

 そもそも統合には反対だが、あえて調査をするならば、再度の質問をしたい。

1)正確な医療需要調査

○「報告書」では病床数を500から600床とされたが、これにこだわらずに必要な病床規模を調査するという理解でいいのか。

○回復期に関しては、「報告書」ではその500から600床の規模には回復期は含まれず、「統合」後の病院以外で回復期病床の必要性に言及していると思われる。回復期に関しては「注視」するとしか言及しているにすぐない。答弁で、改めて回復期も含めて必要な病床数を分析するとされるが、その結果を反映したうえで「必要な病床の確保に努める」とは、回復期も含めることができるのか、そのことによって二つの病院としてどういうことが想定されるのか、「統合」の可否にどう影響すると考えるのか。

2)統合の可否の判断

○答弁では、全市的な市民の意向を踏まえた検討がされたというが、「検討委員会」に公募市民二人が入ったことと、アンケート調査により全市民的な意向を踏まえた検討がなされたとの認識は間違い。「検討委員会」が非公開であったこと、議事録が2,3か月後に公開されたこともあり、「報告書」が出されたときにほとんどの市民は、統合を前提とした協議が始まることなど知らなかった。「報告書」提出の後で広報等によって知らされたのが現実。市民にとって命に係わる地域医療のあり方の問題なので、改めて何が議論されているのかを知らせ、市民的な議論は必要と考えるが。

3)統合する場合のデメリット

○異なる設置主体同士の「統合」の可否判断になるが、答弁の通りそんな簡単なことではない。まして「統合」となると民営化も視野に入り、市立伊丹病院も近畿中央病院もなくなる可能性もでてくるのではないか。

4)検討委員会の実施

○先ほどの市民の中での議論と重なる。答弁では、今後どのような方法をもって市民の意見に耳を傾け、検討に反映していくか、様々な手法を検討すると。「報告書」を出した「検討委員会」の結果に基づき、今後検討する際には市民の意見を踏まえたものにするということなので、その手法は市民にいち早く知らせてほしい。

3.高すぎる国民健康保険税の引き下げを求める

○伊丹市の基金を活用して国保税の引き下げを行うこと、国に対して均等割、平等割をなくし、協会けんぽ並みにするために1兆円の公費を要求するとともに、伊丹市として均等割の減免制度を創設することを求めました。
 国保税が被保険者の大きな負担となっていることは当局も認めていること。私たちが取り組んでいる市政アンケートでも、市政に望むことの中で「国保税の引き下げ」が43.2%を占めている。今以上負担を増やさないことだけではなく、少しでも負担を減らすにはどうしたらよいのか、もっと考えるべき。会計だけに目が行って、被保険者の暮らしに目が行っていない。

4.子ども・子育て支援について

1)中学卒業までの医療費無料化を

 答弁では、経常経費が約1億5千万円必要なことという財源の問題、一部負担金を設けないことで不要不急の受診行動が促進されること、この二つが中学卒業まで医療費を無料にすることができない理由とされた。

 兵庫県下41市町のうち35市町が中学卒業まで無料化。県下のある市長は「ほぼ義務教育のようになった高校生までは、本来無料であるべきだ。市民の意識改革を進めれば医療費も増えない」と。一方、県内のある自治体の担当者は「助成内容を見て、住むまちを決める子育て世帯がいる。財政的には苦しいが、近隣が制度を拡充すれば、追随せざるを得ない」と漏らす。との新聞報道(神戸新聞)。

 答弁での「不要不急の受診行動が促進される」とのことだが、裏を返せばお金のことで気軽に医療にかかれない世帯があるということであり、無料化によって重症化を防ぐことにもなるのではないか。そもそも「不要不急」かどうかは素人には判断できない。

 答弁ではできない理由二つをあげられたが、財源があっても「不要不急」の受診を防ぐためにやらないのか、それとも財源のめどがつけばできるということなのか。どちらなのでしょうか。

5.空港問題について

○個人質問で服部議員が質問するので。

6.児童虐待について

○伊丹市の相談員は昨年度増員が図られたとのこと。しかし、答弁にもあった通り、子どもだけではなく保護者等の対応もあり、ストレスなどの負担も大きい仕事で、8人で1192人のケースを担当することは相当無理があるのではないかと思う。相談件数も増加傾向にあることから、さらに職員を増員されることを求める。

7.教育の課題について(教職員の働き方改革)

○コミュニティ・スクールについて
 教員は心を砕いて子どもの教育に頑張っている。国が定数改善をしないことから、過労死ラインを超えて働いている。そのことを胸襟を開いて地域住民・保護者と話し合えば、新しい発見はあると思う。地域の人にも実情をわかってもらえる。

○全国学力テスト
 答弁では、学力テストによって教員への負担を強いるものではないと。しかし、心理的な負担はあるのでは。それが日常の意教育にどんな影響があるのか。すべてが学力テスト基準になっていること。

○35人学級
 県・国に対して要望してもなかなか聞き入れてくれないとの答弁。そもそも全国学力テストに毎年50億円使っている。定数改善に回したほうがいいのでは。

2019市政アンケート

伊丹市についての市政アンケートにご協力ください

 日本共産党議員団は、市民の声を直接お聞きして、市政などに生かそうと「市民アンケート」に取り組んでいます。
 市民の暮らしが少しでも良くなるよう、全力でがんばっていきますので、ぜひご協力いただきますよう、お願い申し上げます。

(市政アンケートは終了しました。ご協力ありがとうございました。2019年4月)

※お名前、ご住所などの個人情報はアンケート集計以外には一切使用いたしません。

お問い合わせ
※お問い合わせの受付時間は土・日・祝日を除く 10:00~17:00
〒664-8503 伊丹市千僧1丁目1番 市議会内 日本共産党議員団
TEL:072-784-8114 FAX:072-783-8441

公立学校共済組合(東京)に近畿中央病院存続を要望

公立学校共済組合(東京)に近畿中央病院存続を要望

 2月12日、市立伊丹病院と近畿中央病院の統合に関して、公立学校共済組合(東京)に直接懇談に行きました。地域の「近畿中央病院を残してほしい」という声を届けましたが、伊丹市との協議はこれからなので明確な返答は期待できませんでしたが、こちらの真意は伝えることができました。

 この要望書のダウンロードはこちら(PDF)

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2019年2月12日

公立学校共済組合 御中

日本共産党伊丹市議会議員団
加柴優美(団長)、上原秀樹
久村真知子、服部好廣

近畿中央病院に関する要望書

 日頃のご活躍に敬意を表します。

 さて、伊丹市は昨年、市立伊丹病院と近畿中央病院の連携等を協議する「市立伊丹病院のあり方検討委員会」を設置し、2月5日にその報告書が提出されました。その報告書で「市立伊丹病院は近畿中央病院と統合…をめざすべき」としたことで、市民の間から「近畿中央病院がなくなるのでは」「市内南部から総合病院がなくなると気軽に病院に行けない」との危惧の声が上がっています。その声は、近畿中央病院が公立学校の教職員の健康維持のみならず、地域の医療ニーズに応えるために日夜ご奮闘され、地域にもなくてはならない病院として存続しているからにほかなりません。

 一方、「検討委員会」報告書は、今後検討していく上での留意事項として「市立伊丹病院と近畿中央病院の統合を前提とした協議を公立学校共済組合との間において進めることができるよう調整を図ること」としており、統合を前提とした協議を進めようとしています。

 このような病院の統合再編の動きは全国的に進められており、その背景には安倍政権が進める将来必要な病床を33万床減少させる医療費削減政策があります。必要な人が医療を受ける権利を保障するため、診療報酬の改善も含めた国の政策の転換が必要と考えます。

 つきましては、貴組織が伊丹市と協議するにあたって、下記の点を十分留意していただくようお願いする次第です。

1.近畿中央病院が市内南部地域で地域医療のニーズに応えて果たしてこられた役割を十分認識していただき、存続していただく方向で議論をしていただくこと。

2.したがって、「検討委員会」が統合を前提とした協議を進めるとされていますが、統合によらない方法(連携等)も含めて、地域の医療ニーズを十分踏まえたうえで協議していただくこと。

3.統合を前提とした協議となると、設置主体が異なる病院の統合となるため統合後の病院が地方独立行政法人化等民営化される可能性があります。そうなると、医師・看護師・事務職員等医療従事者の身分や賃金、労働条件に重大な問題が生じることになります。また、市立伊丹病院にとっては公的責任があいまいになり、採算優先でサービスが切り捨てられるとともに、議会の関与・チェック機能が後退することにもなる恐れがあります。

  これらのことも十分配慮した協議をお願いいたします。

市立伊丹病院と近畿中央病院の統廃合を考えるシンポジウム開催

市立伊丹病院と近畿中央病院の統廃合を考えるシンポジウム開催

 2月9日(土)、JEC日本研修センターで市立伊丹病院と近畿中央病院の統廃合を考えるシンポジウムを開催しました。主催は、日本共産党市議団と伊丹市委員会。日本共産党の金田峰生元県会議員・国会議員団兵庫事務所長(参議院兵庫選挙区予定候補)が、誰もが必要な医療を受けられる権利とそれを保障する国、自治体の責任を強調し、病院統廃合の背景にある国の医療費削減と地域医療構想を批判しました。

 上原ひでき市会議員は、「市立伊丹病院あり方検討委員会報告書」の内容や、伊丹病院と近畿中央病院の統合に向けた市当局の動きを報告しました。

 参加者は90人。「統廃合でベッドを減らし、入院期間を短くして早期に病院を追い出した後、患者をどうするのか」「二つの病院を残すにはどうしたらいいのか」「県の構想はどうなっているのか」など、活発な意見や質問が出されました。

 司会は、ひさ村真知子市会議員、かしば優美市会議員が主催者あいさつを行い、服部好廣市会議員が閉会あいさつで「呼びかけ」を読み上げました。
 二つの病院を守り充実させていくためには、4月の市会議員選挙と7月の参議院選挙で日本共産党が大きくなることです。みなさんのご支援をお願いします。

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 この「よびかけ」のダウンロードはこちら(PDF)

市立伊丹病院と近畿中央病院の統廃合を考えるシンポジウム

よびかけ

 伊丹市長が設置した「市立伊丹病院のあり方検討委員会」(「あり方検討委員会」)が、伊丹市民にとってかけがえのない二つの公的・公立病院の統合再編の方向を、報告書として提出しました。

 これに対して、住民から「身近な総合病院が必要」「南部から総合病院がなくなると気軽に病院に行けない」となど切実な声がだされています。
 一方、「あり方検討委員会」の議論がされる中で「市立伊丹病院と近畿中央病院の存続と充実を求める会」(「病院の存続と充実を求める会」)が結成され、住民アンケートの取り組みが進められており、今後署名の取り組みも行っていく予定です。

 二つの病院が統廃合されて一つになり、ベッドが大幅に削減されると、身近で市民の命を守っている総合病院に気軽にかかることができなくなります。

 こうした公立病院の統廃合は兵庫県下全域で行われていますが、進めているのは安倍自公政権と兵庫県政です。

 今日皆さんからいただいたご意見をしっかり当局に届け、病院の統合再編を許さず、市民のいのちと二つの総合病院をまもるために、日本共産党は全力をあげます。

 今年は統一地方選挙、参議院選挙が連続して行われますが、市民のいのちをまもって奮闘している日本共産が勝利することが二つの病院をまもることにつながると確信しています。

 「病院の存続と充実を求める会」が取り組んでいるアンケートと今後予定される署名とともに、二つの選挙での皆様のご協力をこころからよびかけます。

2019年2月9日

市立伊丹病院と近畿中央病院の統廃合を考えるシンポジュ-ム

                       日本共産党伊丹市議会議員団
                       日本共産党伊丹市委員会

「関西3空港懇談会」における大阪空港の規制緩和に関する申し入れ

2018年12月28日

伊丹市長 藤原保幸 様

「関西3空港懇談会」における大阪空港の規制緩和に関する申し入れ

日本共産党伊丹市議会議員団
団長  加柴 優美

 12月24日に開催された「関西3空港懇談会」において、兵庫県知事や大阪府知事、関西経済団体連合会会長らから、神戸と大阪で国際チャーター便を認めることや午後9時以降の着陸における「弾力的運用」、大阪・神戸の運用見直し等が出されたとの報道がなされた。

 このことを受けて25日、藤原市長は記者会見で、国際便チャーター便の提案を歓迎し、大阪空港で段階的に国際線の規制緩和をする必要があると述べ、午後9時以降の着陸の弾力的運用も周辺市で協議するとされた。

 しかるに、大阪空港に関しては、国が存続の結論を出すに際して、住民は「環境基準達成に向けて不断の努力を続けること」を求め、1990年12月の「存続協定」の中にこの文言が明記されるとともに、これを具現化するため1日の発着回数を370便にすること、午後9時から午前7時までに発着するダイヤを認めないこととともに、大阪空港は国内線の基幹空港とすることなどを盛り込み、その後の機能分担の中で国際線は関西国際空港に一元化することとなった。

 その後YS11型機のジェット化、一定の機材の低騒音機への変更等を経たが、この間の「うるささ指数」を見る限り「環境基準達成に向けた不断の努力」は極めて不十分と言わざるを得ない。

 従って、市長らによる大阪空港における国際チャーター便を含めた国際便の復活や、遅延便の9時以降の着陸の「弾力的運用」は気象条件等による例外を除いて認めるわけにはいかない。

 よって、市長に置かれては、大阪空港への国際便の復活等の規制緩和を主張するのではなく、国に対して存続協定を遵守することを求め、「環境基準達成に向けた不断の努力」を具体的に主張されることを強く求める。

日本共産党伊丹市議団ニュース337号を発行しました

日本共産党伊丹市議団ニュース337号

2019年1月1日 日本共産党伊丹市議会議員団

 日本共産党伊丹市議団ニュース337号はこちら(PDF)

【1面】

市民のくらし・福祉をまもり希望ある年に

 新年あけましておめでとうございます。

 皆様には、お健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。日頃より日本共産党に暖かいご支援たまわり、本当にありがとうございます。

 今年は昨年に引き続き、憲法改悪阻止、消費税増税ストップなど各分野の国民運動をいっそう前進させるべき重要な年になります。

 日本共産党議員団はこの間市民要求実現に取り組み、中学校給食の実施、保育所待機児童の解消などさまざまな成果をあげてきました。同時に今年は、市立伊丹病院と近畿中央病院の「統合再編」や「伊丹空港」においては国際線就航などの規制緩和を押し付ける動きが強まることが予想されます。幼稚園3歳児全員入園、年度途中を含む保育所待機児解消、国保税引き下げなど、市民のくらし、環境、福祉、医療を守るために党議員団全力を尽くす決意です。

 さて、統一地方選挙・伊丹市議会議員選挙まで3カ月、参議院選挙まで6カ月となりました。沖縄に続き、野党共闘の勝利と日本共産党の躍進で、国と地方の両面で憲法が生きる新しい政治の扉を開きましょう。

 7月の参議院選挙、比例選挙では日本共産党、兵庫選挙区では金田峰生へのご支援を心よりお願いします。4月の伊丹市会選挙には現職の4人が立候補を予定し、必勝を期して頑張りぬく決意です。

 本年もどうぞよろしくお願いします。

2019年1月    日本共産党伊丹市議会議員団   かしば 優美
                         上原 ひでき
                         ひさ村真知子
                         服部よしひろ

2019年日本共産党新春のつどい

2019年1月18日(金)18:30開演(開場18:00)
いたみホール 6階中ホール

第1部 文化行事 うた(シャンソン)堀田さちこ
第2部 記念講演 党副委員長・参院議員 山下よしき

ご挨拶 党兵庫県国政事務所長 金田みねお
    党伊丹市議会議員

【2面】

市立伊丹病院と近畿中央病院の統合で市民の命が守れるか?

「あり方検討委員会」答申を1月7日提出

「市立伊丹病院のあり方検討委員会」は、市立伊丹病院の建て替えに伴い、近畿中央病院と統合して500床超規模の阪神北地域の基幹病院を目指すべきという「報告書」案を議論、伊丹市が12月14日、議会に報告しました。

この問題点は、
①「検討委員会」が非公開(のちに議事録はHPで公開)で進められている
②市が予測する将来必要なベッド数約1000床を半分に減らそうとする
③市南部から総合病院がなくなる
④二つの病院が個別に建て替えをしないことが前提になっている
など、市民に知らせないままに統合を前提にして議論を進めてきたことです。

 この背景には、安倍政権が必要な医療費を削減するために全国的規模で進める、
病院統廃合によるベッド数削減政策とそれにそった県の「地域医療構想」があります。

 党議員団は本会議・委員会でこれらの問題点を質してきましたが、引き続き市民にこれらの問題を明らかにするとともに、「市民病院、近畿中央病院を守れ」の市民運動と連帯していきます。

12月定例市議会

12月議会での党議員団の議会質問項目を紹介します

かしば優美議員 

1.小学校の英語教育について
2.地域包括支援センターの現状と今後のあり方

上原ひでき議員 

1.学校における教職員を増やし、異常な長時間労働の是正を
2.市立伊丹病院あり方検討委員会について
3.市営住宅の建て替えを求めてきたことについて

ひさ村真知子議員  

1.朝食抜きの子どもが依然として多いことについて
2.公立幼稚園の応募状況と今後の教育の在り方はどう考えるのか
3.スクールソーシャルワーカーの増員が必要ではないか

服部よしひろ議員

1.ごみ分別、充電式電池とプラスチックごみの回収に関して
2.路上たばこ喫煙規制の強化を求める

「伊丹空港」の運用時間や発着回数の枠を広げる規制緩和を許すな!

 -オリンピック、大阪万博開催などを背景に、3空港懇談会開かれる-

 関西、大阪(伊丹)、神戸の3空港について、地元自治体や関西財界が役割分担を話し合う「関西3空港懇談会」が昨年末開催されました。今後来年開催のオリンピック、6年後の大阪万博を背景に、関西経済の浮上を図ることを目的に、3空港の活用策が話し合われ、大阪空港の遅延便受け入れなど運用時間や発着回数の枠を広げる規制緩和を視野に入れた議論が行われました。

 現在、大阪空港は国内線に限定、運用時間は午前7時から午後9時まで、発着回数は370便となっています。これは、大阪空港が「市街地空港」であること、1990年12月の「存続協定」に基づく最小限の規制内容です。

 今後開かれる3空港懇談会において大阪空港の環境・安全性をないがしろにする規制緩和を許してはなりません。

中学3年まで35人学級求める請願が採択!

 12月議会には5件の請願が市民から寄せられました。

夜間中学校の財政助成を県に求める請願 <採択>
治安維持法国賠法を国に求める請願 <否決>
消費税10%増税中止 <否決>
当面35人学級の実現を県に求める請願 <採択>
後期高齢者の窓口1割負担継続求める請願 <否決>

 日本共産党議員団は、そのどれもが市民が求めるものであり、紹介議員となり採択のため奮闘しました。特に、「小学校5年生から中学校3年生まで、当面35人学級の実現を県に求める」請願は僅差で採択が実現しました。

 2019年10月からの消費税10%増税中止を求める請願は、昨年反対した「フォーラム伊丹」が「2019年10月からの消費税増税は反対」として賛成。公明党は「増税しなければ社会保障や子育て支援を削らなければならない」など、破綻済みの理由を並べ反対。僅差で採択には至りませんでしたが前進しました。

 治安維持法国賠法請願には新政会(自民党)が「当時は治安維持法は正しかった」と弾圧法を合理化する暴論を展開し、反対しました。