2017年3月議会 上原秀樹:就学援助制度、マイナンバー、コミュニティスクール

2017年3月議会 一般質問
2017年3月7日
日本共産党市会議員団 上原秀樹

1.就学援助制度の充実を求める

 就学援助制度の充実に関しては、これまでも何度か質問をしてきました。いうまでもなく就学援助制度とは、学校教育法第19条において、「経済的理由によって、就学困難と認められる学齢児童生徒の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない」とされているとおり、生活保護世帯や低所得世帯を対象に小中学校の入学準備費用、学用品費や給食費、修学旅行費などを援助することによって、所得による教育の格差をなくそうという制度となっています。この制度をさらに発展させ、憲法26条でいう国民の教育権を保障するため、以下の質問をします。

1)新入学児童生徒学用品費(入学準備金)について

 2017年度予算では、「要保護世帯」に対する就学援助のうち、新入学児童生徒に対する入学準備費用の国の補助単価が約2倍に引き上げられることとなりました。すなわち、小学生に対する補助単価は現在2万470円が4万600円に、中学生は2万3,550円から4万7,400円にそれぞれ引き上げられます。これは、日本共産党の田村参議院議員が、昨年5月の参院文教科学委員会で、新入学生が実際に購入する学用品費等が実態と大きくかい離している実態を告発して、引き上げを求めていたものです。

 伊丹市はどう対応されるのでしょうか。生活保護費における教育扶助費、教育委員会における就学援助費それぞれについてお伺いします。

2)入学準備金を入学前に支給することについて

 この問題については、以前に質問をし、9月支給から5月支給に変更されています。伊丹市としては改善していただいたのですが、全国的には、入学前に前倒しで支給する自治体が増えています。「朝日新聞」2月4日付けによりますと、少なくても全国の約80市区町村が、入学後から、制服購入などで出費がかさむ入学前に変更していることを報道しています。その方法は、以前にも質問で説明したように、前々年の世帯所得によって支給を決めているのがほとんどとなっており、そんなに難しい話ではありません。

 伊丹市としてどう対応されるのでしょうか。生活保護費における教育扶助費、教育委員会における就学援助費それぞれについてお伺いします。

3)認定基準を元に戻すことについて

 伊丹市は今まで、就学援助の認定基準を、生活保護の生活扶助基準の引き下げに伴い、2014年度は据え置いたものの、2015年度は2014年度の生活保護の基準をもとに引き下げ、2016年度も前年の生活保護基準に従って引き下げる方針を打ち出されていました。しかし、大幅な引き下げであることから、私は本会議・委員会で元に戻すことを求め、2016年度は据え置きとされました。

 しかし、所得基準額の引き下げは、全国的にも貧困と格差が問題となり、所得格差によって生じる教育の格差をなくすための制度として機能している就学援助制度の役割が損なわれてしまうことになります。2016年9月23日付の文部科学省初等中等教育局長「平成28年度要保護児童生徒援助費補助金の事務処理について(通知)」でも、生活扶助見直しに係る就学援助については、「児童生徒の教育を受ける権利が妨げられることのないよう、…生活扶助費見直し以降も引き続き国による補助の対象とすること、…準要保護者の対する就学援助については、その取り組みの趣旨を理解した上で適切な御判断」を求めています。

 伊丹市として、2013年に引き下げられた生活扶助費を基準とした就学援助費の認定基準を、元に戻すことを改めて求めるものですが、見解を伺います。

2.「給与所得等に係る市町村民税・都道府県民税 特別徴収税額の決定・変更通知書」への「共通番号」記載について

 総務省は、今年5月に各事業所に郵送される市町村民税等の「特別徴収税額の決定通知書」に、従業員のマイナンバー(共通番号)を記入するよう市町村に指導しています。しかし、これには3つの問題が生じることとなります。

① 国税庁として、従業員が事業主にマイナンバーを通知しなくても、すなわち提出者本人の番号が確認できなくても事業所の書類は受理するとされていますが、それにもかかわらず事業主と各自治体の間でマイナンバーがやり取りされることとなること。

② 多くの事業所では、マイナンバーの管理体制がきわめて不十分なのが現実であることを多くの税理士が指摘しているが、事業主にとっては、安全管理体制が整っていいなくても、自治体からの郵送によって、一方的にマイナンバーが通知されてしまい、番号が漏れれば厳しい罰則が科せられる可能性が出てきます。また、本人が通知していないマイナンバーを他の社会保険の手続きに利用した場合にも処罰の対象とされてしまいます。

③ 伊丹市にとっても、総務省からマイナンバーに関しては適正な管理運営を助言されており、普通郵便でマイナンバーを送付し、郵便事故により情報が漏えいした場合には、損害賠償されることも想定されます。書留などの特定の郵便で送付する場合には、自治体のコストがかかるという問題が生じます。

 以上3つの問題点に対し、どうお考えなのか、また、特別徴収税額の決定・変更通知書にマイナンバーを記載しないことを求めるものですが、合わせて見解を伺うものです。

3.コミュニティスクールについて

 伊丹市教育委員会は、全市立小中高等学校に、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第47条の5に規定する学校運営協議会を設置し、保護者及び地域住民の学校運営への参画の促進や連携強化を図ることにより、学校と保護者、地域住民等の信頼関係を深め、一体となって学校運営の改善や児童生徒の健全育成に取り組むシステムを整備するとされています。そして、昨年度と今年度、小学校6校、中学校4校をコミュニティスクールとして指定し、来年度はその充実を図るとともに、新たに7校を指定するための準備を行うとのことです。

 全国的には、昨年4月の集計で、公立小・中学校の9.0%、2654校がコミュニティスクールとなっています。2004年に始まったこの制度は、地域によってばらつきがあり、現在の法律に基づく指定校がゼロのところもあるように、必ずしも全国的に進んでいるとは言えません。

① その理由の一つが、学校運営協議会が教職員人事に関する発言権を持っていることが障害となっている問題です。したがって、本来ならば本協議会の3つの権限を協議会設置規定に規定することになるが、全国的には「任用規定」を規定していない例が32%、好調などへの事前意見徴収などを条件づけた例が約30%で、近年、この規定を設けない例が増えているとのことです。

② さらに、2013年の文科省委託研究調査によると、コミュニティスクール指定前と指定後の校長の課題認識で、「管理職や教職員の勤務負担が増える」との認識が、指定前が61.2%、指定後でも51.8%あるとされている問題です。このことは、現在の学校評議員制度や学校地域連携本部、土曜学習等による連携によって地域との連携が取れていることもあり、なぜいま新たな制度を作らなければならないのかという認識にもつながるものと考えられる。

③ 子どもの権利条約実践の観点から、学校運営になぜ子どもの意見を取り入れる機会を、このコミュニティスクール設置事業でつくらないのかという疑問も出てくるのだが。

 以上この3つの点に関しての見解を伺うとともに、この数年間で急速に全小中学校にコミュニティスクールを設置する意義をどう考えたらよいのか、また、今まちづくりを進めるという点では全小学校区で地域自治組織をつくることも行われているが、この地域との関係をどう考えているのか、見解を伺う。

(2回目の発言)

1.就学援助制度の充実

1)入学準備金について

・入学準備金の補助単価が、生活扶助費の補助単価と同額に、すなわち現在小学校2万470円が4万600円に、中学校は2万3,550円から4万7,400円にそれぞれ引き上げられた。しかし、国の予算案が1月30日に示されたため、伊丹市における予算措置ができていない。この件では、子どもの貧困の実態も鑑み、検討すると。

・これは制度的に確立したわけだから、検討するもしないも、引き上げられた入学準備金を支給するしかない。予算化されていないことをどうするかという検討は必要だが。実現の方向で検討していただきたい。

2)入学準備金の前年度3月支給について

・答弁は前回と同じ。就学援助システムの改修が必要と。「就学援助制度の趣旨に基づき」と答弁があったが、先ほど紹介した2016年9月23日付の文部科学省初等中等教育局長「平成28年度要保護児童生徒援助費補助金の事務処理について(通知)」でも、入学準備金の支給に関しては、各費目について児童生徒が援助を必要とする時期に速やかに支給することができるよう十分配慮すること、とされている。援助が必要とする時期とは、入学に必要な物品の購入に充てる時期であり、入学前に支給するのが当然。

・伊丹市の場合、中学校では制服等全部で6万円から7万円の費用負担。低所得者にとってはこれを立て替えると生活費を大きく圧迫することになる。ぜひ早期に実現を。

3)就学援助の認定基準を元に戻すこと

・この件は、やっと元に戻していただいた。

・今後、就学援助制度がさらに充実し、所得の格差によって教育権が侵害されないように。

・就学援助制度は子供の貧困対策の一つ。貧困対策法では、子どもの貧困対策は自治体の責務とされている。このことを子ども施策の中心に置いた政策を求める。

2.「給与所得等に係る市町村民税・都道府県民税 特別徴収税額の決定・変更通知書」への「共通番号」記載について

◎まず大前提として、この通知書にマイナンバーを記載し、郵送することは、重大な個人情報の大量漏えいが危ぶまれるということ。番号の記載は中止することを求める。東京都・中野区では、昨年の11月、「通知書」に番号を記載しないこととし、市が保有する納税義務者にはアスタリスクを印字するとした。

① その上に立って、せめて従業員が事業主に個人番号を提出しない場合、伊丹市からの特別徴収額の決定通知書にその人の個人番号を通知するのはやめたらどうか。

・伊丹市は、法令に基づき国から番号を記載して通知書を送付することを「指示」されている。

・しかし、一方、番号法は個人に対して番号の提出を強制する規定はない。

・さらに、番号を提供しないことに対する不利益はない。

・そういう中でどうするのか。答弁では、本人が番号を提供したのか否かは要件とされていないことから、その番号を記載して通知することは問題ない、とされた。

・本人の考え方によって番号を提供しないということは当然ありうること。これは、マイナンバー制度に対する信頼の問題もあろうかと思う。提供しなくても不利益は受けないことになっているということもある。

・これらのことから考えると、「個人の人格的な権利利益」を侵害するという可能性を考慮し、番号を提供していない個人の場合、番号欄にアスタリスクを印字する方法ととることができないのかどうか。報道を見れば、東京都内の約50%はこの方法によるとされている。検討していただきたいと思うが、いかがか。

3.コミュニティ・スクール

1)職員の任用に対する意見(質問)

・全国的にこの事業を進めるうえでの妨げとなっている要因の一つ。しかも出される意見は全体の15.9%で、英語の免許を持った教員を配置してほしいなどの一般的要望がほとんど。「こういう先生がほしい」などの要望はどこの学校でもあり、教育委員会がそのすべてに応えることなどできない。国会で法律の改正案が審議されるというが、その内容も発言権を制限できる規定を置くとのこと。

・任用に対する意見という規定は必要なのか。全国的にも「任用意見がない」というところが32%存在する。どうしてもこの規定がなければならないのか。いらないのではないかと思うが、いかがか。

2)学校支援地域本部などとの関係(要望)

・以前の答弁で、学校支援地域本部は約600名の登録があり、学習支援や環境支援、図書支援などが行われていると。しかしこの活動はあくまでも学校支援というものであり、地域の活性化を視野に入れるなら、コミュニティ・スクールは学校、地域、家庭が対等の立場で、一定の権限と責任を持って協働する組織として活動するものとなる。そのために現在の仕組みを組織化・体系化すると。

・教育の主体はだれか。学校、家庭、地域それぞれの役割を明確にすること。教育基本法第6条(学校)…体系的な教育を組織的に行う。第10条(家庭)…子の教育について第1義的責任を有する。第13条(学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力)…それぞれの役割と責任を自覚するとともに、相互の連携および協力に努める。したがって、教育の主体は、学校と、学校と連携する家庭で、それを支援・連携するのが行政と地域ということになる。地域の支援・連携は単なる「協力」ではなく「参画」という立場で、学校に対する理解を深め、より積極的にその幅を広げていくこと。この理解は教育委員会にとっては当たり前のことなのだが、改めて学校運営協議会で整理する必要があるのでは。

3)「地域自治組織」との連携について(要望)

・答弁では、関係部局と連携を図りながら検討すると。

・コミュニティ・スクールが進んでいるある都市では、この事業が大きな成果を上げた要因を、まちづくり組織に対する補助金を交付金として一本化したことを挙げている。このことにより各自治会では地域の状況・課題を踏まえた特色ある地域づくりが取り組まれ、この力が大きな力となってコミュニティ・スクールと相互に結び付き、補完しながら成果を上げてきた。

4)子どもの意見を取り入れる(質問)

・子どもたちが学校・地域で育つためには、大人や関係者だけでは育たない。そこには、教育の対象となる子どもたちの主体的・積極的な行為が必要。子どもたちが地域の行事に参画・実践する機会を設けること、子どもたちも地域の一員であるという自覚を促し、地域づくりの担い手になる素地を培うことが必要かと。

・例えば、学校運営協議会で、あるいはそのもとにつくる「学校、家庭、地域、子ども」の4者による協議体のような機関で、自ら参画・実践できる行事を企画するなど。

2017年3月議会 加柴優美:教員の長時間勤務の改善 夏休みプ-ル開放の充実など

2017年3月議会 一般質問

2017年3月6日
日本共産党市会議員団 加柴優美

 ただいま議長より発言の許可を得ましたので、私は日本共産党議員団を代表して通告通り一般質問を行います。

 はじめに、教員の長時間勤務の改善について―特に部活動との関連でうかがいます。

 昨年の9月議会で木下教育長の答弁の中で、「学校現場を取り巻く環境が複雑化・多様化し、学校に求められる役割が拡大する中、教員の長時間勤務の改善が課題となっている。とりわけ部活動における休養日の設定の徹底をはじめとした運営の適正化等の必要性を示している」とする、文部科学省の「学校現場における業務の適正化に向けての(通知=昨年6月17日付)」内容が紹介されました。
また同時に教育長は、2013年2月に出された、兵庫県教職員の勤務時間適正化取り組み評価検討会による、「教職員の勤務時間適正化新対策プラン」について触れられました。

(1) まず「教職員の勤務時間適正化新対策プラン」によりますと、県や市・町教育委員会が部活動の在り方に関してすぐに具体的に取り組む内容として、①「ノ-部活デ-」の徹底、②地域のスポ-ツ人材(=外部指導者)のさらなる活用、③部活動の在り方の検討、④競技大会開催の見直し などがあげられています。

 また各学校の対応については、①顧問の複数配置、②効果的な練習の実施、③「ノ-部活デ-」の実施、④参加大会の精選などが指摘されています。

 これらの項目の何かでたとえば、「ノ-部活デ-」の徹底では、部活動を統括する関係団体すなわち中体連、高体連等に対し、「ノ-部活デ-」の趣旨徹底と効率的な練習計画等の立案、1回の部活動の最長時間の設定など練習時間短縮の推進を働きかけるとしています。

 さらに競技大会開催の見直しでは、市・町教育委員会は、市町レベルの競技大会の開催時期、運営方法等の見直しを主催団体に働きかけるとしています。学校に対しては、各競技大会の目的・内容・経費負担等を十分検討し、参加する大会を精選すると指摘しています。

 「プラン」が示しされてから約4年が経過をしていますが、市教育委員会と各学校においてどの程度改善されてきたのか、到達も含めて見解をうかがっておきます。
(2)また文部科学省から「学校現場における業務の適正化に向けての通知の中で、例えば総合的な実態調査、スポ-ツ医科学等の観点からの練習時間や休養日等の調査研究が必要と強調されています。また中体連等の大会規定の見直しも指摘していますが、こうした文部科学省の通知に対する当局の見解をもうかがっておきます。

次に自由プ-ル(夏休み小学校プ-ル開放)の充実に向けてであります。

 昨年の9月議会本会議で夏休み小学校プ-ル開放事業の現状と課題について質問しました。プ-ル監視員が十分に確保できないことが大きな原因で、実施日数が学校によって減少し、子供たちが利用したいと思ってもできない事態となっていたからです。

 改めて昨年の小学校ごとの実施回数を見てみると、校舎の工事のために開催できなかった南小学校を除く16校のうち3回が1校、6回が4校、7回が4校、8回が1校、9回が1校、11回が1校、12回が4校と、かなりのばらつきがあります。

 同じ事業であるにもかかわらず、各学校により実施回数等がまちまちであり、「プ-ル開放事業について各小学校が同じ基準で実施できるように規則・要綱を整理することが必要ではないか」との質問に対し当局は、「全校同じ基準で統一的に実施することがよいのか、学校地域の実情に合わせ実施するのかについては、今後検討すべき課題」との答弁でした。次年度が目の前に迫っている中どのように検討されたのかうかがいます。

 さらに何としても改修した新しいプ-ルを、夏季休業中の子どもたちの体力づくりやプ-ル遊びの場として提供しない手はありません。プ-ル監視員の十分な確保のため、監視資格を持つ業者の確保やアルバイト希望者の待遇を改善するために予算をふやすなどあらゆる工夫が必要ではありませんか。当局の見解を求めておきます。

最後に、児童くらぶ指導員の休憩場所の確保(状況)についてです。

 児童くらぶの開所時間は条例・規則にあるように、平日は小学校下校時から5時までで延長もあります。土曜日、夏休み・冬休み・春休みは午前8時15分から延長の場合午後6時までで、特に土曜日や長期休校日には指導員は8時間を超える労働時間となります。よって労働基準法第34条により少なくとも1時間の休憩時間が与えられなければなりません。

 この問題に関して先般ある指導員さんから、「現在児童クラブとして使用している部屋とは別の休憩室を確保してほしい。そうでないと本当の休憩にはならない」との要望がありました。この指導員さんの指摘はもっともな内容であり、エアコン等が設置された別の部屋を全児童クラブで確保する必要があると考えます。現状とともに今後の対応について見解をうかがって、1回目の質問とします。

教員の長時間勤務の改善について―特に部活動との関連で【2回目】

(1) 外部指導員の配置については先ほどの答弁にもあったように、生徒からも顧問教員からも大変メリットがあるとの感想が寄せられているとのことでした。しかし現状では市内中学校104クラブ中、20クラブしか外部指導員を配置できていないことも明らかとなりました。約20%の配置率をさらに引き上げることが喫緊の課題だと考えますが、障害となっている要因は含む当局の見解を求めておきます。

(2) またすべての部活ではないにしても年間を通してみれば、夏の総合体育大会、秋の新人戦、各スポ-ツ協会主催の大会があり、その間の練習試合とかなりハ-ドな日程であるとも聞いています。部活動で汗をながす生徒にとって、とりわけ全国総合体育大会等に出場することは大きな目標であり、かなりの練習を行っています。ただ教員の長時間勤務の改善との観点から見れば、練習試合や総合体育大会等の在り方についての検討は必要かと考えますが、見解をうかがっておきます。

自由プ-ル(夏休み小学校プ-ル開放)【2回目】

 昨年各小学校はどのように監視員を確保したのかであります。稲野小学校、摂陽小学校はPTAやスポ-ツ21から監視員を派遣し、市からの派遣監視員はゼロでした。しかしその他の小学校はPTAからの協力も一定あるが、多くは教育委員会通じて監視員の派遣に頼っている情況で、内4小学校ではPTAなど地元からの参加はないという結果でした。先ほどの答弁で「町づくり協議会など地域から監視員を確保するために話をする」とのことでしたが実際に見通しがあるのかどうかです。結果として自由プ-ルの実施日がいっそう縮小するのではないかと懸念しますがいかがでしょうか。

児童くらぶ指導員の休憩場所の確保【2回目要望】

 答弁のなかで、「夏休み期間中は個別空調のある教室を時間を決めて別に借り、指導員が交代で休憩をとれるようにしているが、冬休み、春休み期間は、夏休み期間と比べると入所児童数も減ってくるので、特に休憩場所は確保していない」とありました。

 しかし児童数が減るとしても拘束される勤務時間はかわらないのですから、冬休み、春休み期間であっても専用の休憩場所は必要だと思います。

 ある指導員さんは「本当に休憩しようと思ったら、極力子供たちの声が聞こえない場所が理想的であり、たとえば小学校に隣接する幼稚園の一室を利用させてもらうことも一つの改善策ではないか」と言われていました。今後指導員の声も聴いていただき必要な対策をとっていただくことを要望して2回目の質問とします。

日本共産党伊丹市議団ニュース第312号を発行しました

日本共産党伊丹市議団ニュース 第312号

2017年3月5日 日本共産党伊丹市議団

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3月議会 一般質問 3月6日(月)~

かしば優美議員の一般質問(要旨) 3月6日10時50分(予定)

1、教員の長時間勤務の改善について―特に部活動との関連で

 昨年6月に出された文部科学省の「学校現場における業務の適正化に向けて」との通知以降、学校現場への支援等について

2、自由プ-ル(夏休み小学校プ-ル開放)の充実に向けて

 昨年9月議会で取り上げいっそうの拡充を求めたが、2017年度実施の方向性についてうかがう

3、児童くらぶ指導員の休憩場所の確保(状況)について

上原ひでき議員の一般質問(要旨) 3月7日10時~(予定)

1.就学援助制度の充実を求める

1)新入学児童生徒学用品費(入学準備金)について

2017年度、小学生に対する補助単価は現在2万470円が4万600円に、
中学生は2万3,550円から4万7,400円にそれぞれ引き上げられる。
生活保護費における教育扶助費、教育委員会における就学援助費それぞれどう対応されるのか。

2)入学準備金を入学前に支給することについて

全国的には、入学前に前倒しで支給する自治体が増えている。伊丹市としてどう対応されるのか。生活保護費における教育扶助費、教育委員会における就学援助費それぞれについてお伺いする。

3)認定基準を元に戻すことについて

伊丹市として、2013年に引き下げられた生活扶助費を基準とした就学援助費の認定基準を、元に戻すことを改めて求める。

2.「給与所得等に係る市町村民税・都道府県民税 特別徴収税額の決定・変更通知書」への「共通番号」記載について

 従業員として、事業主として、伊丹市として、それぞれの問題点を指摘して、特別徴収税額の決定・変更通知書にマイナンバーを記載しないことを求める。

3.コミュニティ・スクールについて

学校運営協議会が教職員人事に関する発言権を持っていること、様々な学校・地域の連携が進んでいるのになぜ進めるのか、子どもの参加をどうするのか。

ひさ村真知子議員の一般質問(要旨) 3月8日13時~(予定)

1、 学校教育の中での平和教育・平和学習について

① 「平和を築く民主的主権者」としての資質を持つことが教育の目的とされているが、伊丹の学校教育の中ではどのような立場で平和教育を進めているのか。
② 戦後70年は学校ではどのように取り上げられたのでしょうか。
③ 他市では様々な平和資料を集め、資料館など設置もされているが、伊丹でも平和教育や平和学習のために資料の充実はどうなのか。
④ 伊丹におられる残留孤児に関する事柄を資料とすべきではないか。
⑤ 平和教育・学習の基本には、憲法学習が共に必要と思うが、どのようなにされているのか。
⑥ 低学年児童や高学年生でのでは、どの様なことに工夫をしているか。

2、 民間住宅の借り上げでの市営住宅化は進んでいるのか

① 伊丹市の方針である民間住宅の借り上げての市営住宅化の現状は。
② 市民の市営住宅入居要望等をかなえるためには、今後どのような方針をもって行うのか。

服部よしひろ議員の一般質問(要旨) 3月9日13時50分~(予定)

市職員の労働時間と労働時間管理について

(1)電通での過労自殺に象徴されるように、長時間過密労働が広く蔓延しているが、市長部局の労働実態と時間外就業の実情、時間外就業時間の把握方法について

① 労働時間の把握方法
② 各部局の月別時間内労働時間及び時間外労働時間
③ 部局ごとの最短と最長時間外労働時間の状況
④ 労働時間の記録方法
⑤ 休日出勤時の労働時間管理方法
⑥ 休日出勤時の部門一人出勤、フロア一人出勤の有無
⑦ 代休の処理方法
⑧ 実労働時間と「自己申告」での労働時間の乖離の有無及び確認方法

(2)新入社員が3年以内に退職する比率は3割といわれている。

新規採用市職員が入庁後3年以内で退職した人数と比率について

日本共産党伊丹市議団ニュース第304号を発行しました

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日本共産党伊丹市議団ニュース第304号はこちら(PDFファイル)

6月議会6月6日~24日

一般質問

6月 9日 10時~ かしば優美議員
     15時~ 服部よしひろ議員

6月10日 10:45~ 上原ひでき議員

6月13日 10時~ ひさ村真知子議員

かしば優美議員

1、国保都道府県化

   ―「運営方針策定要領(案)」(ガイドライン)提示に関して

(1)運営方針策定の今後のスケジュール

(2)都道府県化の考え方が変わったのか

(3)運営方針策定には、市の意見が十分に反映されるのか

(4)市独自の一般会計法定外繰り入れ「禁止」を運営方針に盛り込ませないこと

(5)「国保の構造的な問題点」について一切言及していないガイドライン

2、マイナンバ-制度―欠陥が露呈、強引な推進は矛盾深めるだけ

(1)制度の本格運用から半年が経過した時点での本市の実態について

 ① 窓口における相談内容は?

 ② 番号通知が届いていない人数は?

 ③ 個人番号カード申請件数と発行枚数

 ④ コンビニでの住民票、印鑑登録証の発行枚数

(2)カード管理システムの断続的トラブルの詳しい原因が解明されるまでカードの交付作業をストップすべき

服部よしひろ議員

生活保護行政と、高齢受給者の状況

(1)市における生活保護受給者の状況

 生活保護受給者と相談者の2014年度からの増減と65歳以上、75歳以上の高齢者の比率はどうなっているか

(2)住宅扶助の状況

 住居の改善が再就労に道を拓く契機になるように施策の充実を求める

 住宅扶助受給世帯数と、劣悪な住環境のため転居希望している世帯数は

(3)医療扶助の状況

 おむつ代が生活困窮者を圧迫する。

 市として国基準を超える部分の補助を実施できないか

(4)速やかな保護開始が必要

申請から保護開始までの期間の短縮を

(5)受給者の増加、高齢者の増加とケースワーカーの負担の増加への対応

 ケースワーカー一人あたりの相談件数と担当受給世帯数はどうなっているか

 行き届いた対応のために職員の増員を

上原ひでき議員

1.伊丹市人権・男女共同参画に関するアンケートについて

(1)人権の概念について

 「人権」を身近な問題として感じているかどうか問う項目があるが、「人権」といっても個人個人ではその捉えかたが違うと思うが…。

(2)アンケートを通して今後の施策の参考とされるとのことだが、次の項目でどのような施策を考えておられるのか。

 ① 性的マイノリティの人権について

 ② 男女共同参画に関して、男性の育児や介護、地域活動への参加促進について

(3)同和問題に関する項目について

2.学校並びに就学前における歯科健診について

(1)歯科健診で要治療とされた子どものうち、完治したとの保護者の報告がされていない子どもに対する対策について

(2)就学前の歯科健診について

ひさ村真知子議員

1、被後見人の投票権行使について

  公職選挙法が改正され、被後見人の投票権が回復したことへの見解を伺う

 ① 本件に関する問い合わせはあるか

 ② 選挙権回復の被後見人に主権者教育への対応を問う

 ③ 昨年の統一地方選挙での対応は

 ④ 投票率向上のために、関係者の意見を聞き改善を

2、三軒寺前広場のイベントに安心して参加するためトイレ設置を。

 ① 広場でのイベント参加者からの「トイレがあれば」の声に応えよ

 ② 伊丹を訪れる方へのトイレの位置づけは

 ③ 地域に合った個性的なデザインのトイレの検討を

傍聴においでください。市議会HPからもご覧いただけます。

2016年3月議会報告ができました

日本共産党伊丹市会議員団 2016年3月議会報告

憲法を生かし、子育て一番 くらし守る伊丹市を

【1面】

2016_04_report-1

3月議会報告 1面はこちら(PDFファイル)

2016年3月 代表質問 団長 上原ひでき議員

【2面】

2016_04_report-2

3月議会報告 2面はこちら(PDFファイル)

2016年3月 個人質問 かしば優美議員 国保の多子世帯減免制度の創設を

2016年3月 個人質問 服部よしひろ議員 市職員への「人事評価制度」導入

2016年3月 個人質問 ひさ村真知子議員 閣議決定で雇用促進住宅2012年までに全国的に廃止!

後期高齢者医療の保険料が またまた値上げに

「保育所落ちた…」伊丹市は? なんと50%が非正規保育士!

市民の願い実現! 中学校給食が来年6月スタートします

全国に先駆けて! 給付型入学支度金制度創設

2016年3月議会 ひさ村真知子:後期高齢者医療会計予算に反対討論

議案第11号「平成28年度伊丹市後期高齢者医療事業特別会計予算」に反対の立場からの討論

2016年3月議会 予算特別委員会

2016年3月24日

日本共産党議員団 ひさ村真知子

 日本共産党議員団を代表して、議案第11号「平成28年度伊丹市後期高齢者医療事業特別会計予算」に反対の立場から討論を行ないます。

 兵庫県後期高齢者医療広域連合は2年ごとに保険料の改定を行っています。このたび2016年度と2017年度2か年の保険料率について、均等割額の年額を前年より694円引き上げ48,297円(月額4,025円)に、所得割率を前年より0.47ポイント引き上げ10.17%との改定が行われました。

 この結果厚生年金の平均的な年金受給者(受給年金額201万円=単身世帯)の場合で、前年対比1,683円の増となり、保険料額は年額63,045円(前年対比2.74%の増)となりました。今回保険料の賦課限度額57万円は据え置きとなりましたが、消費税が増税され年金が減らされる中、新たな保険料の引き上げは高齢者に大きな不安を与えるものとなります。

 さらにもともと医療給付費は、公費で5割、現役世代からの支援で4割、高齢者からの保険料で1割として制度発足しました。この1割負担いわゆる「後期高齢者負担率」は、最初の2008年、09年度は10%であったものが、高齢者が増加したという理由で2016年17年度には10.99%まで引き上げられました。

 日本共産党議員団は以前から、後期高齢者医療制度はそのしくみとして、後期高齢者の人口と医療給付費(医療費)が増加すればするほど保険料の値上げに直結しており、露骨な受診抑制をもたらす最悪の医療制度であると指摘してきました。

 よって保険料負担増大を含む議案第11号に反対するものです。

 議員各位のご賛同をお願いし討論とします。

2016年3月議会 久村 真知子:鴻池雇用促進住宅、中学校給食の調理部門の民間委託

2016年3月個人質問

2016年3月9日

日本共産党議員団 久村 真知子

1、鴻池雇用促進住宅廃止に向けて、今後どうなるのか。

① 雇用促進住宅一方的国の廃止決定に関して

 全国にある雇用促進住宅に関しては、2001年の閣議決定で2021年までに完全に廃止をすると決定しています。

 雇用促進住宅は、「石炭から石油へ」と言う国のエネルギー政策転換によって1960年から移転、転職の人々のために国の住宅政策で雇用促進事業団によって建設されてきた住宅で、最高時には全国で38万人が入居され、その後、雇用能力開発機構が管理し、2015年8月、住宅数1190団地、約10万人が住んでいます。

 しかし国は、官から民へと特殊法人改革の中で廃止を進めていったわけです。

 伊丹市鴻池にある促進住宅にも、炭鉱閉鎖から仕事探しで伊丹にこられた方々や震災後から住んでおられる方、派遣切で仕事や住居を失った人も多く入居されています。

 しかしこのような入居者に対して意見を聞いての決定はなく、国は一方的に居住権を奪い、生存権を脅かすような状況を作り出しているのです。

 新入居はストップされ、すでに空き家となっている部屋も目立っています。住宅環境の整備も難しくなっているのではないでしょうか。国の廃止決定のため住民の皆さんは、伊丹市が安心して住めるところの提供などしてもらえるだろうと思っている方もおられると思います。当然の考えかと思いますが、入居者のこのような意見などを聞いているのか大変心配するところです。

 国の一方的な廃止は居住権を全く無視をしており、法に違反した行為と、言わざる得ないと思います。安心した生活が不安に陥れられ、生きていけるのかという生存権が国によって脅かされているのです。このような国の方針にたいして、市としては、どのようにお考えなのか見解をお伺いいたします。

②伊丹市に対して鴻池の雇用促進住宅の「機構」から譲渡の話の経過、結果、さらには、公営住宅などの活用にについてお聞きします。

 このような大変な問題に対して丁寧な説明が行なわれるべきですが、現状は、「国の方針や現状の経過が書かれた説明文書を受け取っただけですね」、と言う方々も多くおられ、住んでいる人への個々の質問に応えると言うような丁寧な相談はされていないようです。

 説明書に記載されている内容は、「入居者と建物を一体として、関係自治体への譲渡を行う方向で、打診をしてきたが、伊丹としては、譲渡を受けるとの返事ではないため、民間への売却を行なう準備を進めているところ」という内容が伝えられています。しかしその理由などは示されてはいませんので気になるところです。

・伊丹市への譲渡についての経過、結果は、どうであったのかお伺いいたします。

・また、他市では、若い人向けの住宅としてなど様々に活用されているようです。伊丹市としても安心安全の生活の維持のために伊丹市として公営住宅として他市の取組みを参考にしての活用することはできないのでしょうか。考えはいかがでしょうか。

③次に、入居者状況の把握と様々な支援が必要ではないか。

 廃止の2021まであと5年しかないのですが、現状では、今後どなるのかが決められてはいません。その中で高齢者や病気の人も多い中、転居準備などができるのかなど大変心配です、転居費用のこと、敷金のこと家賃などお金の問題。特に家賃は、今と同じようでないと支払いが大変です。

 様々な方が入居され、日本語が理解できないまたもおられますので、きちん分かる言葉での説明が要るでしょう。このような問題は当然国が行うべき事であると思いますが、現状ではそのようなことは全く示されてはいません。住んでいる方々は、不安を抱えたままの生活です伊丹市にも相談にもこられていると思います。住民の方々などの現状を把握して、できる範囲で様々な支援を行なっていただきたいと思いますが、どのように対応されているのでしょうか。

④今後の住人からの相談などは、国との連携で応えられるようにすべきではないか。

 現状の様子では、今後もより相談にこられる方が増えるのではないかと思います。伊丹市民の皆さんの安全・安心なくらしを保障するためには、伊丹市としても、相談者の話を、親身に聞いてほしいと思います。そして問題解決のために、国に対して十分な説明を求めていただくと共に、国と連携して問題の解決に手を差し伸べていただきたいと思いますがいかがお考えでしょうか。

2、中学校給食の調理部門の民間委託に関して。

①市民の関心は食の安全。国の施策のTPP合意で給食の安全性の確保はどうなるのか。

 共産党議員団は、伊丹でのすべての子ども達に中学校給食の実施を求め様々な質問を行なってきました。その中で学校給食の安全性や食育の観点から、自校方式で子どもたちと調理員さんが顔の見える形での給食つくりを求めてきました。

 やっと2017年から中学校でも給食が実施されることになり市民の皆さんも期待されています。

 市民からのアンケートにも寄せられた声は安全な給食です。

 特に毎日食事つくりをする保護者は、育ち盛りの子どもたちに安全な食べ物をと買い物にも気をつけておられます。生産地はどこか、添加物はどうか、遺伝子組み換え食品ではないかなど様々な知識がないと安全な食べ物が手に入らない状況となっています。日本の安全基準は厳しく海外に比べれば安心と私たちは思っていますが、TPPで日本の食糧事情が大きく変わるのではないかと懸念する声も聞くところです。

 給食の材料は、伊丹市が責任もって仕入れを行なうと言われていますので少しは安心ですが、大量に仕入れを行なうのですから、影響もあるのではと思います。海外からの食料は市場には多く出回っていますが、安全な食品をしっかり見極めて使っていただけるのか。今後よりいっそうの注意が求められると思います。今後の食材の給食への影響など、どのようにお考えかお伺いしたいと思います。

② 給食の調理部門は、経費削減のために民間に委託することは、官製ワーキングプアにつながるのではないか。どう防止するのか。

 中学校給食検討委員会で様々な角度から議論され「センターの運営方式に関しては、伊丹市の財政状況を鑑み、業務効率の向上を図り経費の削減に努める一方で、安全で安心できる学校給食を提供できる仕組みをつくることが必要であり、これらのことが保障される限り運営方法を市直営とするか、民間委託とするかは市の判断にゆだねることとする」。結ばれています。

 これほど重要性のある給食の位置付けをされているのもかかわらず、なぜ直営でなくて調理部門は民間委託にするのかと疑問もわいてくるのです。

 市の経費削減は、職場の環境に大きく関係すると思います。委託会社は給食を作ることで会社の収益を上げるのですから、収益がなければ委託事業をしないでしょう。どうすれば会社の収益が上がるのかは会社の使命でしょう。

 しかし一方伊丹市は経費削減のため委託をするわけですから、できるだけやすくとなるわけですから、矛盾も出てくるでしょう。この矛盾がワーキングプアを生むのではないかと思います。

 委託費用が給食センターで働く調理員さんへどれだけ配分されるのかは働く意欲につながる大切なことです。また環境が悪ければすなわち給料が安ければ辞める方も出るでしょうし、入れ替わりが激しくなれば、調理のノウハウも蓄積もできないのですから、委託会社任せではなくどれだけの賃金で働くのかは伊丹市としても点検が必要と思いますが。いかがお考えでしょうか。お伺いいたします。

③問題となっている偽装請負のリスクはあるのではないか。

 私たちは伊丹市の栄養士さんや委託先の調理員さんが当然現場では一緒に力を合わせて調理をすることと誰しも思っていると思います。

 しかし業務を委託されている職場では、伊丹市の管理栄養士がその現場で一緒に調理に参加し指図はできないと言うことですから、大変難しい状況となるのではありませんか。

 またそれをしないために様々に細かいことを仕様書に書き委託先の責任者に渡し作業をしてもらうのと言うことですが、このことも栄養士さんには大変な時間手間がかかると思います。その文書通りに作業を行なうことも大変ではないかと思います。

 そのような職場の環境は働きやすい環境といえるのでしょうか。保護者向けのリーフには確かに調理部門は民間委託にとはかかれていますが。その様な状況で調理がされるということを、市民の皆さんは理解されているでしょうか。

 各地で偽装請負が問題になっていることを私たち議員団は指摘してきておりますが、調理現場で、一生懸命ことも達のために調理をしようとすれば、栄養士と調理員さんが力を合わせようとするのは当然のことではないでしょうか。

 委託ならば、そこに法に触れる行為が発生し偽装請負の問題がどうしてもでてくるのではないでしょうか。絶対にそのようなことはないと言い切れるのでしょうか。私たち議員団はこのような問題は委託で働く皆さんにも影響を与えることであり、本当に良い給食を作れるのかなどの見解から民間委託はやめ直営方式で行なうべきだと提案してきているわけです。伊丹市としても当然偽装請負の状況は把握されていると思いますが、法に触れる心配なく給食の提供ができることがまずは一番ではないか。そのことが市民が求めている安心な給食に大きくつながるのではないか。と思いますので改めて当局の御考えをお聞きしておきます。

④災害対応や様々な業務の拡大等によって、委託先の業務が拡大すれば委託料などはどう対応するのか。

 災害対応に関しても、調理できる契約にするといわれていますが、いつもとは違う作業に当然あるわけですし、また作業工程が様々なことで変化することもあるかもしれません、そのようなときに委託料が変わっていくことは当然あると思われますはそのようなときには、どのように対応されていくのでしょうか。

2016年3月議会 服部よしひろ:人事評価制度、トップランナー方式、学校技能員

2016年3月議会個人質問

2016年3月8日

日本共産党議員団 服部よしひろ

1、2015年度に試行された「人事評価制度について

 2014年に実施された地方公務員法の改定で人事評価制度導入を義務付けられ、伊丹市にお いても2015年度に試行されておりますが、この「人事評価制度」についてお聞きします。

 なお、質問要旨の⑥については要望とさせて頂きますので、答弁は不要です。

①まず、この1年の試行により、どのような効果・成果が確認できたか、また、問題点の有無とそれへの対応状況についてお伺いします。

②次に、この「人事評価制度」に係る「評価者用手引き」についてお伺いします。

 この手引書を使用した「評価者」は「評価者用手引き」の内容をどう評価しているか、お伺いします。端的に伺うと、使いこなせたかどうか、わかりにくい点はなかったか、改善点はあるか、ということです。

③次に、評価を受ける側の職員が記入する「能力評価シート」と「業績評価シート」についてお伺いします。
 評価者記載欄となっている5段階評価の、各段階ごとの度数比率を伺います。

④次に、個別面談についてお伺いします。個別面談は各人20~30分程度とされていますが、その所要時間の実績は把握できているでしょうか。

 試行段階ですから面談の内容に評価者間のばらつきがあると思いますが、その把握はどのようになされているのでしょうか。

 ばらつきを把握するためには面談時に第三者の立会いも必要と思いますが、実施したのでしょうか。

 「評価者用手引き」において、この「個人面談は評価制度の核心部分であり、かなり高度な対応が求められていると思いますが、試行においての問題の有無と具体的内容を伺います。

⑤最後に、2016年度から本格導入の予定ですが、本年度の試行をどのようにフォローアップして本格実施へ進めて行こうとしているのかお伺いします。

2、地方自治いじめの安倍政権「トップランナー方式」

 安倍政権は、基本方針2015に基づき、歳出の効率化を推進する観点から、歳出効率化に向けた業務改革で他団体のモデルとなるようなものを地方交付税の基準財政需要額の算定に反映する取り組みを促進するとし、その際、財源保障機能を適切に働かせ、住民生活の安心・安全を確保することを前提として、

○地方行政サービス改革に係る調査によって把握することにしている地方団体の業務改革のうち、単位費用に計上されている全ての業務(23業務)についてトップランナー方式の検討対象とする。

○このうちできる限り多くの業務(16業務)について平成28年度に着手し、おおむね3~5年程度かけて段階的に反映する。

○残る業務も平成29年度以降、可能なものから導入していく

との方針を打ち出しています。

 この「トップランナー方式」というのは大企業による下請けいじめを連想させる極めて悪辣な手法だといわざるをいない方式だといえます。

 在職時代、資材部門が外注業者に「なんでこんなに高いんかわからんわ。よそはどこでもおたくより安いで。」といって品質の劣るメーカーの単価を押し付けて買い叩くやり方を幾度も見てきましたが、それとそっくりなことを政府が地方自治体に押し付けようとしています。

 昨年11月27日付の日経新聞には、「総務省は、地方への財政支援にあたる地方交付税の算定方法を見直し、道路の補修やごみ収集などで自治体による歳出効率化への取り組みを加味して配分額を計算する仕組みとする。コストの高い自治体は求めた交付税を受け取れず、歳出削減が必要になる。
という記事が掲載されています。

 総務省によると、先ほど述べた、市町村分の対象となる16業務は、

  • 1、学校用務員
  • 2、道路維持補修・清掃等
  • 3、本庁者清掃
  • 4、本庁舎夜間警備
  • 5、案内・受付
  • 6、電話交換
  • 7、公用車運転
  • 8、一般ごみ収集
  • 9、学校給食(調理)
  • 10、学校給食(運搬)
  • 11、体育館管理
  • 12、競技場管理
  • 13、プール管理
  • 14、公園管理
  • 15、庶務事務(人事・給与・旅費・福利厚生等)
  • 16、情報システムの運用(住民情報管理システム、税務関連システム、福祉関連システム 等)

となっています。

 このうち、すでに伊丹市で民間委託や指定管理となっている業務はどれでしょうか。また、今後見直しを求められる業務はどれでしょうか。

 各自治体には住民との長年にわたる信頼関係や歴史があり、その中で色々な施策が実行されていますが、そういう事情を無視するかのような、財政を武器にした政策誘導を政府が地方自治体に押し付けてくる、このようなやり方に、まず強く抗議するものですが、これに対してそれぞれの自治体がどういう態度で臨むかも問われています。

 たとえば、小学校給食の調理部門は、子どもの安心・安全に大きな影響を与えるものであり、政府が交付税を人質にして旗を振ろうと安易に導入が許されないものだと考えます。

 2月8日の衆院予算委員会で馳浩文科相は、給食については文科省の学校ごとの状況調査では半数以上が直営(調理・運搬)だと、日本共産党の田村貴昭議員に答弁しています。地方交付税の算定を通じて民間委託などを一律に自治体に迫るようなやり方はやめるべきです。

 同じく高市総務相は「効率的・効果的に質の高い行政サービスを提供することが重要だ」などと答弁しておりますが、地方交付税は地方の固有財源であり、トップランナー方式で、自治体の重要な施策の財源を奪ってはならないと思います。

 伊丹市として、このトップランナー方式にたいして、どのような見解をお持ちでしょうか。お伺いします。

3、 学校現場になくてはならない「技能員」は外注化では役割を果たせない

 この16業務の中に「学校用務員」つまり「小中学校の技能職員」が上がっています。

 現在、各学校に配置されている学校技能員は実際どのような職務を担っているかお聞きします。

 現場の教師から聞いたところによりますと、一般的な「清掃、営繕、保安」などの通常職務以上に現場の実情に応じたきめ細かな対応をお願いしているようです。

 たとえば、教師が授業を円滑に進められるように側面援助を行う。花壇や植木の手入れはもちろんですが、特にいわゆる「大工仕事」をこまめにこなしてもらっている。特別支援児童が体を支えやすいように机やいすを加工するなど現場に密着した仕事をこなしていると聞いています。

 このように、実際の学校現場では技能員は多様な業務を担当し、教師との密接な関係で日々の学校運営に欠くことのできない役割を担っています。単純に「清掃」「保安」「警備」「保守」などと限定した業務として「外注化」「下請け化」できるものではないと考えますが、どのようにお考えかお聞かせ願います。

 以上で1回目の質問といたします。

2016年3月議会個人質問(2回目)

日本共産党議員団 服部よしひろ

1、 2015年度に試行された「人事評価制度」について

 伊丹市における「人事評価制度」について、

この1年の試行により、どのような効果・成果が確認できたか、
また、問題点の有無とそれへの対応状況、「人事評価制度」に係る「評価者用手引き」、「能力評価シート」と「業績評価シート」の5段階評価の、各段階の度数比率、個別面談についてお伺いしました。
 

「評価者用手引き」には「面談時に注意すべきポイント」が数点記されていると聞いています。

  • 1、表面的な議論をしない
  • 2、一方的な話をしない
  • 3、交換条件を出さない
  • 4、本質から外れない
  • 5、評価者の機嫌を取らない

などとなっています。この内容を部門長一人が対応して客観的評価を行わなければならないわけですから、その負担は相当なものだと推察いたします。

 今回試行された人事評価制度では新たに「業績評価」としての「目標管理」が導入されています。

「業績評価」には、「業績評価シート」作成前に各部門の「目標、方針、各自の分担、職責」が明示されなければなりませんが、実態はどのようになっているでしょうか。

 その各部門の目標・方針は任命権者=市長の施政方針が反映され、市職員全体が市長方針のもとに統一的に行動する形が作られていく形になります。

 個人の目標は、市長の掲げる目標に沿う内容で収斂されて行きますが、市職員の「全体の奉仕者」としての立場と市長の目標が一致しない場合はどうなるのか、ということです。

「目標管理」が「全体の奉仕者として行動したい」市職員の手足を縛る結果になるのではないかと危惧するものですが、見解をお聞かせください。

2、地方自治いじめの安倍政権「トップランナー方式」

 来年度における当市のトップランナー方式に基づく「事務事業の見直し・効率化」を検討している業務は中学校給食の調理部門だけであるとの答弁でした。

 市民の「小学校と同じように直営で実施してほしい」という声が高まっているにもかかわらず、「中学校給食の調理民営化」が検討されていることは子供の「教育、健康、安全」にかかわって見過ごすことはできない、ということを申し述べておきます。

 国民の税金を大切に使わなければならないという姿勢は十分に答弁でうかがえましたが、政府の施策により地方行政を財政の面から一定の方向に誘導しようとする姿勢は、市民の「安心・安全」「生活弱者をまもる」地方自治体の本来の役割と相いれない事態を生じさせると危惧するものです。地方自治の本旨を脅かす国の方針に対して、伊丹市として毅然とした対応を求めたいと思います。

 今、安倍内閣がいつにもまして「憲法をないがしろにする」姿勢を鮮明にしているときに、何よりも憲法に基づく姿勢を市の行政においても発揮していただくことを強く求めたいと思います。

3、 学校現場になくてはならない「技能員」は民間委託では役割を果たせない

 「学校技能員」が果たしている役割について答弁いただきました。同時に、「学校技能員」の民間委託は当面の計画に予定されていないが、今後の検討では選択肢の一つであるとの答弁でした。

 実際に、「伊丹市行財政プラン(H28年度~H32年度)の「事務事業の見直し・効率化」計画の52ページには「学校技能業務の見直し」の項があり、「民間委託も含め今後のあり方を検討」として、実施の年度はH28年度~となっています。

 実際の学校現場で多面的な能力を発揮している学校技能員が引き続きその役割を果たしていくためには市職員としての身分保障が必要です。

 この点について、民間委託では指揮命令系統の混乱も含めて役割が果たせないと思いますので、再度この点について見解をお聞かせください。

 以上で2回目の質問といたします。

2016年3月議会個人質問(3回目)

日本共産党議員団 服部よしひろ

1、 2015年度に試行された「人事評価制度」について

 人事評価制度の目的は手引きにあるように「評価することがゴールではなく、職員自身が課題を見つけ自らが成長していくことを促す制度」としているように、より市民に寄り添った人材として成長していく「人材育成」が目標とならなければなりません。

 また、職員としても、任命権者である市長の施政に対する批判的視点は不可欠であり、市民目線での批判を受け入れる姿勢も市長や管理職には求められます。

 その視点が失われる危険性をこの「人事評価制度」は内包しています。

 それは、長年民間企業で働き、80年代から「人事評価制度」「目標管理」を経験してきた経験から言えることでもあります。
 民間企業は、最終目標は利潤追求であり、全社がその目標に向かって業務遂行することが求められます。方針が間違っていれば収益が下がり、方針の転換が求められます。

 しかし、行政は方針がぶれて被害をこうむるのは市民であり、市民のいのちや健康が脅かされます。そうならないように事前に方針の修正をしなければなりません。その機能が議会であり、市職員の高いモラルだと思います。

 人事評価制度は今年度施行が行われましたが、本来の市民の視線から見てのあるべき姿にしていくには市民や市職員労働組合も含めた多方面からの検討が必要になってくるかと思います。

 いずれにしろ、市職員のモラルを委縮させる「人事評価制度」になってはならないと思います。

 そのことを強く訴えて、質問を終わります。

2016年3月議会 加柴優美:国民健康保、行財政プラン

2016年2・3月議会 個人質問

3月7日
日本共産党議員団 加柴 優美

 ただいま議長より発言の許可を得ましたので、私は日本共産党市会議員団を代表して通告通り質問を行ないます。

1. はじめに国民健康保険事業についてであります。

 伊丹市国民健康保険税は、4月から翌年3月までの1年間単位で、各課税区分(医療保険分・後期高齢者支援金分・介護保険分)ごとの計算の合計額で決まります。またそれぞれの課税区分では、人数に応じた負担部分である均等割、1世帯あたりに応じた負担部分である世帯別平等割、加入者全員の所得に応じた部分である所得割の3つの要素から成りたっています。

 こうしたことから1世帯に加入者数が多ければその分均等割が増えることになります。また所得割については、その課税の基準となる所得金額は給与所得・年金所得・所得から基礎控除のみを減じて計算され、同一世帯に子どもを含めた加入者が多くても所得割額に影響しないため、国保税全体が大変高いものとなっています。
 代表質問でも取り上げられていましたが、子ども6人に1人が貧困家庭という深刻な事態と、人口減少社会の中で少子化対策や子育て支援策が求められています。こうした状況もふまえて、多子世帯や18歳未満の子どもを含む世帯に対し均等割や所得割に対する何らかの減免・軽減対策を考えていく必要があると思いますが、当局の見解をうかがいます。

 国保税の引き下げについては昨年9月代表質問でも取り上げて要望しました。今回新たな国の動向もふまえつつ重ねて質問を行ないます。

 国民健康保険は、これまでも繰り返し指摘してきたように他の協会けんぽなど公的医療保険に比べ高齢者や低所得者層が多く加入しているという構造的な問題をかかえ、結果「高すぎる保険料」や財政悪化につながっています。

 こうした状況のもと政府は、公費拡充による財政基盤の強化策として、2015年度から毎年低所得者対策として保険者支援制度を拡充し1664億円を投入します。また2017年度からは、後期高齢者支援金の全面総報酬割の導入に伴って減少する「協会けんぽ」への国庫補助分から1700億円を充てることで、計約3400億円を毎年投入するとしています。また「国保の都道府県化」に伴い、都道府県ごとに財政安定化基金を創設するとして、2016年度は400億円を計上しています。

 政府はこれらにより、「保険料負担の軽減や伸び幅の抑制が期待できる」とし、厚生労働省は「合計3400億円を投入することで被保険者一人当たり約10000円(約1万円)の財政改善効果」だとしています。この保険者支援を一般会計からの繰り入れ削減に使うのではなく、本来の趣旨である高すぎる保険税の引き下げに使うべきではないか。見解をうかがっておきます。

2.行財政プラン =「受益者負担等の見直し」について

 2016年度から20年度までの今後5年間にわたる伊丹市行財政プランが市長から示されています。その中で効率的な行政経営として6項目を掲げていますが、今回はそのうちの一つ「受益者負担の見直し」について質問を行ないます。

 プランの中では使用料手数料の見直し、受益者負担の見直しについて、「これまで数回にわたりの使用料手数料改定について検討してきたが、近隣地方公共団体の類似施設等との均衡を保つ観点から見直しについては見送ってきた」と経過を述べています。そして今後5年間の新たな「受益者負担の見直し」の具体的な取り組みとして、①施設の性質別分類と公費負担割合、②サ-ビス原価の検討、③消費税(引き上げ分)の転嫁の3点推進するとしています。これらの見直しは市民生活に直結し、市民負担を増加しかねないものであり、以下4点についておききします。

 第一にこれまで受益者負担のあり方については、「原価の70%程度を目安に」としていたものを、前述のような「細分化」の方向を打ち出した理由についてうかがいます。

 第二に行政サ-ビスの性質・市場性に応じた受益者の負担割合とは何か。また受益者負担割合が70%~100%とはどのような施設を想定しているのかうかがいます。

 第三にサ-ビス原価(受益者負担の対象コスト)の考え方について

 受益者負担の対象コストについて、現状ではイニシャルコストや減価償却費は含まずランニングコストのみだと聞いていますが、この「原価」をどのようにとらえているのか。今回さらにイニシャルコストも含めた検討を行なうとする理由について。

 第四に消費税(引き上げ分)の転嫁は影響があまりにも大きく、実施すべきでないと考えるが当局の見解をうかがっておきます。

〔国保2回目質問〕

 多子世帯への何らかの減免・軽減対策をとの私の提案に対して、「そもそも保険税の減免制度は災害や失業などの特別な事情により、保険税の支払いが困難になった場合の緊急的な措置であり、保険税を継続して減免することを目的としたものでない。一方低所得世帯や被保険者数が多い世帯には7割5割2割の減額をしている」旨の答弁でした。

 「緊急的措置」と言われましたが、伊丹市国民健康保険税条例第25条いわゆる減免規定には「緊急的措置」との文言はないことを申しておきます。当局はおそらく一般減免と制度減免との違いを言われたと思いますが、「緊急的措置」との一般減免が恒常化しているのが制度減免と考えれば本質的な違いはないと考えます。たしかに多子世帯に対する軽減対策は一時的ではありません。そうであるなら新たな独自の軽減制度として創設することを考えてはいかがでしょうか。

〔国保3回目質問〕

 先に「世帯の所得が一定以下の場合に、被保険者の均等割額及び世帯別平等割額に対して7割5割2割の軽減を行なっている。」とし、被保険者の多い世帯の税負担に配慮している旨の答弁でした。では実際どれほどの軽減になっているのか、ここでは2割軽減の世帯についてお尋ねします。

 例えば介護2号該当の夫婦と18歳未満の子3人の場合で、2割軽減の対象となる世帯の収入・所得、保険税額、軽減額がいくらになるのかお聞きします。

〔国保4回目質問〕

 さらに「5割及び2割の軽減対象となる世帯の所得基準額については、世帯の被保険者合計数に一定の金額を乗じて算定されることから、被保険者の多い世帯の負担は一定配慮されているものととらえている。国においては2016年度にもさらに軽減対象となる世帯の拡大を予定している」との答弁でした。

 確かに今年3月中に地方税法施行令が一部改正され、国民健康保険税の減額の.対象となる所得の基準の引き上げが予定されていると聞いています。しかし2割軽減の場合その対象となる世帯の軽減判定所得の算定において被保険者の数に乗ずべき金額を現行47万円から48万円へとわずか1万円上げるに過ぎない内容です。いったい伊丹において何人の2割軽減対象が増えると予想されていますか。

〔国保5回目質問〕

 それぞれ答えをいただきました。改めて驚きました。5人世帯の場合2割軽減に該当しても約4万円あまりしか負担減にならず、保険税は40万円をはるかに超えるものになっています。給与収入の1割を大きく超えるもの。ですから「税負担に対して一定の配慮している」とおっしゃっているが過酷な国保税の負担実態は変わりません。そうであるからこそとりわけ子育て多子世帯への支援は重点政策として考える必要があります。

 他市では今日の状況を反映して多子世帯に対する負担軽減策をとっています。

 たとえば東京都東大和(ひがしやまと)市は「多子世帯の負担軽減を図るため、18歳未満の第三子以降の均等割を無料とする」としています。

 また北九州市では条例による減免制度に、災害、所得減少などの事情に「多子」の項目を加えています。この「多子」の場合の減免基準は「前年の世帯の所得が300万円以下で、所得割が賦課され、18歳未満の子等を国保の同世帯に二人以上扶養する場合」とし、減免内容は「18歳未満の子等2人目から一人につき、最高33万円に所得割率を乗じて得た額を所得割額から減免」とするものです。

 本市は子ども医療費無料化を全県市町に先駆けて実施しました。国からペナルティが課せられているにもかかわらず実施しました。本気で子育ての負担を減らすというなら、18歳未満の子どもを含む多子世帯に何らかの負担軽減策を講じるべきではないでしょうか。他市の事例などぜひ参考にしていただきたいと考えますが、再度見解をうかがっておきます。

〔国保6回目質問〕

 国保税の引き下げ要望に対しては「難しい」との答弁でした。今国保事業を取り巻く状況を見ると国においては、最初の質問でふれたように2017年度(平成29年度)からは決算補填等のための法定外一般会計繰り入れ約3500億円とほぼ同規模の3400億円が公費投入される予定となっている。被保険者一人当たりの財政改善効果は、年1万円程度まで拡充させるとしています。

 一方伊丹市の国保会計においては、2016年度当初予算で約1億1千万円を一般会計の財政調整交付金(国保分)から取り崩して予算措置をしましたが、4億円余り残金があること。保険財政共同安定化事業における交付金と拠出金との収支差においても県の交付金で調整されるなど措置されること。今後当局が指摘しているような医療費の動向、18年度からの都道府県化など確かに不透明な点もありますが、市町村国保への2015年度の保険者支援約1700億円の活用を前提とした保険税の引き下げが全国で広がっています。国保税の引き下げについて再度質問します。

受益者負担見直し

〔受益者負担見直し第2回目質問〕

 「行政サ-ビスの性質・市場性に応じた受益者の負担割合の細分化を検討する」とのことですが、いわゆる公共性や市場性(=収益性)の度合いを見て細分化して受益者負担基準を設定することは、住民福祉の向上という自治体の本来の役割に反するもの。さらに地方自治法第244条では公の施設を「住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設」としていることにも反すのではありませんか。当局の見解を求めます。

〔受益者負担見直し第3回目質問〕

 受益者負担の対象コストについて、「現行の人件費、物件費、簡易な修繕」に加えて今後イニシャルコストも含めて検討していく」との答弁。実際に実施されれば使用料や各施設の入場料が引きあがり、利用者・市民への負担増になっていく。また利用者数が減少するのではありませんか?

〔受益者負担見直し第4回目質問〕

 消費税に関しては確かに増税により需用費、委託料、備品購入費など費用の増大になる。しかしもともと消費税増税は受益者に起因するものではない国の施策であります。したがってコスト増に関しては市税投入すべきであり、消費税分は「原価」に含むべきでないと考えるが、再度見解をうかがっておきます。

(1)公共施設等に係る使用料・手数料等の見直し
   消費税率引き上げにともなう上昇分の転嫁について、近隣都市や類似民間施設等の料金を考慮したうえで見直しを図る。
(2)予防接種事業に係る費用負担の見直し
   B類疾病(高齢者インフルエンザ、肺炎球菌ワクチン、)に係る予防接種の自己負担額について、阪神7市1町によるあり方検討。
(3)猪名川河川敷運動広場の駐車場使用料見直し
   駐車場有料化について、収益性の有無等をふまえ見直しを検討。
(4)サンシティホ-ル・神津福祉センタ-の駐車場使用料見直し
駐車場有料化について、収益性の有無、老人福祉センタ-としての性質等をふまえ見直し検討。

2016年3月議会 上原ひでき:代表質問

 3月4日、日本共産党伊丹市議会議員団を代表して、上原ひでき議員が代表質問を行いました。

 その全文は以下の通りです。

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2016年3月議会 代表質問

日本共産党議員団 上原秀樹

1.市長の情勢認識を問う

1)市長は安保法制=戦争法の廃止、立憲主義の回復を政府に求めよ

 自民・公明安倍政権による、昨年9月19日の安保法制=戦争法強行成立後、国民の反対の声は収まらず、どの世論調査でも、安保法制=戦争法に反対する人は過半数を超えています。このようななかで、野党5党が安保法制の廃止と集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回を共通の目標とする5野党共同の取り組み方針を確認し、今年の参議院選挙での選挙区1人区での候補者調整にも及びました。このことは何よりも、この安保法制=戦争法が、自民党自身が60年間、集団的自衛権行使は憲法に違反するといい続けてきたのを、180度覆してこれを容認し、他国同士の戦争への参加を認めるという、自衛隊の海外での武力行使を行う仕組みを盛り込んだ違憲立法だからであり、憲法9条を踏みにじるという立憲主義を破壊したことはきわめて重大です。

 この法律によって、伊丹の自衛官も殺し殺される事態に直面します。南スーダンで活動する自衛隊のPKO部隊に、戦争法によって「駆けつけ警護」という新たな任務が追加されます。伊丹に総監部を置く陸上自衛隊中部方面隊の自衛官が、現在南スーダンに派遣されていますが、現在、政府と反政府勢力による武力衝突で、住民と兵士が入り乱れた紛争が続いています。深刻なのは、11歳から17歳の子どもたちが1万人以上少年兵として戦闘に繰り出されていて、このような地域で自衛隊が「駆けつけ警護」にあたれば、自衛官の向けた銃口の先にいるのは住民と子どもたちです。

 自衛官の命を守るためにも、自衛官が誰の子どもも殺させないためにも、安保法制=戦争法廃止、立憲主義の回復を政府に求めるべきです。各地の紛争も、過激武装組織ISに対しても、北朝鮮の核兵器・ミサイル開発、中国との領土問題にいたるまで、憲法9条を持つ日本の役割は、武力による解決ではなく、非暴力・非軍事による平和的解決の先頭に立つことです。

 市長の見解を伺います。

2)憲法改正=緊急事態条項は必要か

 自民党の改憲草案では、緊急時とされる事態に、内閣への権力集中と国民の基本的人権の制約を行うことが明記されており、安倍首相は、「緊急事態条項」の新設が憲法改定の重要なテーマとなるとの考えを示しました。その根拠とされる災害対策が「緊急事態条項」の理由になるのでしょうか。

 東日本大震災の被災地、東北弁護士会連合会は、この問題で声明を出し、行政の震災対策の初動対応の遅れの原因は、行政による事前の防災計画策定、避難訓練、法制度への理解といった「備え」の不十分さにある。日本の災害法制はすでに法律で十分整備されている。国家緊急県は、災害対策を理由としてもその必要性を見出すことはできない、とされています。

 「緊急事態条項」は、独裁国家、戦争国家に道を開き、憲法9条改定につながる危険きわまりないものと思いますが、市長はどうお考えでしょうか。

 市長は当然のことながら、日本国憲法を遵守する、立憲主義の立場に立っていると考えます。その立場から市政を担っておられると思いますが、市政を担う責任者として、憲法遵守、立憲主義の中心はどこにあるとお考えでしょうか。

 見解を伺います。

3)「アベノミクス」がもたらした貧困と格差の拡大をどう見るか。消費税増税・大企業減税ストップを政府に求めよ。

 市長の来年度予算の提案説明では、景気の先行きは不透明であるとされました。

 一方、安倍首相は、「この3年間で雇用が増え、高い賃上げも実現し、景気は確実に回復軌道を歩んでいる」と「アベノミクス」の成果を自画自賛されています。確かに、一部の大企業は2年連続で史上最高の利益を上げ、内部留保を3年間で36兆円増やし、初めて300兆円を突破しました。しかし、安倍内閣のこの3年間で、実質賃金はマイナス5%と、国民の暮らしはますます悪化し続けているのが実情です。厚生労働省が発表した2015年の毎月勤労統計調査によれば、実質賃金指数は94.6で、前年比0.9%減となり、4年連続の前年割れです。また、総務省の「家計調査」での実質可処分所得は、2015年には40万8,649円で、30年前の41万3,835円を下回る水準まで落ち込んでいます。国民生活基礎調査で「生活が苦しい」と答えた人が62%にのぼっているとおり、「アベノミクス」は完全に崩壊しています。その際たるものが、日銀による「マイナス金利」導入です。

 このようなときに消費税を10%に引き上げたら、食料品などの税率を8%に据え置いたとしても、1世帯あたり年間6万2,000円もの負担増となり、くらしにも、経済にも、大打撃となることは明らかです。大企業には今まで3兆円、更に1兆円の減税を行うとし、その財源として地域の中小企業に打撃を与える財形標準課税の適用拡大を進めようとしていますが、ますます貧困と格差が広がるだけです。

 市長は、「アベノミクス」がもたらした貧困と格差の拡大をどう認識されているのか。伊丹市民にどんな状況をもたらしているのか、何を是正しなければならないとお考えなのでしょうか。市長は、消費税増税・大企業減税ストップを政府に求めるべきと思いますが、合わせて見解を伺います。

2.伊丹市行財政プランについて

1)効率的な行政経営 PPP(公民連携)の推進について

 伊丹市行財政プランでは、PPP(公民連携)に関する基本的な考え方として、民間と公共の双方がWIN-WINの関係を築けるようにする。新規事業実施の際には、PPPの活用を検討する。既存の事業についても再度民間ノウハウの活用を検討する。民の能力を活用できるものは民に任せ、行政が直接行うべきサービスの集中・重点化を図るとされました。そして具体的な取り組みとして、民間委託等の推進などを挙げられています。

 そこで、民間委託等の推進、指定管理者制度における民間事業者の参入を増やすとされている問題について私の見解を述べ、お考えを伺います。

 一つには、民間事業者の参入では、その委託先が利益を得ることが前提となります。公共を担う公務員は、憲法15条で「全体の奉仕者」とされ、このことは公務員が憲法的価値、すなわち人権保障を実現するための存在ということです。したがって、公務員が担う公の施設管理や公的業務に市場原理、利潤追求はなじまず、このことで公共性を失うことになるのではないでしょうか。

 二つには、民間企業は利益を得るためには、人件費の低下を招き、その結果サービスの低下につながりかねず、「官製ワーキングプア」の増大につながります。

 三つには、民間事業所への委託等の拡大は、公務労働を通じて、公務員の最大の仕事である人権保障の業務に関するノウハウを、サービスの現場で働く公務員と市役所内に蓄積する機能を縮小させることになります。

 以上の問題点に関して見解を伺う。

2)市民まちづくりプラザの移転について

 具体的な事務事業の見直し・効率化の項目で、「まちづくりプラザの借料見直し」が上げられ、まちづくりプラザが阪急伊丹駅前ビルに設置されており、毎年約600万円の借料等を支出していることから、市内公共施設の別の場所に移転させることや運営手法の抜本的な見直しを検討するとされました。そして、来年度予算案で、スワンホールレストラン跡に移転することが提案されています。

 伊丹市まちづくりプラザは、「市民の参画と協働によるまちづくり活動の推進を図るため」とその目的を条例で定め、条例第3条で事業内容が規定され、指定管理者によって管理運営が行われています。昨年度も例年と同様、来館者数は13,454人、登録団体は276団体、活動相談件数は127件など、活発な活動拠点としての役割を果たしていると考えます。

 もともとは、震災によって倒壊した阪急伊丹駅を福祉駅として再建したことによりハートフルプラザと言う情報サービスセンターとして、1998年の11月にオープンしましたが、その後、2004年4月から現在のまちづくりプラザとしての機能を有する施設となり、市民の参画と協働のまちづくりを実践するため、市民間の活動の情報の交換、市民力によるまちづくりの連携・交流を図ることで、協働によるまちづくりを推進していくため施設とされ、年間13,000人を越える利用者によって、現在まで運営されてきました。

 今回の提案では、行財政計画における「まちづくりプラザの借料見直し」としてのものです。しかし、当初の施設設置時に言及された市民にとって利便性のすぐれた駅ビルの中における施設が、スワンホールに移転することになれば、施設利用者にとっての利便性が損なわれることになるのではないか、今の場所でどんな不便があったのか、なぜ中心市街地で代替を探さなかったのか、などの疑問があります。

 また、行財政計画の中で、「運営手法の抜本的な見直しを検討する」とされていますが、現在の管理運営の何が問題であると認識されているのか、どのような運営手法が求められているとお考えなのでしょうか。

 以上2点、見解を伺います。

3.伊丹市産業振興ビジョンについて
――「アベノミクス」に対抗し、いかに地域経済を活性化させるか

 来年度から5年間の伊丹市産業振興ビジョンがつくられようとしています。伊丹市統計書によると、2012年における市内事業所総数は5,617事業所、総従業者数は64,987人となっており、事業所総数の99%は中小企業であり、従業者の内の80%以上が中小企業で働いている状況にあります。しかも伊丹市民の従業地では45%が市内事業所という他市にない特徴があり、二つの大規模事業所と二つの大型商業施設があるにせよ、中小企業の活性化は地域経済と市民の暮らしに直結しています。一方、統計書によれば、3年前の2009年と比べて、事業所総数で456のマイナス、中でも建設業が43、製造業が22、卸・小売業が86事業所のマイナスとなっており、従業者数でも、総数で13,067人、建設業で554人、製造業で1,076人、卸・小売業で477人のマイナスです。事業所の減少分の内、10人未満の小規模事業の割合を見ると、総数で68%、建設業で79%、製造業で45%、卸・小売業で52%となっており、小規模な事業所の廃業若しくは転業が際立っているのが特徴です。新たな産業振興ビジョンのなかで、これらの事態をどう変えていくのかが課題となります。

 そこで次の点についてお聞きします。

1)地域内経済循環に視点を置いた産業活性化の方策について

 注目していることは、第5次総合計画の中で打ち出された「伊丹の強みや魅力を発揮できるよう事業者間の交流や連携を強め、地域内経済循環に視点を置いた産業活性化の方策を検討します」という考え方です。当時も発言しましたが、地域内経済循環型の地域経済をつくるには、いかに持続的な地域経済発展の仕組みをつくるか、地域に密着した多くの中小企業・事業所、農家等に所得が生まれてくるという視点での仕事起こし、福祉や環境分野も含めた「人間の再生」と地域の持続性を踏まえた新しい産業政策が求められていると、この考え方に共感しました。地域で物、仕事、資金が回る循環型の仕組みを通じて、一定の経営支援を行うことにより、地域経済持続への展望も開けてくると考えます。

 今までの5年間の産業振興ビジョンのなかで、地域内経済循環を視点に総括した場合、どのような評価をされているのでしょうか。

2)地域内経済循環に視点を置いた産業活性化の具体化について

 ①中小企業振興条例(仮称)の制定について

 この間、2014年6月には小規模企業振興基本法が策定され、法的にも小規模企業支援が自治体の責務と位置づけられたことにより、全国で中小企業・小規模企業振興条例が制定され、2015年12月現在で、同年10月に制定された兵庫県を含み、39道府県145市区町に及んでいます。

 伊丹市は、他市と比較して産業が集積したまちであること、市民の従業地では45%が市内事業所という特徴があり、比較的中小企業・小規模事業所で働く従業者が多いこと、二つの超大型商業施設が進出し小規模商店に大きな影響を及ぼしていること、他市と比較して小規模建設業者が多いこと、都市農業でのがんばりが他の事業とも連携できる可能性が大きいこと、様々な地域資源が活用できる条件があることなど、他市にない特徴があります。伊丹市はこのなかで、5年ごとの産業振興ビジョンをつくり、産業振興策を進めていますが、法的にも小規模企業支援が自治体の責務と位置づけられた今、中小企業振興条例(仮称)の制定で、地域内経済循環を視点においた伊丹市独自の長期的展望にたった理念を持ち、系統だった中小企業振興策が求められているのではないかと考えます。見解を伺います。

 ②住宅リフォーム助成制度について

 住宅リフォーム支援に関しては、今まで、何度か要望して実現された住宅の耐震化工事への支援や介護でのバリアフリー工事への支援は行われており、今回、国の地方創生交付金を活用して、伊丹市に転入される世帯に対してのリフォーム助成制度を創設されました。国の総合戦略では、「人口減少を踏まえた既存のストックのマネジメント強化」の中で、「中古住宅の流通やリフォームは十分ではない」とし、2010年までのKPIとして「中古住宅流通・リフォーム市場の規模を20兆円」と設定し、国もリフォーム促進を推進しています。このことで大手建設企業のリフォームの営業活動も活発化してきています。

 一方、国のこの動きを受けて、全国の自治体では、様々なリフォーム助成が展開されるようになり、リフォーム助成の経済効果を32億7千万円から735億円に引き上げる目標を設定した自治体、定住促進事業でのリフォーム促進、地域コミュニティ支援事業の中で空き家のリフォームの位置づけ、店舗リフォーム助成制度も行われています。

 伊丹市は公共施設マネジメントの中で、資源を大切にするとして計画的な修繕を行うとしていますが、個人住宅も同じように、大切な社会的資源といえます。建て替え、買い替えではなく、超寿命化を図る、そのためのほんの一部に対する助成でリフォームのきっかけとなり、地元建設業者のみならず様々な業種に効果が波及します。答弁でもこの制度の経済波及効果はあるとされてきており、伊丹市としてどう「地方版総合戦略」に位置づけるか検討し、おそらく5年間は継続されると予想されるこの制度を活用して、リフォーム助成制度を創設することを求めます。見解を伺います。

3)事業所訪問調査をどう生かしているか

 伊丹市は今まで商工会議所と連携して市内事業所訪問をやられています。工業、地域の商店でどんな要望が出されて、今回のビジョンに反映されたのか。特に、中心市街地における商店支援は、空き店舗助成等様々な形で行われたが、周辺の商店には行き届いていません。地域の小売商店に関して、第5次基本計画の中では、「こうした店舗は、商品を販売するだけでなく、都市機能の一部として地域住民のコミュニティ機能や地域の身近な台所としての役割を果たしており・・・地域の身近な場所での買い物や古流など、市民のくらしを支える商業機能の活性化が必要」とされている。この実現をどうされようとしているのか、合わせてお伺いします。

4.子どもの貧困対策…子育て支援の充実

 厚生労働省が発表した2013年の国民生活基礎調査によると、日本の相対的貧困率は16.1%で、貧困線も1997年の149万円から下がり続け、今回は122万円となり、貧困線が下降するなかで貧困率が上昇していることは、貧困線未満の人が増大していることになります。なかでも子どもの貧困率は16.3%と、これも過去最悪です。日本の18歳未満人口は2062万人で、単純に貧困率を掛けると323万人が貧困線以下の所得しかない家庭の子ども。単純に伊丹市の2014年の推計18歳未満人口に掛けると、5,645人が貧困線以下ということになります。とりわけ一人親世帯の貧困率は前回調査の50.8%から54.6%に悪化し、OECD諸国のなかで最悪の水準が続いています。

 一方、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が2014年1月に施行、その8月に「子供の貧困対策に関する大綱」がつくられ、教育支援、生活支援、保護者に対する就労支援、経済支援が重点施策として挙げられています。しかし、安倍政権は、生活保護の扶助費の削減、老齢・障害・遺族年金の引き下げ、児童扶養手当や障害のある子どもへの手当を減額を行い、生活保護基準の引き下げは子どものいる家庭で約10%と最も大きく、これに連動して就学援助も打ち切られる子どももでてきます。 

1)就学援助補助事業の見直しについて

 伊丹市行財政プランの事務事業の見直しの項目に、「就学援助事業の見直し」があげられ、国の生活保護基準の見直しに伴い、認定基準の見直しを実施するとされています。しかし、就学援助制度は、経済的に苦しい家庭の小中学生の学用品などを補助する仕組みで、憲法26条の「教育を受ける権利」「義務教育の無償」を具体化した制度の一つ。事務事業の見直しで基準を引き下げるような性格のものではありません。

 そもそも生活保護の生活扶助費引き下げの算定において、電気製品購入割合を一般世帯と同じにする手法をとったことで、生活保護世帯の生活実態とかけ離れました。2008年と2010年の比較では、ノートパソコンやテレビなどの物価変動率66.4から73.0と大きく下がり、生活必需品は112.2から138.4と上がっています。生活費は上がっていることになり、もともと生活保護基準の引き下げは道理のないものです。そのようなもとで、伊丹市における保護世帯の内、30歳代の両親と12歳、10歳の子どものいる家庭では、保護基準引き下げ前と比べて月額15,070円も下げられました。

 従って、このような道理のない生活保護基準の引き下げに伴う、就学援助費における認定基準額引き下げは、子どもの就学の条件と環境を最低限整える上で極めて重大な問題となります。だからこそ安倍政権は、「就学援助などに影響させない」として自治体に通知を出し、阪神間各市も基準額は下げていません。それなのに伊丹市だけが今年から基準額引き下げを行ったのです。来年度も引き下げることになれば、阪神間では三田市を除いて最低の基準になります。これでは、いくら市長が「未来の子どもたちにまちの活力を届ける」とか、「未来を担う人が育つまち」と言っても、やることは逆の施策ではありませんか。

 「子どもの貧困対策法」で、国・自治体に対し子ども世帯への経済的支援強化が求められているとき、伊丹市としては、就学援助における基準額引き下げをやめ、ただちに元に戻すこと。その際、生活保護扶助費に掛け合わせる倍率を引き上げて就学援助費基準額を求め、さらに現在の伊丹市の4人世帯での基準2,746千円を、せめて川西市の2,955千円まで引き上げることを求めるものでが、見解を伺います。

2)子育て世帯への直接支援…子どもの医療費助成について

 子育て世帯の負担となっているのが子どもの医療費負担です。子どもの医療費助成の取り組みは全国に広がり、兵庫県下では、今年度中学3年までの無料化が30自治体に広がり、来年度猪名川町も踏み切ることとなり、75.6%の自治体まで無料化が進みました。

 昨年3月議会の質問でも、患者の経済的理由により治療を中断する事例や、経済的負担を理由に検査や治療、投薬を断られた事例が半数以上存在する調査結果を示しました。シングルマザーのAさんは、「長男がADHDで定期的な受診が必要だが、なかなか通院できない。財布の中身を心配して受診を控えてしまう」と訴えています。長野県のある医師は、「貧困層でなければ、保護者はお金がかかっても必要なとき医者に連れて行く。しかし貧困家庭では、窓口負担があることで、医者にかかるべきなのに連れて行かない、医療ネグレクトともいえる事態がおこっている」と指摘しています。今までの答弁で、コンビに受診を助長することへの懸念に言及されました。窓口負担というハードルでコンビに受診を減らそうというのは、貧困層を医療から遠ざけ、医療ネグレクトを助長するだけです。しかも、受診を控えることで重症化し、医療費が高くつくという調査結果もあります。

 本来国が、全国どこでもお金の心配なしに医療にかかれるようせめて就学前まで無料化を実施すべきですが、安倍政権はこれに背を向け、窓口助成する自治体には国民健康保険へのペナルティを実施して、子どもの医療費の無料化を抑えてきました。

 伊丹市で中学3年生まで無料化を広げるには、1億2,000万円の財源が必要で、限られた財源状況を踏まえ、子育て支援策として幅広くかつ慎重に議論しなければならないというのが今までの答弁です。しかし兵庫県下で75.6%の自治体が実施しているのであり、「活力ある都市ランキング」で兵庫県下29市中4番目の伊丹市が、貧困家庭にある子どもにも活力を与えるためにも、財政調整基金を標準財政規模の20%にすることより優先して取り組むべきことと考えますが、見解を伺います。

5.障害者施策について

 障害者施策では、2014年の障害者権利条約批准、今年4月の障害者差別解消法施行に続き、障害者総合支援法が見直しされることとなり、「障害者総合支援法施行3年後の見直しについて~社会保障審議会障害者部会報告書~」(以下「報告書」)がまとめられ、現在行われている通常国会に改正案が提出される見込みです。これから国会での議論となりますが、伊丹市からも当事者や福祉現場の声を届け、「骨格提言」や「基本合意」に近づける努力をお願いしたいと思います。

 今回は、「報告書」の「各論点について」の中から、伊丹市の施策に関して、次の問題についてお聞きします。

1)高齢の障害者に対する支援のあり方について

 「報告書」の「障害者の高齢化に伴う心身機能の低下等への対応」についてお聞きします。当然のことながら障害者の高齢化に伴ってこれまでと違ったサービスが求められる。特に知的障害者には、体の衰えや病気などに対する自覚がなく、今まで以上に健康管理や予防が必要となり、医療との連携が求められます。また、これらの人は幼少のころから家族を中心として様々なサービスの支援を受けてきているが、家族の高齢化に伴って家族中心の支援とはいかなくなる。親亡き後の体制整備も必要です。

 そこで、伊丹市の場合、これらの課題への今までの取り組みと、今後の取り組みはどうなのか。その際、「報告書」ではグループホームにおける重度者への対応強化や医療との連携等を総合的にすすめるため、地域生活を支援する拠点の整備を推進するべきであるとされていますが、このことに対する見解も合わせてお伺いします。

2)精神障害者に対する支援について

 「報告書」では、精神病院は新規入院患者の87%が1年未満で退院する一方、約20万人が1年以上入院していること、毎年5万人の長期入院者が退院する一方、新たに5万人が長期入院者となっているとされています。そして、本人の意向を尊重し、地域移行・地域生活の支援の取り組みを強化すこと、グループホームや障害者支援施設を中心とする地域生活を支援する拠点づくりの機能強化を行うとしています。

 精神障害者が真に地域で安心して暮らせるようにすることは必要です。しかし、国は地域移行のための必要な財源保障や整備を十分行ってきているとはいえません。

 そこで、まず、伊丹市における入院精神障害者の地域移行の実態についてお伺いします。さらに、地域移行する場合、医療との連携、グループホーム、家族への支援、ピアサポート等々様々な整備が必要となりますが、伊丹市の場合これら整備は十分とお考えなのか。また、「報告書」では、市町村が中心となり、当事者を含めて医療と福祉の双方を含む様々な関係者が情報共有や連携体制を構築する場として、協議の場の設置を促進するとされているが、伊丹市にとってこの必要性についてのお考えを伺いします。

6.介護保険について

1)安倍内閣の「介護離職ゼロ」でどう変わるのか

 介護めぐる事件が連日のようにニュースになっています。家族が介護疲れから殺人に至る事件は、警察庁が統計を取り始めた2007年から2014年の間に未遂も含めて373件おきており、年平均46件、8日に1回の割合です。介護を苦にした自殺・無理心中は同じ8年間に2,272人にも上り、介護のために家族が仕事をやめる「介護離職」は年約10万人で推移しているといわれます。

 このような中、安倍内閣は「1億層活躍社会」の緊急対策で、「介護離職ゼロ」に向けて介護施設などを50万人分増やすとしていますが、その一方で、介護報酬を過去最高の規模で引き下げました。厚生労働省所管の独立行政法人が行った介護報酬改定影響調査を10月に公表しましたが、7割の特養が減収、過半数の特養が先行き懸念を表明し、職員の処遇改善も進まず、施設建設のめどが立っても職員確保ができずに開所を断念するケースもあるとされています。
東京商工リサーチによれば、昨年1年間に発生した「老人福祉・介護事業」の倒産件数は前年比40.7%増の76件で、介護報酬の引き下げが影響しています。

 これらの実態は、「介護離職ゼロ」どころか、現場での「介護崩壊」を如実に示しているのではないでしょうか。そこでお聞きします。

① 先ほど述べた国やり方についてどうお考えでしょうか。また、昨年の介護報酬引き下げによって伊丹市内の事業所の経営実態はどのようになっているのか掌握されているのでしょうか。

② 特養の待機者解消にむけて努力はされているが、国の言う38万人分の従来からの計画は、伊丹市では第5期、第6期の計画内にすでに盛り込まれているのが実態です。では12万人分の追加は伊丹市においてはどのようにされるのか。財政支援がなければ追加の建設はできないがどう措置されるのか。また、伊丹市の特養待機者をいつゼロにできるとお考えか、お伺いします。

7.教育課題について

1)主権者教育

 今年の夏の参議院選挙から選挙権が18歳に引き下げられることに伴う、主権者教育のあり方について、昨年の12月議会でも質問しましたが、時間が足りず、不十分に終わったことから、再度質問したいと思います。

 文部科学省による「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について」(通知)がだされましたが、問題と思われる箇所、すなわち学校内での授業・生徒活動・部活動を「利用」した政治活動の禁止をはじめ、放課後や休日における学校内での政治活動も、学校外での政治活動も制限又は禁止としていることに関し、これらの点では従来の通知とほとんど変わらず、このことによって、せっかく18歳選挙権が実現したのに、真の主権者教育ができなくなるのではないかとの危惧からの質問でした。

① 論点となったひとつは、教育基本法第14条です。その条文は、1項で「良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない。」2項では「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない」とされている点で、教育委員会は、その第2項を持って、憲法と子どもの権利条約で保障する政治活動を制限することができるとの答弁です。そもそも第1項で政治教育を重視していることが前提です。第2項は、主語は「学校」であり、授業などの教員による教育活動が特定の政党を支持する活動であってはならないという趣旨であって、何回読んでもこの項目に生徒の個人的活動は含まれようがありません。学校が党派的授業を行ってはならないということと、生徒が個人的に政治活動を自主的に行うことは別の事柄であって、第2項が生徒の政治活動を制限できるものではありません。

② 二つには、教育委員会の答弁で、「基本的人権とはいえ、高校生の政治活動については、学校の教育の目的を達成するために…制限を受けることは必要」とされた問題です。そもそも教育基本法では、教育の目標に、豊な人間性、国家および社会の形成者、個性の確立、社会の理解と批判力などを掲げていますが、この目的を達成するためになぜ憲法に定められた基本的人権が制限されることになるのかまったく理解できません。

③ 三つには、高校生の政治活動が、違法・暴力であったり、施設の物的管理の支障であったり、学習活動への支障や他の生徒の学業の支障であったりする場合を制限の理由にしている問題です。しかし、それは政治活動に限らず、どんな行為でも違法・暴力や他者の権利侵害は許されないのであって、これをもって政治活動の制限の理由にはなりえません。制限されるのは、暴力そのものであり、他者への権利侵害そのものです。学習活動への支障があげられていますが、それは制限の理由にするのではなく、親身の助言を通じて、教育的に行われるべきものであり、かつ、それに従うかどうかは生徒個人の問題です。
生徒から見れば、学校とは本来、自由に社会や政治の話ができ、社会問題や政治の基礎的知識を学ぶことができる場であり、学ぶなかで、自分なりの考えで政治活動を行う自由もあります。ただし、それは一人の人間としての行動であり、学校の正規の教育活動としてではなく、教育活動と政治活動の区別は大事であり、それは両者をそれぞれ保障するためのものであって、萎縮させるためのものであってはなりません。

 以上の点について見解を伺います。

2)コミュニティ・スクールについて

 事業概要では、保護者および地域住民の学校運営の参画の促進や連携強化を進めることにより、学校と保護者、地域住民等と信頼関係を深め、一体となって学校運営の改善や児童生徒の健全育成に取り組むシステムを構築するとされています。そしてその基本的役割として、①学校運営の基本方針の承認②学校運営に関する意見を述べることができる③教職員の任用に関する意見を述べることができるとしています。

 今までの学校と地域の関係は、学校評議員として地域の代表が参加していることや子どもの登下校時の見守り、授業での昔の話をする、土曜学習、樹木選定などで、ボランティアとしての参加が中心でありました。今回のコミュニティ・スクールの場合は、一定の権限を持ち、学校と地域が対等な立場で学校運営を行い、ある意味では学校を監視することにもなり、特に教職員の任用に関する意見も述べることができるという点は、そこまでするのかというのが実感です。また、教育の専門家である教師が子どものたちのために働いていることから、それを尊重し、教師を励ますことになれば、このことは重要と考えますが、学校は自立した教育のための組織体として、地域と適度な距離をもつのが良いのではないか。また、地域からの参加と言っても、地域住民の意見を代表することになるのか。等々様々な疑問が出てきます。
 

そこで、①学校、地域それぞれどんなメリットがあるのか。②PTAは今まで学校に関わることも多かったが、地域にとっては関わりが薄く、地域の理解をどう深めていくのか。③学校運営に対する意見や教職員の任用に関しても意見を述べることができるとされるが、そのことがどこまで実現可能なのか。

 以上に対する見解を伺います。