1:「特定利用空港、港湾」に関してです。
大阪国際空港=伊丹空港が、その「特定利用空港」指定の候補として上がっている という問題についてです。
17日には、伊丹市からも各議員に同趣旨の情報提供がありました。
県内では伊丹空港の他に、神戸空港、姫路港も対象候補に挙げられています。
私は、市内の平和団体と一緒に4月23日、伊丹市長に対して「大阪国際空港の特定利用空港指定に同意しないよう求める申し入れ」を行いました。
兵庫県の説明では、「特定利用空港・港湾とは、自衛隊・海上保安庁が、平素から必要な空港・港湾を円滑に利用できるよう、インフラ管理者との間で円滑な利用に関する枠組みを設ける、民生利用を主としつつ、自衛隊・海上保安庁の航空機・船舶の円滑な利用にも資するよう、必要な整備又は既存事業の促進を図り、平素から円滑な自衛隊の人員・物資輸送等に資するよう、「特定利用空港・港湾」と自衛隊の駐屯地等とのアクセスの向上に向け、道路ネットワークの整備を図る」としています。
特定利用空港、港湾とは、2022年12月16日に岸田政権が閣議決定した「安保3文書」に基づくものです。2024年4月以降2026年4月まで、合わせて国内24空港・33港湾、計57施設となっており、特に沖縄県と九州各県、北海道では一気に整備計画が進められています。
第1の問題は、政府の戦争する国づくりと一体のものであり、伊丹市が戦争の拠点となりかねないことです。
ここで、日本平和委員会の千坂純氏の見解を参考に意見を述べます。
2015年に強行された安全保障法制=戦争法で、日本が直接攻撃を受けなくても日本と緊密な関係にあるアメリカ等が攻撃を受け、日本の存立を脅かす事態と認定された場合、アメリカ支援の為に「武力行使を行う時」また、「日本が攻撃を受けていなくても、アメリカが海外で戦争を引き起こし、それが日本の平和と安全にとって重大な影響を与える事態と認定された場合、戦争をするアメリカを日本や自衛隊が後方支援するための環境整備、=「特定利用空港、港湾を柔軟かつ迅速に」利用することが出来るようにすることです。
武力攻撃事態、及び武力攻撃予測事態における空港、港湾の利用、調整に関しては、「特定公共施設利用法」では、政府が自治体など、空港、港湾の管理者に対し、自衛隊やアメリカ軍等による、優先的使用を「要請できる仕組み」を定めており、自治体が要請に応じなければ、総理大臣の権限において「指示」が出せる規定になっています。
又、平素からの訓練が重要として、戦闘機や輸送機の離着陸訓練や船舶の護衛艦等の離岸接岸訓練、各資材機器などの実働訓練、等を想定した様々な訓練を行い、緊急時、有事にいつでも軍事利用できる体制作りをしておくのが「特定利用空港、港湾」体制作りの狙いと言えるのです。
伊丹市内自衛隊駐屯地で頻繁に行われている日米共同演習、共同作戦計画の中では、米軍が出撃や燃料補給等の拠点となる基地、港湾等の提供、警護など具体的項目ごとに警察や、地方自治体、民間の協力も含めた計画作成。医療の提供であれば、「提供する病院名、ベッド数、必要な医薬品類」等詳細に詰めることとなります。
有事の際の空港、港湾の利用を重視しているアメリカ軍の指揮により、訓練の経由地としての緊急着陸と称して民間空港,港湾の利用が、2023年度は緊急空港利用453回と頻回になって来ている事は重大です。
特定利用空港、港湾の整備推進は、平時からの軍事訓練使用、有事(戦時)に至るまで、更に、優先的に軍事作戦に使用されることになりうる事態であり、国際法上も攻撃の対象に日本がなってしまいかねないのです。
第2の問題として、伊丹空港の安全と環境問題、伊丹市の平和政策についてです。伊丹空港に関していえば周辺都市対策協議会(通称10市協)の協議を経なければなりません。航空問題では、航空機の騒音対策や航空、空港の安全な運用、周辺地域との調和重視が言われていますが、伊丹空港は、住宅や工場が密集した都市中心部に位置する空港であり、軍用機等の発着時には莫大な騒音被害も生じます。伊丹市は平和都市宣言都市であり、特定利用空港の指定を認めてしまえば施策に逆行するとともに自衛隊が常用出来る空港になりかねない、戦争への道を加速させることにもつながります。
このように、特定利用空港化を進める国の動きに対し、上記の二つの問題点を考慮し、伊丹空港を特定利用空港として指定することに反対の立場を明確にすることを求め、以下の質問をします。
① 2023年から3年間での米軍機、自衛隊機の伊丹空港離発着の回数
② 伊丹空港が特定利用空港指定の候補となっている事に対する課題認識
・市中空港としての危険性、騒音問題、時間規制緩和等、今後想定される諸問題
③ 周辺自治体(10市協)と、新関西国際空港株式会社等との協議は進んでいるのか、また今後どのような立場で臨もうとされているのか。
【市側答弁】
1.大阪国際空港(伊丹空港)が特定利用空港指定の候補となっている事に対する答弁
(都市活力部長)
特定利用空港につきましては、令和4年12月に策定された国家 安全保障戦略に基づくもので、内閣官房のホームページによりますと、自衛隊・海上保安庁が、国民保護への対応や平素の訓練、また有事の際の迅速な展開などを目的として、必要な空港を円滑に利用できる体制を整えることを目的としています。
具体的には、国が空港管理者との間で「円滑な利用に関する枠組み」を設け、その対象となった空港を「特定利用空港」に指定し、この枠組みにより、自衛隊や海上保安庁の航空機が必要な際に迅速かつ円滑に空港を活用できるよう、あらかじめ調整・整備を行います。基本的な考え方として、あくまでも民生利用が主体であり、日常的な民間航空の運航を妨げることなく、自衛隊・海上保安庁の航空機が必要に応じて円滑に利用できるよう、施設や運用面での必要な整備を進めるとされています。また、特定利用空港と自衛隊駐屯地などを結ぶ道路ネットワークの整備も合わせて図られることとされており、空港単体の整備にとどまらず、周辺インフラも含めた総合的な対応力の強化を目指すとされています。
議員ご案内のとおり、令和8年3月30日に、国から兵庫県に対して、大阪国際空港及び神戸空港を特定利用空港の対象候補として検討している旨の説明があったこと、また、神戸市においても、神戸空港の空港管理者として、同様に国から説明を受けたことが公表されております。
①「2023年度から2025年度までの3年間における、米軍機及び自衛隊機の伊丹空港への離発着の回数」について
本市が独自に航空機の種別ごとの離発着回数を集計している ものではございませんが、空港運営会社である関西エアポート株式会社に確認し、提供を受けた資料によりますと、伊丹空港における米軍機及び自衛隊機の離発着回数は、2023年度は、米軍機が0回、自衛隊機が10回、2024年度は、米軍機が4回、自衛隊機が0回、2025年度は、米軍機が6回、自衛隊機が6回でございます。3年間の合計では、米軍機が10回、自衛隊機が16回、合計26回となっております。
なお、個々の運航目的や詳細な運航内容につきましては、安全上の問題を理由に詳細を聞き取ることが出来ない案件もあり、本市においてすべてを把握できるものではございませんが、災害対応、緊急輸 送、訓練、業務上必要な関係者の移動など、さまざまな目的による利用であると認識しております。
②「伊丹空港が特定利用空港の指定候補となっていることに対する本市の課題認識」について
先日の大津留議員への答弁でも申し上げましたとおり、伊丹空港が特定利用空港に指定された場合、自衛隊や海上保安庁による利用が想定されることから、市民の皆様の中には、防衛利用の強化や、通常の民間航空とは異なる航空機の利用、訓練、活動等により、騒音や安全面で新たな影響が生じるのではないかといった不安や懸念を抱かれる方もおられるものと承知しております。
こうした不安や懸念に対しては、まず国において、制度の趣旨、指定された場合の具体的な運用内容、想定される利用形態、施設整備の有無、航空機の種類や運航頻度への影響、騒音や安全対策などについて、丁寧かつ十分な説明がなされることが必要であると考えております。
③「周辺自治体10市協と新関西国際空港株式会社等との協 議は進んでいるのか。また、今後どのような立場で臨もうとされているのか」について
伊丹空港に関する諸課題につきましては、 これまでも空港周辺の10市で構成する大阪国際空港周辺都市対策協 議会において、騒音対策、安全対策、空港運用、周辺地域との調和などについて意見交換を行ってまいりました。今回の特定利用空港に 関する件につきましても、本市単独の課題にとどまらず、空港周辺自治体全体に関わる重要な課題であると認識しております。
現時点では、国や新関西国際空港株式会社から本市はもとより、大阪国際空港周辺都市対策協議会に対して、特定利用空港に関する説明がなされておりません。そのため、本協議会に対して適切な情報提供が行われるよう、本年度の運動方針に係る具体的要望事項とすることを検討しているところでございます。
今後、国から本市や大阪国際空港周辺都市対策協議会に対して、特定利用空港の指定に関する説明がなされる場合には、その内容を十分に確認したうえで、必要に応じて、国や新関西国際空港株式会社に対して、空港周辺市と連携しながら適切に対応を検討してまいります。今後も国の動向を注視するとともに、市民の安全・安心、騒音環境対策、生活環境の保全を第一に、関係機関からの情報収集に努め、大阪国際空港周辺都市対策協 議会と連携しながら適切に対応してまいります。